『恐竜戦隊ジュウレンジャー』感想・第28話
◆第28話「大改造!粘土獣」◆ (監督:東條昭平 脚本:杉村升)
「アルバイト?! アルバイトは禁止の筈よ!」
「そうだよ。バーザはいいって言ってのかよ?」
そんな規律が(笑)
ダンは遊びの費用……ではなく、何かと便利なパソコンを買う為にお金を貯めており、索引もないダイノ伝記よりも、これからはインターネットだぜ! と時代の波でサーフィンしようとしていた。
アジトに戻ってきたメイに噛みつかれたバーザは、ダンに泣き落としを受けてついOKしてしまったと愛嬌を見せ、今明かされる、小遣い一日100円の現実。
「仕方ないじゃろう。ここにある僅かな財宝を、すこーしずつお金に換えて、おまえたち5人を食わしておるんじゃから」
ついでに明かされる、そんな気がした真実。
まあ、覚醒したてのゲキたちにアルバイトを許可していたら、乱れ飛ぶ恐竜殺法で賠償金請求待った無しだったので、バーザの判断は極めて正しかったと思いますが、果たしてバーザのマンション管理人としての給料はどこに消えているのか。
オジキの裏帳簿の発見が待たれる中、そろそろ社会勉強も兼ねて現代文明にもっと触れてもいいだろう、とアルバイトが解禁され、メイ(ファストフード店)・ボーイ(宅配便)・ゴウシ(工事現場)、はそれぞれ働き始める事に。
ゲキ「あ、俺はほら、王様だから」
……とは言いませんでしたが、何かあった時の為にアジトへ残る事を決めたゲキ、優等生ヒーローとしては当然の選択の一方、働け働けナイトども、そしてヤマト族のプリンスに最高の貢ぎ物を用意するのだ、という気配が感じられなくもありません。
一方、バンドーラ様は密かにとてつもない作戦を進行しており、ダンのバイト先のラーメン屋を襲う超局地的地震と、水道管から溢れ出す謎の赤いガス。更には厨房を大量のGが走り回る地獄絵図となり、何故、そこをやたら凝ってしまったのか(確かに、今作のコンセプトにあるだろう「悪夢」には合致するのですが……)。
実はラーメン屋の真下にあたる空間では、プリプリカンの指揮の下、より強いドーラモンスター製造の材料となる新しい粘土が掘り出されており、新型粘土で作られた初のモンスター・ドーラフランケとダンが激突。
完全な着ぐるみではなく、ほぼ仮装に近いドーラフランケ(ラーメン屋を客として訪れるシーンあり)、怪力と耐久力を除くと出来は微妙な気もするのですが、変身したダンに対し、アイコン的な首のネジを引き抜くと鎖鎌のような武器になるのは、面白かったです。
バンドーラ一味は掘り出した粘土をパレスへ持ち帰るべく運び出し、地下空間の崩落に巻き込まれて壊滅するラーメン屋、あまりにも悲惨。
相変わらず出鱈目なバンドーラ様は粘土の塊に乗って浮上し、フランケに立ち向かうジュウレンジャーだが、その頑強さの前には伝説の武器も通用しない!
とうとう完全な役立たずになってしまった伝説の武器に涙する間もなくフランケが巨大化すると、ジュウレンジャーは守護獣を召喚し、鎖鉄球を振り回す角刈りヤクザvs巨大ロボという、もしかすると1960年代ぐらいにこんな映画があったのかもしれない気になってくる凄い絵面が展開して、ゴッドホーンさえ弾き返す怪物の大胸筋!
筋肉は光だ!
「このままではやられる! ゲキ! ドラゴンシーザーを呼ぶしかない!」
「よし!」
どうやって呼ぶの……? と思ったら……
「兄さん! 来てくれー!」
ゲキは、ひめいをあげてたすけをもとめた!(笑)
「どうしたんだ兄さん?! どうして来てくれないんだ?!」
「あーはははははは……! これで地球は、あたしのものになる!」
ドーラヤクザに一方的な鉄球攻撃を受ける大獣神は火花をあげて大地に倒れ、かつてないピンチで、久々の、つづく。
夏休み充電期間を終えて杉村さんが帰還するも、アルバイト騒動にGパニック、ラーメンをむさぼるバット人間体とパック人間体なる珍妙なシーンの数々で油断していたら、そこからバンドーラ一味の怪人強化展開に繋がる驚きの宙返りでしたが、大獣神を叩きのめして次回へと引っ張る強化怪人第1弾は、本当にそのデザインで良かったのですか?!(笑)
ドーラモンスターが、ここからシャドウ怪人路線(妖怪仮装シリーズ)にならないかが懸念されますが、後半戦の開幕で、改めてゲキとブライの兄弟関係を描いてくれるようなのは、楽しみです。
……あと、幾らなんでもラーメン屋父子が一家心中ルートすぎるので忘れず救済してあげてほしいのですが、『ジュウレンジャー』なので、ちょっと不安。