『恐竜戦隊ジュウレンジャー』感想・第16話
◆第16話「クシャミ大作戦」◆ (監督:坂本太郎 脚本:高久進)
恐竜戦隊の食事はどうやら当番制らしく、自信満々に青椒肉絲を完成させるボーイだったが……大不評。
「なんだこの味は?!」
「no thank youだ」
ゲキは非常にガラが悪く、ゴウシは鏡先生とまさかのコラボが発生し……これあれだ、レビュー操作の営業を断ったら、露骨な嫌がらせが行われるやつだ!
「そんなに怒らないでよ! みんな悪気があって言ったんじゃないのよ!」
怒濤の星一つにアジトを飛び出したボーイにフォローを入れるメイですが、悪意はだいぶあったと思います!
「ほっといてくれ」
ふてくされたボーイが河川敷に寝っ転がっていると、乱暴な行動でチームの輪に加われないサッカー少年に怪しげなピエロが接触。ピエロの腹から飛び出した黄金のボールを思い切り蹴り飛ばすと、爆発したボールからまき散らされた黄金の花粉が子供たちに激しい花粉症を引き起こす……。
「子供達の楽しげなあの歓声を耳にすると、あたしの胸は、怒りで、はちきれそうだー!
Ha! Ha!
くしゃみ・くしゃみと・侮るな
くしゃみ・するとき・しんぞう・どきどき
やがては・こきゅう・こんなんだ
おだぶつだ (おだぶつだ) (おだぶつだ)
おだぶつだー!」
ひびくぜ邪悪なバンドーラップ!
ピエロに「キックの天才」とそそのかされるまま少年は各地で花粉テロを連発し、ボールの残骸を調べたゲキ達は、クシャミ菌の存在を確認。
一方、現場を押さえようと単独行動を取っていたボーイは少年の花粉シュートをスーパーキャッチしてみせるが、昏い悦びに目覚めた少年のテロ活動を止める事ができず、遂にクシャミ菌を全身に浴びてしまう。
陰でテロ行為を扇動するピエロはドーラエンドスの正体を現し、植物系のモンスターなのですが、ここまでで初めて、元ネタがわからず。
エンドスに吹き飛ばされたボーイは川を流れ、ボーイを探すゲキ達はバンドーラ一味の攻撃を受けて、ダイノバックラー。ボーイが川を流れ続ける中、寡黙な仕事人タイプなのかそうでもないのか、今ひとつ戦力として安定しないグリフォーザが今回は大活躍。
グリフォーザ、黄金鎧の獣面騎士はなかなか格好良いと思うのですが、無言キャラなのでいまひとつ押し出しが弱いのは勿体ないと思う部分……まあ下手に喋らせると、格好良さが崩れるか一味の統一感が崩れるかで、なかなかバランスが難しかった面はありそうですが。
喋りが微妙にブラックサタン怪人ぽいドーラエンドスは、俺を斬ったが最後、クシャミ菌が町中にばらまかれるぞ、と大規模バイオテロを宣言してジュウレンジャーの反撃を封じ、3シーンに渡って川を流されていたボーイは、ピエロの正体を知ってテロへの荷担を反省したサッカー少年にようやく助けられる。
「どうした? ジュウレンジャー! 伝説の武器を使ってみろ!」
エンドスは手も足も出ないジュウレンジャーを一方的に攻撃し、た、ただでさえデリケートな立場の伝説の武器さんを役立たず扱いするのはやめてあげて下さい!
ここが勝機とバンドーラ様は悪霊パワーを注ぎ込み、ドーラエンドス巨大化。街の広範囲にクシャミ菌の雨が降り注ぐと、交通事故などが多発して、作戦の目的が当初とすっかり変わっている気はしますが、バンドーラ様は高笑い。
だがそこに、川を流された事でエンドスの弱点に気付いた黄が復帰して守護獣召喚し、トリケラトプスがアンカーを打ち込んで動きを封じたところをマンモス鼻息で凍らせ、クシャミ菌の悲惨を防ぐと、トドメはティラノソニックで分解消滅。
チームワークを取り戻したジュウレンジャー5人の連携を、敢えてダイノミッションしないバトルで見せる趣向は面白かったのですが、空を飛んでいただけのプテラ……。
……ゲスト少年の前でのアピールも含めて、重ねて趣向は面白かったのですが。
テロ行為を深く反省した少年はサッカーチームに戻り、高久脚本としては吸血パパ回に比べるとだいぶ悪くなかったのですが、ボーイと4人の軋轢や、少年とチームの軋轢は、これといって何もないままなし崩しで解消された事にしてしまい、最後にナレーションさんが「団結」について語って強引にまとめて、超・雑(笑)
ボーイの川流れやクシャミ菌大飛散の映像にかなり尺を割いていたので、それなら人間関係の修復をもっとしっかり描いて欲しかったところではあり……少年が改心したのもピエロの正体が怪物と気付いたからに過ぎず(ボーイを助けに行く事で良心と反省は見せましたが)、この時期の高久脚本はどうも冴えません。
次回――予告の情報量が、多い!(緑の戦士も気になるのですが、バーザとノームのカチコミフォームも気になる)