東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
旧ダイアリー保管用→ 〔ものかきの倉庫〕
特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)
HP→〔ものかきの荒野〕   Twitter→〔Twitter/gms02〕

緩急アギト

仮面ライダーアギト』感想・第29-30話

(※サブタイトルは存在しない為、筆者が勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆第29話「豆腐の仇をテニスで返す」◆ (監督:佐藤健光 脚本:井上敏樹
 「……わざとやりましたね。見損ないましたよ。僕に負けたからといって、あんな形で仕返しをするとは」
 真魚ちゃんはテニス部に入部し、翔一はフライパンを握り、捜査協力を求めて真魚の元を訪れる氷川くんは、テニスでインターハイ準優勝の過去が明らかになると、女子高生からの歓声に勝ち誇り、ここに涼が入ると何かのタガが外れてしまう気はするので、この当時は涼がシリアス時空の外に出なかったのは、それはそれで必要性のある事だったのでしょうが、今見ると、ここに入れないのはキャラクターとして損な部分はあるな、とは思ってしまいます。
 「いやー、まさか俺たちがアンノウンに化ける事になるとは、夢にも思いませんでしたね」
 アンノウンの被害者がかつて名を馳せた怪盗であり、その相棒であった弟を保護と同時に逮捕する為に翔一と氷川は罠を仕掛け、本物のアンノウン相手にも成り行きで共闘すると、アギトのサマーソルトキックからG3-Xのグレネードランチャーでフィニッシュ。
 夏休み期間を用い、基本は前後編構成の今作を、1話にまとめるとこうなる、といった作りで、お題が「怪盗」なのは、井上敏樹の趣味が出た感じですが、「テニス」の方は、意外や次回に繋がっていく事に。
 2週に渡って川を流れていた諒が沢木に発見されて、つづく。

◆第30話「ヒトとアギトと」◆ (監督:長石多可男 脚本:井上敏樹
 捜査一課に戻った北條は、真魚の父・風谷伸幸殺害事件を再調査すると、簀巻きにされた実体験から真魚父の事件に超能力者が関わっているのではと推測し、それはアンノウン事件にも繋がっている筈だと持論を展開。
 そして今回も階段でG3ユニットと出会っていた(意識して階段を使うなら、北條さんの心理的立場を階段の上下で表現しそうではありますが、北條さん、常に上から目線なので……演出陣で統一して真の内心を示していたりするのかどうか。ちなみに今回は下から登場)。
 「こうして見ると、妙にあなた達が小さく見える」
 「なに言ってるの?」
 「悟ったんですよ、私は」
 心奥はともかく、いい笑顔を浮かべ、なんかもう、どこからでも面白く出来てズルい(笑)
 その頃、沢木は久方ぶりに謎の青年に接触
 「悲しみが見えます。君の中に。君は、人間の中に、持ってはならない力を、覚醒させた。だが、それによって生まれたのは、悲劇だけだ」
 「……そう。……今のところは」
 「君は、まだわからないのですか。人間は皆、同じです。また、同じ事が、繰り返される」
 沢木が、超自然の力を通して“ヒトの善き可能性”を見出そうとしているのに対し、謎の青年はヒトを愛しながらヒトを越える力を厭わしく感じている事が語られ、ようやく、この二人の関係性もわかりやすくなってくる事に。
 「ヒトは、ただヒトで居ればいい」
 謎の青年に更なる助力を断られた沢木は、相良と接触すると、見事に死んでいた涼の蘇生を依頼…………って、今作の重要モチーフが「水」(死と再生)にしても、3ヒーローの内の一人が、人間の超能力者の攻撃を受けて溺死してたの?!
 かなり衝撃的ですが、死体安置施設から引き出される涼の死体、の映像も強烈。
 「彼はおまえの……おまえ達の未来の姿だ」
 「俺たちの?! 俺たちはアギトになるんじゃないのか?!」
 「そう。……彼もまた、アギトの一種なのだ」
 物語の核心に関わりそうなやり取りの後、相良は涼の蘇生を試みるが失敗。沢木は代わりに真魚の力を覚醒させるが、厭味なテニス部の先輩たちからのイジメにより、その能力が暴発……!?
 「ちょっと可愛いからってつけあがらない方がいいわよ!」
 が炸裂し……まあ前回、変な二枚目を二人連れて、好き放題していましたしね……。
 花火を眺めていた相良にはカニアンノウンが襲いかかり、翔一君はきゅぴーん。
 満月と花火を背負っての変身から対峙が格好良く、そこにG3-Xも到着。前回に引き続いて割と普通に共闘する二人はカニを撃破するが、真魚の身に異変が……?!
 風谷伸幸殺害事件は、無意識の超能力の暴発だったのでは、と可能性を指摘した北條さんが一気にイビルゲージを高め、真魚ちゃんが精神的に追い詰められていく急展開で、つづく。