『仮面ライダーリバイス』感想・第1話
◆第1話「家族!契約!悪魔ささやく!」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:木下半太 )
1971年 中南米 某所――
「……ゾワゾワだ。……ゾワゾワの匂いがする」
……じゃなかった、すみません。
この導入に『獣拳戦隊ゲキレンジャー』を思い出したのが日本に私一人だけでは無いと思いたいところでありますが、パンダの森、ではなく、遺跡から発見されたのは悪魔のスタンプ。
憑かれたように自らの体にハンコを押した男の体内から悪魔が出現するシーンがビデオ映像で記録されていました、というのは『クウガ』オマージュかと思われますが、それから50年後――悪魔カルトが享楽的なダンスパーティのような形で描かれ、街の空には、宇宙戦艦、飛んでいた。
……いや、宇宙は行かないかもしれませんが、空中要塞をこのデザインにしてしまうのは、ちょっと安直なのでは、とは思ってしまうところです。
悪魔カルトめいたデッドマンズと白服集団フェニックスが対立する世界、30年前に発明された、人体の中の悪魔を分離するバイスタンプをデッドマンズにより大量に強奪されたフェニックスは、悪魔をもって悪魔を制すリバイスシステムを開発し、その適合者は――五十嵐大二。
フェニックスの一員である大二の兄で、銭湯を経営する一家の長男・一輝は幻聴と幻覚に悩まされていたが、その目に映るようになった存在こそが悪魔であり、しばらくコミカルなやり取りで五十嵐家の日常が描かれ、五十嵐夫妻のノリがだいぶ五色田夫妻に近い為、銭湯の地下に秘密基地がないか不安になってきます。
その翌日、フェニックスの式典がデッドマンズの強襲を受け、恐怖からリバイスドライバーを装着できなかった弟・大二に代わり、家族を守ろうとドライバーを発動した一輝は、悪魔を制御する事により一人で二人の仮面ライダーへと変身し……うーん……ただでさえ主人公ライダーがヴェノム似の顔をしているのに、ベラベラ喋る相棒ライダーが頻繁に第四の壁を越えようとしてきて、あまりにも露骨にデッドプールすぎてこの先のバトルシーンに全くノれず仕舞い。
主人公と悪魔の共生関係がそこまで新鮮なわけでもないに、そこに更にパロディめいたキャラ特性を上乗せしてしまうのは、個人的には、面白さを見る以上に引いてしまいました。
あと、フェニックスが凄く安っぽいのと、怪人もだいぶ安っぽいので画面がどうにも引き締まらず、途中まで、ああここで全滅するから安っぽいのか!と早合点したぐらいなのですが、空中戦艦に偉い人が残っているので、まだ壊滅はしないのかフェニックス。
「ありがとう、仮面ライダーリバイス! 君がリバイで、君がバイスだな。うん、決定」
博士ポジションがさくっと名前を付けて、とりあえず劇中で「仮面ライダー」と呼んでしまえば「仮面ライダー」という形でで押し切ってきましたが、さてもう少し、ここに意味は乗せられるのやら。
ところが一輝は、銭湯を守る事が自分の使命、と仮面ライダー就任を断り、個人の夢よりも家業を選んだ兄、その兄の中に巣くっていた強力な悪魔、内心で兄にコンプレックスを抱えていそうな弟、といったピースがどう組み合わされて「ヒーロー」誕生が描かれるか次第、といった感じですが、ひとまず第1話としては、やや引き気味で様子見、といった感触。
……あ、デッドマンズのボスらしきオブジェはグロテスクな迫力があって、良かったです。逆に、あのオブジェが良かった分、怪人の方向性が物足りなかったというか。
それから、バイスがどうしても、小熊に見えて仕方ありません。