東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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兄弟ロボだぜスターファイブ

地球戦隊ファイブマン』感想・第23-24話

◆第23話「5くん人形」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 文矢が子供たちと手作りした人形で、企画・脚本・主演:オレの夏休みこども劇場「ファイブくん」ぬいぐるみ人形劇を始め、いい大人が子供たちを差し置いて自分の見せ場最優先ってどうなの? と兄姉から一斉に駄目出し(笑)
 「文矢め……人形劇でまでこの俺を馬鹿にしおって!」
 「銀帝軍ゾーンを侮辱するにも程がある。叩っ切ってやる!!」
 そしてどういうわけかこれをモニタリングしていた銀帝軍では、いい大人たちが揃って激怒していた(笑)
 猫の額より器の小さい残念艦長と残念剣士は勢いで出撃しようとするが妙案があると強欲商人に止められ、ドンゴロスの送り込んだノッペリ星人が、人形の姿を写し取って銀河怪物カイジュルギンに姿を変えるちょっとした変化球。
 混乱の中でファイブくん人形を奪い取ったドンゴロスはゾーン劇場を始め、人形劇の要領で人形が攻撃されると現実のファイブマンもダメージを受ける突然の銀河呪術が発動し、怪人の特殊能力でもなんでもありません!
 遠隔の呪術攻撃に手も足も出ないファイブマンはかつてない深刻な危機に陥り、メドー様からも大好評。
 だが、積年の恨みを晴らそうとゾーン劇場で人形をいたぶるのに時間をかけすぎたのが付け入る隙となってファイブマンは変身解除によって呪術を回避し、vs呪術のやり取りは、『科学戦隊ダイナマン』屈指の男達がさいてーなエピソードである第29話「キメラの呪いの服」(監督:山田稔 脚本:曽田博久)をちょっと思い出しました(笑)
 「今度は俺たちの人形劇を見せてやるぜ!」
 人形を奪い返した兄弟は怪獣人形を袋だたきにすると、ガロアくん人形もとばっちりで袋だたきを受け、バルガイヤーで悶絶する艦長はすっかり、不憫属性。
 「兄弟戦士の力を見せてやるぜ!!」
 危うく、死因:呪術になるところだった艦長ですが、ファイブマンは怪獣退治に集中し、揃い踏みで主題歌バトルから久方ぶりのアースカノンでファイヤー!
 ゴルリン19号が召喚されると、テーマ曲と共にスターキャリアが発進し、手早くスーパー合体から尻尾を掴んでのジャイアントスイング、ジェットナックル、そして高速ジェットからの加速パンチでビクトリー。
 SFロボは立ち回り重視の造形にした事で、デカくて強くて問答無用感は無いものの、強化モードとして普通にアクションできるのは良いところ(スーパー合体そのものは既にパターンに組み込まれてしまった一方、その位置づけ自体は変化させようという意識が見えます)。
 企画・脚本・主演:オレに末っ子の不満をぶつけるも、兄姉の暖かさに家族の絆を改めて感じた文矢は反省し、コミカルタッチの中で、子供たちとの交流 → 兄妹戦士の在り方 → 揃い踏み → スーパー合体、と要素を一揃えして、ファイブマンのヒーロー像を再確認。
 予告を5くん人形(黄)がジャックし、次回――この地球を抱き止める そんなでっかい心が欲しい!

◆第24話「のろ亀忍者」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 「忍者アクションは無敵だぜぃ!」
 戸隠流の秘密施設がある事で知られる茨城県ゆうもあ村では今、銀河忍者バツラギンの指導の下、銀帝軍の戦闘員・バツラー兵を、ニンジャにジョブチェンジさせようとしていた! ニンジャとはサムライと双璧を為す地球最強の戦闘種族であり、ニンジャさえ居れば地球征服も目前なのだ!!
 冒頭からしばらく修行風景のアスレチックアクションと、落第戦闘員339号の姿がコミカルに描かれた後(やたら番号が大きいのは多分、既に300名以上の戦死者が出ているからですね……)、銀帝軍はゆうもあ村の調査に来た星川兄妹とばったり遭遇。
 「バツラギンとやら、運動会でも始める気か!」
 ……かつて、運動会、した、悪の組織がありましたね(笑)
 バツラギン(修行を積んだバツラー兵の上位種という扱いですが、なんとなく僧形のタコ怪人めいたデザインであり……後のサーガインにちょっと似ているといえば似ている)は銀河忍法・無重力アタックや流れ星シャワーをファイブマンに浴びせると一時撤収し、地下基地で進められていたバツラーニンジャ軍団の真の目的は、動物変化の術のマスターにより、スパイ活動や潜入工作に役立てる事!
 ゆうもあ村を探っていた星川兄妹は、戸隠流の罠、じゃなかった、粛正されようとしていた339号と出会い、レミがその命を助けた事から動物変化作戦について報されると、アジトになっている忍者屋敷へと突入(健は今回も「信じていいのか?」と問う役回り)。
 屋敷のカラクリ仕掛けによって分断されてしまう6人だが、トラップの槍に刺された339号は、最後の力でレミに変身。その決死の陽動によりゾーンの変身ニンジャ量産作戦は水泡に帰し、良い怪人(戦闘員)との交流エピソードに着地するのですが……常日頃、十把一絡げに惨殺している戦闘員に個々の人格を与えてしまうのが個人的には苦手な上、「バツラーの命も人間の命も同じ」までレミに言わせてしまうのは、どうもノりにくいエピソードでした。
 「339号の死、無駄にしないわ!」
 ファイブマンは銀河忍者と改めて激突し、どういうわけか前回に続いて登場した喋る人形の応援シーンが挟まれて(この人形自体が企画要素だったのでしょうか)、反撃からアースカノンを決め、ゴルリン20号召喚。
 対する5人は初手からファイブロボとスターキャリアを同時出撃させると容赦なくスーパーブラザーズジョイント! 黄がセンターに入ってのカンフーアタックでスターヌンチャクを振り回すと、ジェットナックルからの高速パンチで銀河忍者を葬り去るのであった(Gに耐えるシーンで、ちゃんと座席位置が入れ替わっていて良かった)。
 前回今回と、夏休みの小休止的なコミカル要素を多めにしつつファイブマンのヒーロー像を再確認するエピソードが続き、一休みを入れてもいいのでは、というところまで曽田先生が自ら書くのが良くも悪くも曽田作品なのですが、これといった切れ味はなく、手癖で書いてしまったような内容。
 曽田さんが積極的に書きたがったのか、他の脚本家を引っ張ってくるよりも曽田さんの生産力(と勘所の抑え方)に任せた方が現場が回りやすかったのかは窺い知れないところでありますが、次作『ジェットマン』では脚本陣も大幅な若返りが行われ、この点もまたシリーズ史の一つの節目となる事に。
 星川兄妹はゆうもあ村に339号の勝手にお墓を作り、次回――桜島大噴火作戦、どっかーーーん?!