東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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『ドンブラ』余談とレス

 雉野みほ=『鶴女房』と言われてみると、それが示唆される犬看病回で、はるかと猿原の「ヒーローは秘密」というやりとりが挟み込まれたのは、
 「見るなのタブー」(“聖なるもの”は隠され、そのタブーが破られた時に対象は喪失する)
 との意図的な関連づけも感じられてくるところ(背景に存在している思想性の上で、あの回に言わせる意味があったというか)。
 記紀神話や民話・伝説など広くフォークロアにおける「変装の基本的役割は、主人公が本来属している世界とは別の世界に身を置いている事を示す記号」小松和彦『神々の精神史』)であり、これはまた、非日常的な服装をする事――変装/変身――により、他界と交渉可能な神霊の属性を身に帯びる(二つの世界を越境する)事も示し、それは当然、“変身ヒーロー”の根底に繋がるわけですが、更に今作の場合、この世界とそこに暮らす人々の在り方そのものにも、そういった意味づけが潜んでいるのかもしれない、などと思えてみたり。
 ……みたいな具合に『ドンブラ』は劇中諸要素に二重三重の奥行きが広がって見えるので、全て掘り起こしきる前に脳の体力が尽きる、みたいな事が連発しています。
 ちなみに『昔話のコスモロジー』(小澤俊夫)によると、
 動物婚姻譚における、動物妻のパターンで「動物が人間の女性の姿で妻に来るが、正体を見られ、(子を置いて)去る。」のは、日本と近隣諸民族だけにのみ見られる話型で、「別れの複雑な気持ちを言葉にしないで語り収める」或いは「人間の側からの動物に対する強い拒否で終わる」文芸的特質、との事。
 「ヨーロッパの異類婚姻譚におけるドラマの焦点は、愛情による魔法の解除におかれている。」そうで、そこに登場する「動物」はつまり、「自然そのもの」ではなく「魔法をかけられて人間が変化した姿」であるとの事ですが(なおヨーロッパだと、精霊との結婚は別離に終わる事が多く、エスキモーの民話のように動物と人間の境界性が曖昧な例もあり)、この伝でいくと魔法が解けると夏美に戻る事になりますが、果たして『ドンブラ』のメルヘンは、どこへ流れ着くのか。
 本日は、『エグゼイド』感想を書きました。

アイドルと鬼

◆スーファさん
 >戦場と日常を行ったり来たりするドタバタ劇はドンブラザーズならではですね。
普段から、召喚と離脱は結構大雑把ではあるので、コメディの素材に使う分にはOK、みたいな飛び道具でしたね(笑)
 >雉の正体は、もっと何かトリ返しのつかないことをやらかしてからバレると思っていたので、今回でギャグ的にバレるのは意外でした。
割としょーもない系でしたが、ここでこんな形で……? はあったので、この先で、おお成る程、な展開を期待したいですね。
 >正体がわかったんだから雉の狂行についてそろそろ追及があってもいいと思うんですけど現時点で全く触れてくれませんね。
これはそろそろ気になりますよね。キジの中身がいい人オーラ全開なギャップもあってか、当面、流しそうな雰囲気にはなってしまっていますが……。
 >犬の正体バレはまだなので、雉と犬の間にミホちゃん関連の溝ができてから正体バレ、という展開が個人的に見たいです。
今のところ、どうあがいても泥沼の地獄絵図になりそうなのですが、ドーンとハッピーエンドできるのか……。なんにしろ、イヌの正体が、いつ誰からばれるのか? は楽しみですね。
 >ネコ、ツル、ペンギンというラインナップも謎ですし。
視聴者に引っかかりを作る意図は当然あるのでしょうが、ぺ、ペンギン……? となりますよね(笑)
 >猫と鶴は童話やことわざで多用される動物なので、今後のサブタイに使われそうな気はします。
これは実にありそうですが、それだけにますます浮くペンギン……ペンギンとはなにか……まあ、海外のことわざに出てきたりするのかもですが。

◆ヘイスタックさん
 >みほの正体が鶴の獣人だったのは、『桃太郎』に続いての『鶴女房』
ああ成る程、今作の要素を使い方を考えると、それっぽいですね。その場合、雉野にはあまり明るい未来が待っていなさそうですが……去りゆく鶴から何かを貰って綺麗に着地できるのか、それとも力強いひねりを入れてくるのか。
 >やはり鳥人鬼は特別な存在としてこの三人絡みで誕生しそうな気がします。
ここまで組み立てが進むと、メインライターの過去作だろうがなんだろうか、思い切っていいところに持ってきてほしいですねー。
 >ソノニもコンドールマンモチーフ=コンドルで鳥なのですが、果たして今後この鳥&恋愛の輪の中に加わる可能性はあるのかどうか
既に犬塚と一回絡ませていますし、こういう期待の持たせ方は、実に鮮やかですね。モチーフ元に(70年代的とはいえますが)「死と再生」の要素が力強く入っているのは、ちょっと怖いですが……。
 >言行が割と外道&肝心な所で頼りにならない、という点では似たような存在とも言えますが(笑)
どうなんだろこの人感が激しくある人外(ぽい)枠としては、非常にシンクロありますね……(笑)
 >視聴者に対して課されるハードルが高く、どうしても『ドンブラ』の形式の善し悪しを感じてしまう部分です。
上の『鶴女房』の件もそうですが、一つ一つの要素の意味づけが多重、かつ、連続ものとしての細かい布石も数多いと、とにかく消化に体力を使う作品ですよね……。

◆ピンクまさん
 >序盤のシロクマ運送の社長やら同僚やらの行動が不可解で、ドラマの都合上の演出となってしまった
無駄に感じ悪くなってしまいましたよね……なんだかんだタロウが居着いている職場なので、あまり嫌な感じに書かないでほしいところではあるのですが。
 >アイドル回なら荒川さんにやってほしいとか思ってたんですが
ほぼほぼ、荒川×渡辺、みたいな演出で(笑)
 >最後の合体が割り切り過ぎてて大変面白かったのでOKです(オイ
私も、あそこまで力強く割り切られると、かえって面白かったです(笑)
 >まぁとりあえず玩具販売の成功例(特に今まで弱かった大人向けで)を作ったのでしばらく戦隊はその点では安泰かも知れません。
売り方にちょっと問題は出たものの、ひとまず初速は絶好調なのですね、それはホッとしました……これまでは安全基準の問題などもあったのでしょうが、やはり鉱脈の一つは、アクションフィギュア寄りの方向性を取りこんで、高年齢層市場へのリーチを狙う、だったんですかね……勿論これはこれで、足下を切り崩してしまう諸刃の剣の可能性も出てはきてしまうのでしょうが。良い方向へ転がってほしいものです。
 >五体の顔が正面をむくデザインは白倉さんのこだわりだそうですが、今回の作劇でそれが成功しているなと思いました。
やや『電王』チックでありますが、あれによって、お伴の意思表示が明確になりましたし、合体したけど心が一つになっているのかなっていないのかよくわからない感もいい案配になりましたよね……そして、ちょっと静かになるタロウ(笑)

コジコジハルさん
 >はるかがいい意味でかわいげのないヒロインだからかお盆を折っても違和感を感じないのがすごかったです。
雑に扱われる分だけ、力で返す方向に順調に成長していて何よりですね(笑)
 >介人も10話ではるかに詰め寄られたせいかはるかに動揺することが多く見えましたし。
チェンジ目撃をきっかけに、物怖じしないはるかとの力関係に変化が生じ……マスターに少し愛嬌が出てきたので、これを広げていくのも期待したいですねー。
 >ソノイと会話しているシーンはファイズのたっくんと木場さんを想像してしまいますが
やはり思い出すところですが、ここ数話、私の中でソノイがやたらと好感度を稼いでいるので、どうなっていく楽しみが増しています(笑)
 >元ドンブラザーズのメンバーでポイントをためたことでアイドルとして成功したんじゃないか
成る程、現役アイドルが来店した理由が元バイト、て無くは無いだろうけどちょっと強引では……と感じていましたが、後々、それが明るみになったりすると、綺麗に繋がりますね。黒コーデでしたし(笑)
 >あとお気づきかどうかわかりませんが9話から今までOPに名前があった武部Pの名前が消えていました。
武部さんの名前無かったっけ? と思っていたのですが、最近消えていたのですね。今の流れだと、ライダー復帰は実にありそうですが、次々ベテラン出馬で良いのだか悪いのだか、という感じもありますね……。

◆アクションさん
 >割と今回のヒトツ鬼の元となった人がかなり危ない人なのでタロウもまぁあの扱い方もしょうがないというか
分銅はゴム、鎌もレプリカだったとは思いたいところですが……凄く普通に、傷害に及びましたものね……考えてみれば、少なくとも手裏剣は的に刺さってましたし……。
 >その時に給料アップも願ってるのが実にらしくて笑えつつ
人はいいので当初は言われたとおりにするけど、凡人なのでちょっと邪念は混じる、という(笑)
 >井上先生の十八番でもある予想外の関係性がドンドンヒートアップしていってるのでここら辺はガンガン突っ走って欲しいですね。
ホント、当初はここまでやってくるとは思ってはいなかったのですが……とにかく今作、やるからにはとことんやりきる、が徹底しているので、そこは突き進んでほしいですよね。
 >ドンブラの面々に相談しても解決できずにソノイに相談ってもう状況が面白すぎて笑えてきます。
相談の為にソノイに会いたかった、というのが、何か自分と同じ人並み外れた部分をソノイに感じている布石にもなって、鮮やかでしたねー。
 >そして満を持してオニタイジンの登場でクライマックスなあれを思い出しましたw
巨大化した直後に、両手両足が微妙にバラバラに動いていたのは、オマージュぽかったですね(笑)
 >タロウが明確に「誰かの為に動いた(しかもその思いが確かに人に伝わった)」のが描かれてタロウがアフターフォローを覚えた
前回今回とちょっと変化球なラストでしたが、タロウのこの変化がどうなっていくのか、布石になりそうで面白いですし、素っ頓狂な展開の中で、そういう段階の踏み方がきちっとしているのが上手いですよね。
 >そして獣人も少しずつ出てきてますがこの獣人ってジェットマンで云う三魔神と同じ扱いなのではと最近思えてきました。
こちらにウェイトが強くなりすぎると、脳人の影が薄くなりそうなので、確かにそんな使われ方の可能性もありそうですが、どう転がしていくか、楽しみですね。