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ブレインパンク

『SCARLET NEXUS』プレイ中


 “断絶の春”により一度は滅亡の淵に立たされた人類が、救世の英雄ヤクモ・スメラギの主導の下、ニューヒムカを建国してよりおよそ2000年……「脳力」文明を発展させた人類は、地球を取り巻く“断絶の帯”より生まれては人間を狙って地上に現れる<怪異>との戦いを続けていた。<怪異>を倒す事が出来るのは、「脳力」の中でも特に優れた力――「超脳力」者のみであり、怪異討伐軍の新入隊員として第一歩を踏み出した主人公は、その力で<怪異>へと立ち向かっていく……。

 我々の現在とは違う体系の技術が発展した世界を舞台とした、ブレインパンク・アクションRPG。
 《念力》の超“脳”力を持った主人公を操って、《発火》や《高速移動》など様々な力を持つ仲間たちと共に人類の敵である<怪異>と戦う、いわゆる異能力バトル物で、人体と器物を歪に融合させたような敵――<怪異>のストレートに悪夢的なグロテスクさが結構なインパクト。
 物語は章立てで進行していき、各章ごとに目的のエリア(基本的に一本道)をクリアし、イベントを進め、章と章の間のインターミッションで多少のフリー行動を行ってサイドクエストなどをこなせるといった形で、アクション7:RPG3、ぐらいのバランス。
 主人公((男女いずれかを選択)は、周囲のオブジェクトに干渉して標的へと叩きつける《念力》を特殊能力としており、その力と近接攻撃を組み合わせて<怪異>へと立ち向かう、スピード感と爽快感のあるアクションの出来が非常に秀逸。
 また、「主観人物である主人公を明確な中心に置いたストーリー進行」の為にプレイアブルキャラクターは主人公のみながら、主人公が仲間の能力を一時的にレンタルできるシステムにより、《発火》を借りれば武器が炎をまとって攻撃範囲が広がり、《硬質化》を借りれば敵の攻撃を防ぎ……と「様々な超脳力を使う面白さ」も上手く取りこまれています。
 SAS接続、という劇中システムによりレンタルした能力にはそれぞれ制限時間があるものの、それをいつでも切断ないし他の能力に切り替えられる、のがミソで、例えば《瞬間移動》で空を飛ぶ敵を地面に落とした後、即座に《発火》に切り替えて弱点攻撃を行うなどが可能となり(この際に消費した接続ゲージは能力ごとなので、《瞬間移動》能力のレンタルにも余裕が持てる)、《念力》のバージョン違い一辺倒では無しに、敵の行動パターンや弱点に合わせて、様々な能力を適宜切り替えながら立ち回れるのが、プレイヤーの行動としても、ゲームデザインとしても、面白み。
 更に、共に戦う仲間との友好度が上がるにつれて、支援防御をしてくれたり、追加のアクションが可能になったりと戦法の幅も広がっていき、現代RPGとして定番の要素が、アクションの強化と上手く連動しています(キャラごとのサイドストーリーの要素もあり)。
 主人公の防御力がボール紙程度な事もあり、基本的に攻めっ気が強いバランスの一方、個々の敵ごとの弱点や行動パターンに合わせた戦い方(超脳力の用い方)を求められる事で、アクションのスピード感・行動パターンの見切り・超脳力の切り替えによる立ち回り、がバランス良く組み合わされており、とにかく、動かしていて楽しいアクションゲーム、として良い出来。
 初見のボスは結構手強く、突然後頭部に落石が直撃! ぐらいの勢いで主人公が死にますが(ボスの挙動を見誤り、至近距離から大技の直撃を受けて紙装甲がひしゃげるパターンがありがち)、仲間による緊急蘇生(確率で発動)といったセーフティもあったりで、アクションゲーム苦手な私でも何度か挑戦している内に、ふっと攻略パターンが見えて倒せるようになる、ぐらいの作り。
 あと一応レベルや装備品の概念もあり、フリー探索できるエリアが限られているシステム上、大幅な寄り道による大幅な強化までは出来ませんが、レベルアップで得たスキルポイントで主人公の攻撃手段を増やすなどは可能。
 ストーリーの方は……発売から1年近く経っていますので、具体的には触れないもほのめかしは入れますが、キャラクターの立ち位置を見た時点で、これは、あれだな……と思ったキャラが良くも悪くも大体これであれ(CERO:D)する内容で、W主人公制が単純に一つのストーリーのA面とB面を描くものなのか、或いは別の仕掛けがあるのか(なんとなく仕掛けがありそうな雰囲気であり、仕掛けがあると嬉しいのですが……)で、評価が変わりそう。