東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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7年ぶりと14話ぶり

恐竜戦隊ジュウレンジャー』感想・第27話

◆第27話「メイを食べたい」◆ (監督:東條昭平 脚本:鷺山京子)
 予告からてっきり荒川さんかと思っていたら、鷺山京子さんが『電撃戦隊チェンジマン』以来となる《スーパー戦隊》参加。
 街歩き中、少年から厚意だと思って受け取った花に故国の花園を追憶していたら、金・払・え、と請求されるメイだが、同級生の少女が通りがかるや、少年は一度はメイに渡した花をひったくって、紙に包んだ上で少女にプレゼントし、おまえは俺のヒロインじゃないんだよ、と年上のお姉さん属性が皆無であった。
 「ずいぶん待遇違うんだ」
 それを見ていた、もっと年上の淑女は、
 「私はね、花なんかだいっ嫌いなんだよ!」
 と表情を歪め、そこにかかる、物凄いサブタイトル(笑)
 ヒロインの座からは蹴落とされるも花好きをアピールしたメイは、父を手伝い生花の栽培を行っている少年のビニールハウスに招かれ、
そこで少年が種から育てた懐かしい超古代の植物――リシヤムの花と再会する。
 ところがそこに、バンドーラ様の送り込んだ、花を食べては無数の毒花を生み出す植物系の魔獣ドーラガズラーが出現し、いよいよ神話伝説モチーフにこだわらなくなってきました。
 「これからどんな恐ろしい事が起こるか、楽しみに待っていろーー!!」
 妙に三下口調のドーラ蔓はメイに蹴り飛ばされると逃走するが、各地で生み出した毒花に市民を襲わせ、結構な規模のバイオ毒花テロが発生。
 ゲストヒロインの少女が凄い顔色になり、逃げ回るドーラ蔓を追い詰めたかに思われたジュウレンジャーだったが、調子に乗って生身で袋だたきにしていたら毒花攻撃による反撃を受け、《毒》《マヒ》《攻撃力ダウン:中》《防御力ダウン:中》《素早さダウン:小》のデバフの嵐により、一転して大ピンチ。
 放っておけば全滅しそうなジュウレンジャーだったが、バンドーラ様がいつもの癖で今がチャーンスとついつい巨大化してしまい、
 「じゅうそうけーん!」
 ほら、アニキが仮出所してきた!
 獣奏剣から謎ビームを出してゲキとそのおまけ、もとい、5人の危機を救う緑だったが、巨大ガズラーは街中の花を吸い込み始め、Aパートから剛龍神が召喚されてそれを妨害しようと巨大戦になだれ込む変則的な展開で、あ、桃も乗り込んだ!
 ……緑の席は、無かった。
 (……ドーラガズラーは私が倒すわ。たとえ、この命に代えても)
 しかし、パイロット全員が深刻な状態異常にかかっていた事で、剛龍神は完敗。自暴自棄になった少年が育てた花を焼き捨てるのを止めたメイが、リシアムの鉢植えを手に決意を燃やす一方、ゲキダンボーイは、ドーラ蔓のエネルギーとなってしまう花を街中から回収しており、焦る3人の周囲を、普通に歩いている人たちが居るのが、映像的にちょっと間抜けに。
 敵サイドが大々的な侵略活動をしているのに市民活動が普段通り、自体はよくある事なのですが、男達が花を集めていく一連のシーンにおける周囲の市民のリアクションが、逃走 → 普段通り → 逃走、となってしまった事で違和感が目立ち、東條監督にしては残念な繋ぎ。
 ゴウシはその間にアジトでダイノ図鑑をめくり……かつてリシヤ国に現れた怪物ガズラーが、時のプリンセス・ユイ(千葉麗子さん二役)の命を賭した行為によって消滅していた事を突き止める。
 姿の見えないメイが、ユイと同じく自らを犠牲にしてガズラーを倒そうとしているのでは、と思い至った男衆が慌ててメイを探す一方、リシヤムの花を胸に挿したメイは、古代のプリンセス・ユイのごとく、花畑のなかに横たわってガズラーをおびき寄せており……
 「花だ! 花だ! 大好物のリシヤムの花!」
 花畑に踏み込もうとするドーラガズラーを、崖の上からタイタンおじさんが見ていた。
 「プリンセス・メイが撒き散らした花とも知らぬドーラモンスターよ、荒れ地に乗り入れろ。地獄の口がぽっかり開いて待っている」
 ちゅどーん
 「はっはっはっはっははは、花畑だ、地雷の花の。ふふふふふふふ」
 ……すみません、思い切り『仮面ライダーストロンガー』と混線しました(笑)
 実際には、人身御供になると見せかけて花畑の中から矢を放っての不意打ちだったのですが、どうしても『ストロンガー』が思い浮かんでしまった(人質を追って荒野をバイクで走るヒーローの前に花畑を用意し、ヒーローが花畑を避けたところで罠が発動するのかと思いきや、ヒーローが躊躇なくバイクで花畑に突っ込んだ事で罠が発動する凄い回)事と、トラップが前回と丸被りの事故によりインパクトが出ず、『ストロンガー』は個人的問題ではあるものの、前回と作戦が重なってしまったのは(1話前なので恐らく偶然の不幸と思われますが)、タイミングが最悪になってしまって残念でした。
 「毒花で人々を苦しめ、花を愛する人の心までもふみにじったドーラガズラー! リシヤ国のプリンセス、メイが、許しません!」
 現代のプリンセスは、王子様を待ったりはしません――狩りに行きます! は一ひねりとして面白かったのですが、初期ほど破滅的ではないものの、台詞が長くなると相変わらず抑揚の無さが目立つメイ、これはこれでプリンセスらしく聞こえてくるマジック。
 「メイ! さすがリシヤ国のプリンセスだ!」
 男達も駆けつけ、そうだ、これが、恐竜殺法だ!
 「こうなったら地獄に道連れだ!」
 矢に貫かれた際に空気漏れするようになってしまったドーラ蔓が、やけに潔く戦闘員を招集すると武器を持っての生身バトルに突入。戦闘員を蹴散らすも蔦に囚われたメイが、頭からパックリいかれそうになったその時、プテラノドンが助けにきたーーーーーー!!
 スタッフの方でも、最近のプテラノドンの扱いについて思うところはあったのか、役立たずの男衆に代わってプテラノドンが危機を救うと、メイは颯爽とダイノバックラー。
 伝説の矢の一撃を叩き込むと男衆も続いて変身し……もともと、怪人を爆殺前にバンドーラ様が巨大化しがちな作風に加え、ここしばらく、ブライ出所編・剛龍神投入の為の途中脱落展開が続いていた事もあり、恐らく、第13話以来およそ1クールぶりとなる、ハウリングキャノンでフィニッシュ。
 『ターボレンジャー』辺りから、必殺バズーカ(に類するもの)の使用回数は作品によって割と変動がある印象ですが、カウントして比較してみても面白いかもとは思ってみたり(この感想だと、必ずしもフィニッシュブローに触れているとは限らないので、ちょっとやり辛いのですが)。
 最後はジュウレンジャーと少年少女が一緒に花を育てて大団円となり、次回――現地通貨は自ら稼ぐべし。