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ウルトラヤバい次元混線

ウルトラマントリガー』感想・第7話

◆第7話「インター・ユニバース」◆ (監督:田口清隆 脚本:小柳啓伍
 海賊宇宙人バロッサ星人(4代目)・平たい目の寸胴ロボット・そしてウルトラマンに似た何か(見た目だけで不用意に近付くと、実はトレギアだった、実はヒュドラムだった、などの被害例が報告されているので、慎重な観察を推奨します)、の宇宙空間におけるドタバタ追走劇でスタートし、大騒ぎの末に次元の亀裂に飲み込まれていく、バロッサ星人(4代目)、ウルトラマン仮……そして、次元の亀裂を通り抜け、ケンゴ達の暮らす地球に、正体不明の巨大ロボットが落下してくる。
 ペダン星人の侵略破壊兵器キングジョーに似ているが、人間の手による改造が施されているとおぼしき巨大ロボの調査に向かったケンゴ達は、内部で地球人を名乗るパイロットと接触
 「自分は、地球防衛軍対怪獣特殊空挺機甲ストレイジの元パイロット、ナツカワ・ハルキです!」
 「だが、ストレイジという部隊は聞いた事が無い」
 「それには、ですね……深いわけが、あってです、ね……」
 なんだか『Z』シリーズ(多元世界設定)辺りの『スーパーロボット大戦』を思い出す流れですが……『Z』繋がりなのか。
 「もしかしたら、別次元から来たのかもな」
 そこに凄く普通に出てきて、凄く普通に説明するイグニスが余りにも便利すぎますが、トリガーの匂いを嗅ぎ取ったハルキが口を滑らせそうで慌てたケンゴとアキトにより別室でお互いの事情が確認され、どうやら、過去にも別次元のウルトラマンと出会った事があるらしいハルキ先輩、順応が早かった。
 壊れてしまった変身アイテムの修理をアキトが試みる事になり、3人の会話を盗み聞きしていたイグニスは、バロッサ星人に奪われたフォームチェンジ用のウルトラメダルに極上センサーが発動。
 巨大化用のアイテムを探し回る宇宙海賊と、ウルトラメダルを掠め取ろうとするトレジャーハンターが次元を越えた邂逅を果たし、昨年、白いキラメイストーンの侵食を受けた田口監督により、『トリガー』と『Z』のクロスオーバーどころか、東映時空も混ざってきているのですが。
 「ちげーーよ! てめぇらのは、略奪! 俺のは、ロマンだ!」
 「略奪の中にもロマンはある! 我々は、常に銀河中のお宝を探し、吟味し、そして、全力で奪うのである!」」
 誰にでもたった一つ大切な宝があるから欲しい物はこの手で掴み取る両者は、主義主張の決裂の末に手持ちのお宝自慢に突入し、イグニスがオコリンボールを取り出すのは、海賊星人の肩に止まっているのがベビーザンドリアスらしいので、『80』繋がりという事でしょうか(そういえば『80』も、マルチユニバース作品(非公式)でしたね……)。
 好事家同士がコレクション自慢で盛り上がっている中(他の元ネタはわからず)、ナース号ではアキトがZ先輩の変身アイテムを修復する傍らでケンゴとハルキが交友を深め、前作主人公=正義ではなく、まずは人間状態から接触して互いの人となりとウルトラ事情の最低限の確認を行ってくれたのは良かったところ。
 外ではイグニスがまんまとウルトラメダルを盗み取り、再びドタバタ追いかけっこをしている内に、バロッサ星人が巨大化。盗っ人を踏みつけようと市街地で暴れ回る海賊星人に、そんな理由とは知らずに出撃したガッツファルコンがあっさり撃墜されると、ケンゴはトリガー変身。
 格闘戦を挑むもコレクションの鯛焼きを投げつけられ、更にアイスラッガーのレプリカ(?)で殴られて苦戦を強いられている間に、Zさんの変身エネルギーをガッツメモリにインストールした代用変身アイテムが完成。
 「ご唱和下さい、我の名を! ウルトラマンゼェッット!」
 ウルトラマンゼェーーーーット!」
 から、変身アイテムの使用法を聞いていなかった、とコミカルな一幕を挟んで改めてご唱和し、胸のマークが大変わかりやすいゼット先輩が戦場に降臨すると、『Z』主題歌でのバトルに突入。……配信の合間のCMとかでしか聞いた事が無いのに、耳につく主題歌です。
 割と強い海賊星人に苦戦する両ウルトラマンだが、途中でベリアルの生首がついた剣が飛んでくると、生首ソードとウルトラハサミのダブル攻撃で撃破。
 ベリアル生首剣は放映当時にかなり話題になっていたのでデザインは目に入っていましたが、ヒカリ博士によるウルトラ見せしめ的嫌がらせ……?
 「……なんだったんだ、あのウルトラマンは」
 「ゼット……」
 Z先輩は空にZの光跡を描いて超高速で飛び去り、全くの善意から、アキトは頼もしい相棒、とケンゴに吹き込んでいるところに姿を見せたイグニスが、ウルトラメダルをハルキに返却。
 「お陰で極上な冒険を楽しめたよ。またな」
 一応、命を救われた借りを返したニュアンスは見て良さそうですが、お宝を求める途中経過のロマンこそが極上で手に入れた瞬間にその価値が過去のものになるの、某不滅の牙が侵食しすぎでは(笑)
 「後は、あのキングジョーをどうするかですね」
 海賊星人は倒したが大きな問題は解決しないまま残り、地球で一番美味いラーメン屋に連れてけや、と要求してくるハルキ先輩に対して、火星から来たばかりでよくわかりません、とケンゴが返すやり取りは、次元の違いも巧く示して良かったです。
 未見の私の耳にも好評が届いてくる話題作だった前作『ウルトラマンZ』から主人公がクロスオーバー出演。
 Zさんのパワーを現行作品のコレクションアイテム化して劇中に取り込むなど、この人気に乗らない手はない! という判断があったのかとは思われ、1エピソードとしても面白くないわけではなかったものの、ドタバタ要素を中心に、ここまでの『トリガー』とは雰囲気がだいぶ変わった点は困惑。
 次回あっさり帰るのか、もう少し本格的にクロスオーバー要素を織り込むのかはわかりませんが、Z先輩の到来が、巧く『トリガー』の物語のスプリングボードになってほしいところです。