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Vやねんタートルズ

恐竜戦隊ジュウレンジャー』感想・第24話

◆第24話「カメでまんねん」◆ (監督:坂本太郎 脚本:荒川稔久
 なんかこう……「九州だョン」(『地球戦隊ファイブマン』第26話)を思い出す響きのサブタイトル(笑)
 派手な鎧を着て戦闘も出来る新幹部ラミィの登場により、このままでは画面の片隅で床を磨く係になってしまう! と存在感に危機を覚えるトットバットは、打倒ラミィを目指してドカンと一発大きな手柄を立ててやろうと、バンドーラ様が寝ている間にこっそり工房に侵入。
 ストックの素体に手を加え、最初はトットバットの用意した信号機だけの筈が、ブックバックが次々と鞄の中から取りだした野球のバットとボール、大砲、かぎ爪を隠し味に加えて、最後はメリケンサックをおまけにまぶして釜に入れ……完成したのは、背中から信号機を生やしたカメ、ドーラトトイス(関西弁)。
 ボールとバットはどこに行った? と思ったら、この後、ジュウレンジャーとの戦闘中に甲羅の中から取りだして爆弾ノックを打ち込み、つまり、トイスのTはタイガースのTやねん!
 猛虎魂を宿したカメの能力は、青いシグナル光線を浴びせた者に、強制的に阪神タイガースを応援させる……じゃなかった、同じ動きを永久にさせるというもので、子供たちとドッジボールをして遊んでいたボーイを狙って放たれた光線により、子供達が一斉にシャドースローを繰り返す事になってしまう!
 「そいつらはくたびれ果てて死ぬまで、ドッジボールを続けるんだよ! いひひひひひ!」
 「ふへへへへ~、大好きなドッジボールしながら死ねるなんて、嬉しいね~」
 バンドーラ一味の、当人たちは道化だが人間から見ると純粋に邪悪である面が強調され、ブライ参戦後も、“子供のための悪夢”を描く路線は継続。
 ボーイもまた、シグナル光線を浴びて果てしなく走り続け、その間にカメがシグナル光線とストップ光線を駆使して引き起こされる大騒動。
 迎撃に出たゲキたちに対し、走ってきたボーイがカメの特殊能力を伝えるが、黒青桃があえなくストップ光線を浴びてしまい、ボーイはボーイでそのまま走り去ってしまうのが面白い(笑)
 残った赤がカメバズーカに耐えて反撃を浴びせるとバンドーラ一味は撤収し、今回も3人が戦闘不能になる展開でアジトへ戻ると、カメの弱点は安らぎの花の花粉と判明。
 だが、その花が咲く山はカメの魔力によって存在を隠されており、辿り着けるのは、阪神タイガースのファンだけ。頼みの綱は見るからに猛虎魂を感じる黄色のボーイという事になり……すみません、やり直します。
 山に辿り着けるのは、カメの魔力の作用を受けたものだけ。頼みの綱はカメの魔力を受けて走り続けるボーイという事になり、ゲキがバイクで併走しながら情報を伝えるのも、妙に面白いシーンに。
 ボーイが山へ急ぐ中、街には巨大カメが出現して今回も赤がティラノで一人立ち向かい、そこはかとなくティラノも強化キャンペーン。
 走っても走っても見えているのに辿り着けない山を前にくじけそうになるボーイだったが、守護獣サーベルタイガーの言葉に子供達の事を思い出すとパワー全開でスピードアップ。
 「ボーイ……俺は信じる! 信じておまえを待っている!」
 「そうだ……諦めない! 諦めるわけにはいかないんだ!」
 市街地への被害拡大を食い止めようとする赤と、走り続けるボーイの姿がそれぞれヒロイックに描かれ、ゲキの危機を知ったブライは、独房を出ると、ぴぴぴーひゃららーひゃららー!
 ティラノとシーザーは二対一でカメを滅多打ちにし、シーザーは段々、ゆるキャラ的な愛嬌が出てきました(笑) ……手の、位置と角度でしょうか。
 しかし攻勢も束の間、卑劣なだまし討ちにより龍神兄弟はストップ光線を浴びて行動不能に陥ってしまい、絶体絶命の危機!
 「僕の心の正義のパワーは、もうどうにも止まらない!」
 だがその時、遂に花を手に入れたボーイが駆けつけると変身からカメの頭上へとジャンプし、降り注ぐ花粉を頭から浴びたカメは魔力を失うと、シーザーミサイルからのティラノソニックで塵と化し、猛虎魂は強竜打線の前に沈黙するのであった。
 ……それにしても、ティラノXの消滅エフェクトは、いつ見ても主人公メカとは思えないえぐさ(笑)
 メンバー離脱からの変則巨大戦は前回と同様で、今回は剛龍神も出さずにドラゴンシーザーをフィーチャー。ティラノとのタッグで可愛げを出し、ブライ(兄)-ゲキ(弟)対して、ティラノ(兄)-シーザー(弟)に見えるのは愛嬌を増す面白み。
 一方、黒青桃は全く活躍せず、特にダンは2話続けての役立たずとなり、チームヒーローとしては物足りなさが出てしまったのに加え、途中離脱をパターン化しすぎるとドラマの劇的さが削がれる落とし穴が待ち構える事になりましたが……その一方で、メンバーを途中で削る事によって話の構成はスッキリしており、ブライの扱いを含め、作品として今後どう転がしていくのかは、興味深いところです。