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君はバブルを知っているか

地球戦隊ファイブマン』感想・第41話

◆第41話「怖いデート」◆ (監督:蓑輪雅夫 脚本:藤井邦夫)
 「何事も慎重で思慮深い数美も、これで少しは今風の脳天気な女の子になるさ」
 派手な衣装に身を包んで地球人に偽装したドルドラとザザが、生活用品を買い出し中の数美にハニートラップを仕掛けて攪乱を図り……なんか色々、バブルの残り香!
 カメレザルギンが化けた軽薄そうな男・トオルからラブレターを受け取った数美は、兄弟の母親代わりとして青春を喪失してしまうなんて勿体ない、といった内容にずどーーーんとクリティカルヒットを受けており、それそのものはわからないでもないのですが、これまでずっと、ファイブマンにおける母親代わりはアーサーだったわけで、急にそこに、「長女だから」と数美をあてはめてしまうのは、あまりにも紋切り型で残念。
 星川兄妹の生活とか、むしろアーサーに依存しきっているイメージですし、これまで特に数美がそこに関わる描写の強調も皆無であり、学の秘密回(今回と同じ監督脚本)の牧場娘・百合子の立ち位置をそのまま引っ張り出して当てはめた感じもあって、数美の行動原理の根本をなす背景に、納得しがたいエピソードになってしまいました。
 また、数美は長女ではありますが、兄弟の三番目(健の下)な事もあって、星川兄妹の中での「姉」としての存在感もあまり強くなく、これが二番目(健の上)だったら、またちょっと印象が変わったかもですが。
 ……この辺り、時代時代の感覚もあるので一概には言えませんが、後の兄妹戦隊における女性メンバーの配置が、『ゴーゴーファイブ』では“しっかり者の末の妹”、『マジレンジャー』では二番目と四番目三番目に置いて“ちゃらんぽらんの長女としっかり者の妹”と対比を明確にする事で(この場合、間に挟まっている残念な次男もおいしくなりがち)、ドラマ作りにおいて飲み込みやすくなっているのは、洗練を感じます。……なんか派手に勘違いしていましたね私!
 いい年して洗濯物を押しつけるな、とマグマベースを飛び出した数美は、ハイテンションなトオルに連れ回されて、ドライブ、乗馬、クルーザー、スキューバー、とコスプレ&デート回(クルーザーに乗っている時、あ、めぐみさんなら海に飛び込む流れだ、と思って本当にすみません)。
 そして学兄貴が、それを見ていた。
 ……学兄貴、もっと激しく狼狽して、父親目線で「叩っ切る!」とか言い出すのかと思ったら案外冷静にラブレターを受け止めていたのですが、はしゃぐ数美の姿を(俺は、あいつにも知らず知らず苦労をかけていたんだな……!)といった視線で見守っており、これ全部、自分の反省材料にしそうで、それはそれで重い。
 一方、ドルドラさんはメドー様に今回の作戦の目的を「学たち兄弟の人間としての弱点を知り抜いているのは、母親代わりの数美」と説明するのですが、上述したように無理矢理感があってノれません。
 それはそれとして、トオルは目論み通りに「兄妹に優しすぎる事と、幽霊」こそが学の弱点と聞き出し、デートを終えた数美を、何故か全部把握してバイクで迎えにくる学、普通に受け入れては駄目なのでは、数美(笑)
 帰路の2人を襲撃したカメレザルは、お約束の透明化能力で数美を人質にとって学をいたぶるが、他の3人が駆け付け、形勢逆転。
 トイレの掃除に不満をもらした文矢とレミは学兄さんから逆説教を受け、キョロキョロ動くカメレオンの目からトオルに不審を抱いた数美だが、正体を現したカメレザルにより、再び人質にされてしまう。
 ドルドラさんは謎の科学力で白塗りの幽霊怪人軍団を召喚し、情けない姿を見せる学だが、これは、幽霊に該当するのか……?(笑)
 どちらかというと、怪物だったら怖くない! と殴り飛ばされるパターンな気がしてならず、せめて台詞で恨み言でも口にしてくれれば幽霊感が出たのですが、エピソードのスポットがそこに無い事もあって、学が本当に幽霊が怖いのかさえ微妙な見せ方になってしまい、貴重なシーンになるところだったのに、勿体ない使い方に。
 囚われの数美は目を覚ますと、力技で牢屋を脱出して4人の窮地に駆け付けてドルドラたちを蹴散らし、強いぞ、(奪い取った)スペース拳銃!!
 「ドルドラ! カメレザルギン! よくも純真な乙女心を騙してくれたわね! もう容赦はしないわよ!」
 変身から主題歌バトルとなり、今回はSFボールでフィニッシュ。ゴルリン33号が召喚されて、巨大カメレザルはスターファイブのシールド投擲から、必殺攻撃でもなんでもない銃撃で射殺され、実に酷い扱い。
 話の内容としては、“年の離れた長男の苦悩”を掘り下げた第35話の対といえるのですが、そこでそのまま“世話焼き長女の苦労”を描くと第35話の主題となった学の特質が薄れてしまうのでコスプレデート回を融合した結果、“アーサーの存在を無視した出来の悪い焼き直し回”になってしまい、残念でした。