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ドン! ドン! ジュウレンジャー!

恐竜戦隊ジュウレンジャー』感想・第9話

◆第9話「走れタマゴ王子」◆ (監督:小笠原猛 脚本:杉村升
 平和な家庭のリビングに突如として現れる乗用車!
 そこから出てくる奇妙奇天烈な3人組!
 チャイムが鳴ってドアを開けると乗り込んでくる泥人間軍団!
 再びチャイムが鳴ってドアを開けると乗り込んでくる恐竜人類!
 瞬く間の内に僅か5分前まで一家団らんの象徴だったリビングは、血風が舞い、骨の砕ける音が響く阿鼻叫喚の巷と化して飛び交う恐竜パンチとキック!
 そして突き刺さる王子パンチ!
 子役の王子様が腰の入ったいいパンチを放ってビックリしていると、そこに現れたドーラコカトリスが次元を切り裂いてユーロ王子と少女をさらってしまい、王子とお付きの二人は、ジュウレンジャーに会いにはるばる日本へとやってきたアペロ族であると明らかになる。
 かつての戦いでバンドーラによって恐竜が絶滅寸前となった際、古代恐竜人類は残された雌雄一対のタマゴを未来への希望として箱に詰めて海へと流し、なぜ箱詰め……なぜ海……なぜ雌雄がわかるの……? と、さすがに消化に戸惑うのですが、『ジュウレン』世界の「恐竜」は我々の知る恐竜とは異なるまた別の何かなので、そういうものなのでしょう!
 ニュアンスとしては恐らく、人類最後の生き残りが生存可能な惑星を求めて別の恒星系へ……! みたいなタイプの「夢」をイメージしたのかとは思われるのですが、「夢」を感じる主体に焦点が当たっていないので、トンチンカンな部分が目立ってしまう事に。
 そして流れ流れた恐竜のタマゴは、とある孤島で暮らしていたアペロ族に拾われるのだが、復活したバンドーラ様がタマゴを狙って島を襲撃。ユーロ王子とお付きの二人はタマゴを隠すと自動車型ワープマシンに乗って日本へ向かって今に至り、マシンがリビングに出現したところから始まり120%不幸な被害者であるところの少女が「タマゴなんてバンドーラに渡してしまえばいい」とか「私は早く家に帰りたい」とか、超ドライで好感が持てます(笑)
 一方、地下神殿でお付きの二人から事情を説明されたゲキたちは王子と少女の探索に乗り出し、
 「人を騙すのが好きな怪物で、自分の世界と、こっちの世界を結ぶ入り口をたくさん持ってる」
 ドーラコカトリスを見つけ出す為に、コカ次元への入り口が見えるようになる呪いもとい魔法のメガネを装着し、桃井タロウという男を捜せ!
 ユーロ王子と少女がコカ次元を彷徨う姿がしばらく描かれ、視線が低温な少女に対してもとっても紳士な王子、並み居る戦隊ダメンズたちに爪の垢を煎じて飲ませたい。
 前作の主人公なら、戦士がレストランで食事をするなんて許さない! 恐竜のタマゴを守り抜くのが俺たちの使命だ!! 何故なら俺はリエを失ったかはァッッHZ%#**¥+fV@ゥっ!! と説教を始めているところです。
 そんな紳士な王子が、天界の果樹園を管理していたが黄金の果実に手を出してしまった為に猿として地上に堕とされた一族であり、人間として天界に戻る為に、守護獣に託されたタマゴを守っていた事が明らかになり、前回に続き、神話にダイレクトに接続されます『ジュウレン』世界。
 人質にされた少女を救う為に王子はバンドーラにタマゴの隠し場所を伝え、卑劣なバンドーラによって少女が墜落死寸前、コカ次元に飛び込んできた大獣神が少女をキャッチ。
 巨大コカトリスに翻弄される大獣神だが、次元切り裂きハサミをはたき落とすと恐竜剣でフィニッシュ。だがバンドーラ様はタマゴの隠し場所へと(自転車で)向かってしまい、果たしてジュウレンジャーはタマゴを守り切る事ができるのか?! 今回も割り切った構成で、つづく。
 巨大なダチョウめいたドーラコカトリス、赤い帽子を被り手にハサミを持っている、と人間ぽさが融合されている事で不気味なモンスター感が出ているのが面白いデザインでした。