東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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殴り合うぞハート 燃え尽きろデッドヒート

仮面ライダードライブ』感想・第15-16話

◆第15話「その想いが届くのはいつか」◆ (監督:諸田敏 脚本:長谷川圭一
 かつてリラの自殺を止めた占い師・二階堂役で、動物にだけ心を開ける男もといボウケンブルー@三上真史さんが出演し、ファンサービス的キャスティングですが、個人ならともかく、同期メンバーが並ぶと残像がちらついて集中しにくい!(笑)
 仲睦まじい恋人同士になる二人だが、二階堂は1年前から失踪しており……リラと霧子は、リラを守るように動く黒マントのロイミュードの背後に、二階堂が存在しているのではないかと考える。
 チェイスの正体を知って心揺れる霧子が、黒マントミュードの正体を突き止める事で「人間とロイミュードでも心が通じ合う」事を証明してみせると息巻くのですが、ここまでの劇中描写を考えると最も素直な推定は「ロイミュードがコピー元である二階堂の精神性に影響を受けた結果、リラを守る事に執着している」であり、その場合、とても「人間とロイミュードでも心が通じ合う」例とは言いがたいのですが、霧子さんが何を持って勝利条件とするのかが不明なまま進行してしまうのが、スッキリしない点。
 そうこうしている内にリラの事務所の社長が黒マントミュードの襲撃を受け、二階堂の線から捜査を進めていた進ノ介と霧子は、二階堂は1年前にリラによって殺されていた、という悲劇的な真相に辿り着く。
 女優として成功の道を歩み出したリラと二階堂の交際を快く思わない社長が裏で手を回して別れを強要、それを知らないリラは二階堂が苦渋の末に切り出した別れ話に逆上して二階堂を崖から突き落としてしまうが、その壊れかけた精神に目を付けたロイミュードの干渉により、自らの犯した罪を完全に忘れ去っていたのだった。
 「私は守る。彼女の願う美しい物語を。そして排除する。……それを邪魔する、全ての人間どもを」
 黒マントミュードのコピー元は、二階堂がどこかで生きていると自らの記憶をねじ曲げたリラ自身だった事が明らかになり、重苦しくも納得の真相。
 正体を露わにしたナンバー096に対して、進ノ介と剛が初めての同時変身をすると兄弟キックでこれ撃破するが、そこにメディックによる再調整を受けたチェイスが現れる。
 「俺は死神。仮面ライダー、貴様等を処刑する」
 魔進チェイサーはドライブとマッハを完全破壊しようと猛然と襲いかかり、それを止めようとする霧子の声も届かず、霧子を攻撃。ブレンとメディックまで現れて今度こそ全滅の2文字がちらつくが、ドライブの取り落としたフレアカーをベルトにはめたマッハが放った火炎弾を受けたブレンが大炎上した事で、ロイミュード幹部陣は撤収し、型落ち品と互換機能付きのマッハ優秀。
 「実験は成功。お楽しみはこれから。ご機嫌よう」
 霧子の行動に若干の疑問符は付くも、ロイミュードの要素を取り込んだサスペンスとしてはなかなか面白く、事件の真相を知った剛が「いたたまれねぇなぁ」という顔をしていたのは、そういう感性はあるのだな、と好感度アップに繋がって良かったところ。

◆第16話「沢神りんなはなぜソワソワしていたのか」◆ (監督:山口恭平 脚本:三条陸
 (なんだ? この、私だけがダメみたいなムードは……)
 ハート・チェイス・ブレンの3人から揃って、正論だが美学が足りない、と駄目出しを受けるブレンが、前回の炎上騒動に続いてじわじわとネタ扱いが強まっている頃、特状課は続発する異常な結婚詐欺事件の容疑者として、婚活コンサルタント・甘城にロイミュードの疑いをかけていた。
 剛からの情報により甘城主催のシークレットイベントに参加する事になった進ノ介と霧子だが、チェイスの強襲を受けて一当たり。
 「あんたはプロトドライブだった! 霧子のナイト様なんだよ! 目を覚ませ!!」
 ……それ、本人が見ている前で言わないであげて下さい!
 そこにマッハも合流するが、ミニスカの誘惑と思春期の虚無感を乗り越えたチェイスは両者を圧倒する強さを見せつけ、更にハートまでが登場。
 「スクラップは、俺が片付けてやる……」
 「気に入らないな、その言い方。俺たちはもうただの機械じゃない。新たなる種だ」
 「やはり、おまえやメディックがプロトゼロを、 MX-A1 悪の戦闘マシーンに戻したんだな」
 「その考え方自体が、人間の驕りだよ」
 「ハートは俺を、人間の道具から解放してくれた。俺は――ロイミュードを守る」
 この辺りのテーマは掘り下げてくれると好みですが、同時に地雷だらけでもあり、ものの見事に大惨事になった未来も一つ知っているので、複雑な気持ち。
 ドライブ一行は、ハートが変身ポーズ中にデコトラで幻惑して逃走して今回も全滅の危機を乗り越え、秘密基地ではいい加減に霧子の武装が強化。特殊弾と特殊ブーツにより、G霧子キックを放てるようになり……殴られるより先に蹴り殺せば、装甲板なんて飾りですよ!!
 育成方針に若干の不安が漂う中、シークレットイベントに潜入捜査する霧子と進ノ介だが……そこには案の定、挙動不審だったりんなの姿が。
 「……出会い増やさなきゃ、過去を乗り越えられないよ」
 りんなが何やら意味ありげに呟く中、受付を済ませてから様子のおかしい霧子は山中に誘導され、そこに居たのは、満面の笑みを浮かべるチェイス(笑)
 「チェイス……どうしてここに?!」
 「な、なに?! なぜ、死神の名を」
 動揺した隙に霧子にかかっていた催眠が解け……上司の美学のせいで、知らない所で部下に被害が出ています!
 G霧子キックが早速炸裂し、銃撃音を耳にした剛と進ノ介が合流。婚活ロイミュードの能力は催眠音声であり、理想の男性の幻影を見せつける事で、女性の意識を操り大金を集めていた事が明らかになる。
 「ほーらな。冴えない刑事が勝ったろ、ロイミュード
 物理でな!
 「その女も……私のしもべにしてやろうと思っていたのに」
 「そんな簡単に落ちる人じゃないよ。仮面ライダーの姉ちゃんだぜ?」
 いち早く変身したマッハは、まずは相手を銃撃してから名乗るテクニックを覚え、続いて進ノ介も変身。配下のノーマルミュードをドライブが抑えている間に婚活ミュードに向けて放たれるマッハのフルスロットルキックだが、それを軽々と弾き飛ばしたのは、体調万全で赤熱するハート!
 その力はマッハさえ圧倒……というか、デビュー戦後のマッハの下駄の歯の折れ具合がシリーズ史上屈指の早さと角度になっていて、3話も保たずに強さと弱点の双方がまとめて有名無実になっているのはさすがにどうなのか(笑)
 「考えるのはやめた! 止め方は、走りながら見つける!」
 マッハの苦戦を見たドライブは、危険を承知で開発途上のデッドヒートカーを召喚し、上半身が赤、下半身が白、右肩に小型のタイヤが付いた、マッハと合いの子のようなシフト:デットヒートへと変身すると、その爆発力は赤熱するハートさえ凌駕する。
 「おまえも、デッドゾーンに! はは! はははは!」
 ハートを殴り飛ばしたドライブは、デッドヒートキックでナンバー046と085を一気に粉砕するが、止め方を見つけられずに暴走を始め、一方、なんとか逃げ延びていた婚活ミュードの声をたまたま耳にしてしまったりんなの目に映ったのは……。
 次回――大月ウルフ登場!
 ……デットヒートに関しては、判断保留。