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かるくコスモス

ウルトラマンコスモス』感想・第11話

◆第11話「動け!怪獣」◆ (監督/特技監督:北浦嗣巳 脚本:西園悟
 「俺は、休みなんていつでもいいぜ」
 珍しく鷹揚なところを見せるフブキだが……
 「あんまり遅くなると、秋の特別警戒帰還に入るから、休みを取る暇なんてなくなるわよ」
 なんだこの組織。
 全体的に、あまり笑い事にならない系のブラック体質を感じるチームアイズですが、特別休暇の順番を4人がくじ引きで決めようとしているところに怪獣保護要請が入り、トンネル工事の最中に発見された巨大な化石のような怪獣・ムードンを捕獲する事に。
 誰が一番活躍するか、で夏休み一番乗りを巡って醜い争いが巻き起こり、ゆるーいムードで各員が順々に作戦を立案・実行するが、どういうわけか怪獣はトンネルの奥から動こうとせず、立て続けに作戦は失敗。
 怪獣の素体となったと思われる恐竜の生態から、ムードンが動かない理由を推測したムサシは新たな作戦を思いつくが、度重なる醜態に怒り心頭の建設会社が、アイズの目を盗んでムードンを爆破しようと事で怪獣が暴れ出し、ムサシは咄嗟にコスモスへと変身する!
 メンバーがあれこれ作戦を立てては失敗を繰り返すのをコミカルに描く事自体は、そういうエピソード、としては有りかと思うのですが、最終的にムードンが暴れ出した原因を「人間のエゴ」とした事で、「人間の事情」と「怪獣の事情」が衝突した時にどうするべきか、という『コスモス』ど真ん中のテーマに接続してしまったのは、前半と相性が悪くなってしまった感。
 建設会社の視点に立つと、チームアイズがふざけているように見えるのも間違いなく、とすれば建設会社の暴発は私利私欲の為にまとまりのない作戦を乱発するアイズにも遠因があったわけで、コメディならコメディに徹した方が良かったかなと。
 ムードンの角に脇腹を刺されて結構なダメージを負うコスモスであったが、前夜の内に用意してい子ムードンの書き割りと再現音声による誘導が効果を発揮し、涙をこぼす怪獣。
 コスモスは奇跡の光をムードンではなく書き割りに照射すると、書き割りの子ムードンが命を持ったかのように動き出し、それに触れた親ムードンは砂となって成仏するのであった……と、最後はいい話でまとめるのですが、個人的に『コスモス』の特質は、人類(ウルトラマン)が怪獣に対してルナとして向き合うのかコロナとして向き合うかのせめぎ合いにあると思うので、そのサスペンスが発生しないエピソードは、物足りなく感じます。