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リバイスリスタート

仮面ライダーバイス』感想・第2話

◆第2話「悪魔はあくまで悪いやつ!?」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:木下半太
 どうして、サメデビルの下半身はもふもふなのか。
 気になって戦闘シーンに集中できないレベル。
 「才能の無い者の戯言は、聞くに耐えんな。門田、貴様は本日付で司令官解任だ。分隊長からやり直せ」
 前回の体育館襲撃その他諸々の責任を問われ、朝礼の挨拶をしていた人、いきなりの、降格処分。
 食い下がる門田のリアクションに、エラの張った偉い人は更に厳しい言葉を投げかけ、人の負の感情をかなりシビアにえぐってくる見せ方。
 そんな空気の超悪いところに呼ばれたフェニックス所属の五十嵐大二は、エラ張り艦長から銭湯経営の五十嵐一輝と契約を結ぶように命じられて実家に戻るが……これみよがしなアタッシュケースの中身は突っ返したドライバーと契約書……ってそこは札束でしょ?!
 ガッカリですよ、フェニックス、本当にガッカリ……!
 (それはそれとして、大事なドライバーをバイクの荷台に無造作にくくりつけて運ぶ弟もどうかと思う)
 一方その頃、デッドマンズは奪ったハンコを用いて悪意を宿した人間に近付いており、言葉巧みに悪感情を解き放つように仕向ける、まさに悪魔の囁きで、冒頭のフェニックスでの一幕から、「人の心のマイナス面」が繋がる流れ。
 「心に渦巻く感情、悪魔に委ねては、いかがでしょう?」
 雇用主のゴルファーに鬱憤をぶつけられて憤るキャディがカマキリデビルを召喚し、第2話なので、バイクアクションを入れます……弟が。
 からの、それを恐竜悪魔自転車でぶっちぎっていく兄、は面白かったです。
 そして、ゴルフ練習場に出現したカマキリデビルを……轢いた!!(ヒーローのイニシエーションが完了)
 一輝はリバイに変身し、画面が物凄くパールピンクで埋まっているのですが、どうして第2話から、色被りの怪人を出したのでしょうか(笑) ……塗料余った?
 戦いの中でバイスは隙を突いて人間を襲おうとするも失敗し、弟からパスされた新たなハンコでイーグルフォームに変身するや、いきなりバイスを殴りに行くのは、素晴らしいと思います兄貴(笑)
 そのまま合体して、上半身担当のリバイが、魂を失ったような前傾姿勢を取るちょっと気持ち悪いイーグル形態となり……今季のスーパーヒーロータイムは、積極的に主人公から人間としての尊厳を奪っていくスタイル推奨なのか。
 カマキリはイーグルスピンであっさり倒すが、今度はゴルファーの方が自らデッドマンズベースを訪れてサメデビルの契約者となり、幹部3人は、S系乙女(赤)・慇懃無礼(緑)・ざっくばらん(青)、でひとまず色分け。
 ゴルファーにデッドマンズベースの場所を教えたのがバイスの悪戯だと知った一輝は激怒し、悪魔の不始末は自分の不始末、と責任を取る為に生身でデッドマンズ部隊に立ち向かい、札束が入っていなくてもベルトが無くても、誰かが傷つくよりも自分が傷つこうと体を張る、危ういほどの正調ヒーロー気質。
 「う~~……わかったよ! もう人を襲わない! 人を守る為に戦う!」
 傷だらけになりながらも頑として変身しようとしない一輝に根負けしたバイスは新たな契約を結び……う、うーん……ものの見事に、『電王』(第3-4話)の出来の悪い模倣品みたいに。
 勿論、『電王』にしても約15年前の作品ですし、その当時とは、出さないといけないギミックの量も、物語の必要事項にかけられる時間も全く変わっているので一概に比較できるものではありませんが、シリーズ過去作として知っているとどうしても影は見てしまい、ハードルとして考えた時には、ぶつかるどころか潜って下をくぐった感じに。
 “ヒーローが無茶をして、腹に一物ある相手の側が折れる”モチーフとしても、バイスの側のキャラクターの確立が弱いので、“行動原理を曲げる”場面の劇的さが不足しており、実体化して人間を食べたいバイスの欲望も、実体化していない悪魔を見て声を聞く事が出来る一輝の特殊性も、それを踏まえて悪魔を制御する仮面ライダーの特別性も、全ての輪郭が不明瞭に過ぎて、もう少しクッキリと描き出して欲しかった部分。
 故にバディの成立シーンとしてこれといった面白みを感じられず、良く言えば「スピード感がある」なのでしょうが、「物語を劇的にする為の仕掛けの不足」かつ「登場人物の心理描写がダイジェスト」に感じてしまうのは、残念ながら近年の《平成ライダー》作劇と私自身の、相性の悪さ、なのだろうなと。
 改めて契約を結んだ一輝とバイスは一つのベルトで二人のライダーに変身するとデッドマンズ雑魚(見た目はスケルトン、動きはゾンビ?)を蹴散らしていき、フェニックス構成員とデッドマンズ戦闘員のデザイン&カラーリング(共に骸骨モチーフか)が酷似しているのは、やや思わせぶり。
 残ったサメデビルはライダー組み体操からのレックス大車輪で粉砕し、終始やかましいドタバタバトルはまだちょっと慣れません。
 デビルハンコを用いるもライダーの助けもあり友情を取り戻したゲストのキャディ&ゴルファーは、フェニックスの更生施設に送られる事になり……一応丸く収まったけど相応の罪は償ってもらいます、的な雰囲気ではあるのですが、出所した時には人格が丸ごと矯正されているやつですねきっと!
 「フェニックスハ正義!」「デッドマンズハ悪!」「ソシテ僕ハ、イイゴルファー」「ソシテ僕ハ、イイキャディ」「「二人トモ、稼イダオ金ノ9割ヲフェニックスニ寄付スルヨ」」
 変身と戦闘以外は部外者の兄に代わり、事務手続き一切をこなす弟は戦闘中もフォローに徹し、暗黒面の掘り下げはこれといって無し。前半に人間の負の感情を強調する見せ方だった割には拍子抜けでしたが、まだ第2話ではあるので、今後の鉱脈になりそうなところでしょうか。
 それはそれとして、前回は適格者でありながら土壇場でへたれ、今回は新配備のスマホガンをバイスにかっさらわれた弟の降格の日も、近い(兄の懐柔役として適当なポストには付けられそうですが)。
 冒頭、(現時点での)善玉サイドの組織でシビアな部分を見せる要素から始まったので、おっ、と思ったのですが、そこからの広がりは現時点ではなく、デビル契約者の見せ方や弟の今後など、「負の感情」の描き方は、物語を貫く要素として、上手く繋がっていってほしいところです。
 今のところデビルスタンプはほぼ、ガイアメモリになってはいますが……。
 OP映像は、主人公の様々な表情を切り替えていく入りの映像は面白く、二重螺旋のイメージが強調されるのは、DNAの中に悪魔や動物のパワーが眠っている設定と、50周年企画として「《仮面ライダー》の遺伝子(魂)」を受け継ぐ者、という事でありましょうか。
 パイロット版としては、《平成ライダー》序盤に付き物の“忙しなさ”を“賑やかさ”に転換する見せ方などは嫌いではなかったのですが、バディ物における肝心要の部分が粗悪な複製品めいてしまったのは、大変がっかり。
 そしてそれが、個々のスタッフワークの問題というよりも、現行《平成ライダー》の作劇上の限界、「これ以上は出来ない」或いは「このぐらいでいい」の産物に感じられ、時間が無いなら無いなりに、クライマックスから逆算して積み上げていく技巧にこそ唸らされたいのですが、通り一遍の組み立てと、それらしくなるような台詞を置いているだけに留まって見えるのが、残念です。
 ……ところで、何故、次回予告の冒頭映像が、半裸ハンコ?
 フェニックス入隊の儀式?
 後、クライマックスバトルにおける変身時の決め台詞、
 「沸いてきたぜ!」
 の意味がわからず、次回予告まで来てやっと気付いたのですが、風呂か!