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対馬も魔界だった

『GHOST OF TSUSHIMA』感想・その2

 (※発売からだいぶ経過しているので、ストーリー内容に触れています。ご留意ください)

第2話「蒙古兵などというものはね、しょせん人間です。狙い所で、どうにでもなるのですよ!」
 境井仁はようやく、真っ当な鎧を手に入れた!(たくさんの屍を踏み越えながら)
 境井仁の行くところ、物凄い勢いで死体が積み重なっていくのですが、そういうコンセプトのゲームとはいえ、対馬は今、復讐者の坩堝。
 今作、割と短距離の移動をともなうクエストが多く、
 〔ポイントAでトラブルに巻き込まれる(死体を積む) → ポイントBに移動してさらわれた人を助ける(死体を積む) → ポイントCで元凶の陣地にカチコミ(死体を積む)〕
 みたいな感じで、対馬の地を駆け巡りながら次から次へ死体を積んでいくのが、一種独特の酩酊感を発生させており、段々と脳内麻薬が出てくるカチコミのジェットコースター。
 そして、一つのクエストを終えた時に開始地点のAからCへと移動している事により、Cまで来たなら、次は近くにある未踏ポイントへ行ってみるか……という探索への切り替えがスムーズになっているのが、良好なテンポを生んでいます。
 また、ファストトラベルと死亡時のリスタートが非常に早くてストレスが無いのは、オープンワールドRGGとして、有り難い作り。クエスト中の失敗も、チェックポイントがかなり細かく設定されていて大きく戻される事があまり無く、全体的にプレイヤーを振り落とさないような配慮が窺えます。
 ……盛大な血しぶきが頻繁に飛び散る時点でプレイヤーを選ぶのでは、という点は置いておいて。
 そんなこんなで《闇討》を覚え、弓と鎧を手に入れた境井仁は、イノシシに轢かれた。
 対馬の地で初めて遭遇した敵対的な野生動物は、イノシシでした。
 イノシシを倒すと「獣の皮」(集めると飛び道具の数を増やせるので割と重要な素材)が手に入る事が発覚し……という事は鹿(たまに出会う、攻撃の当たり判定はあるが非敵対的な野生動物)でもいいのか? と早速矢を射かけてみるも、鹿からは皮は剥げず……すまぬ、鹿。
 クエストをこなして「噂が広がる」(ゲーム的には実質的な「経験値」)と、スキルポイントを得られると共に、一定の段階ごとに新しい暗具(近距離戦用の手投げ武器)を入手できるのですが、モンゴル兵との戦いを繰り広げる中で主人公自らが隠し武器を考案する、という形になっているのが味で、戦闘での手数が増えて楽になる(プレイヤーは楽しい)一方で、武士の矜持は汚れていく二律背反が、システムと物語の融合として巧く出来ています。
 ゲーム開始当初は、村の路傍や空き家に転がっている物資(武具を強化する為の素材)に手を付ける事に抵抗があったのですが、最近は対馬解放の為に勝てばよかろうなのだ、と濁った瞳で目につく端から拾っていくようになりました。高楊枝では蒙古は駆逐できんのです!
 そんなわけで、くないを投げたり煙玉を投げたり背後から襲いかかったりでモンゴル兵を相手のゲリラ戦になれてきた境井仁は、熊に噛み殺された。
 対馬、熊、居た。
 熊パンチ一発で体力の4分の3ぐらい持って行かれるわ、噛みつきから放り投げてくるわ、こちらの攻撃で怯まないわで、途中からちょっと、ここで熊にやられるとむしろおいしいな気分になっていましたが、見事に通りすがりの熊に倒されました。
 そんな突発的トラブルもありましたが、戦闘の難度は今のところそこまで高くはなく、立ち回りに慣れてくると、回避性能の高さと時代劇補正の力+防御系の護符ブーストにより、正面突撃でも意外とどうにかなる感じ。
 正面からのカチコミの場合、サムライスキル《一騎打ち》により、緒戦で敵兵を一人撃破した上に気力が回復できるのは、かなり便利(スキルを成長させると、3人まで倒せるように)。また、敵兵を見るや名乗りを上げて堂々と近寄り、馬鹿かこいつ? みたいな感じで近づいてきた敵兵を立て続けに切り伏せてから、血まみれの日本刀を構えての切り込み開始は、単純にテンションが上がります(笑)
 一方で、敵陣にこっそり潜入して少しずつ暗殺していくのはそれはそれで楽しく、移動中の遭遇戦は基本的に斬り合いになる(堂々と一騎打ちから始めた方がむしろ先手の優位を取れる)し、陣地攻撃の時はひとまず闇討ちで数を減らしていった方がいいしと、カチコミとステルス、双方の長所を使い分けていくバランスは良い感じ。
 あと、《アサシンクリード》シリーズだと、ステルスで殺した敵の死体を草むらに隠しておいたりできるのですが、今作では死体は放置なのでいずれ敵兵に見つかる可能性が高く、最後の最後まで隠密行動に徹するというよりは(プレイヤースキル次第でしょうし、ステルス重視のクエストもありますが)、クライマックスは斬り合いに収斂する、のもらしいかな、と。
 先日は、途中まで良い感じにステルスしていたら、死体を見つけた敵兵が増援を呼ぼうとしたので慌てて倒す → そこを発見されてしまう → 見張り台から矢を射かけてくる弓兵を優先的に倒す → 思ったより残っていた敵兵が次から次へと見張り台に押し寄せてくるので、全てそこで切り伏せる、で、結局、壮絶なマカロニウェスタンになりました!
 かのピアニィ殿下は「まず神官から」とおっしゃいましたが、対馬の地では、「まず弓兵から」がセオリーです。
 こんな感じで大変楽しくやっておりますが、難点を一つ挙げるとすると、パルクール的な移動に際して、登れる段差/登れない段差、落ちるとダメージを受ける段差、の判断がつきにくく、無駄なアクションやダメージが発生しがち、というところでしょうか。
 落下ダメージを回避するスキルはあるのですが、割と発動のタイミングが難しくて3回に1回ぐらい失敗するプレイヤーも悪いのですが……甲冑着たまま崖からダイブしては足をくじいて瀕死になりつつ、対馬解放を目指して戦いの旅はつづく!