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「偉大なる発明は、常に人の真似から始まるのだ」

『機界戦隊ゼンカイジャー』感想・第11話

◆第11カイ!「渡る世間は鬼ゴッコかい?!」◆ (監督:田崎竜太 脚本:香村純子)
 サブタイトルの「かい」縛りが早くも苦しくなってきたのかい?!
 ……まあ最悪の場合、「晩餐会」「同窓会」「株主総会」を5話置きぐらいに使ったり、「地下一階」「地下三階」「魔の7回」とかいう手もありますね!
 ブルーンと買い物に出た介人は、あんパンとクリームパン、どちらが至高かで揉めるカッタナーとリッキーを目撃。
 喧嘩の仲裁に入ろうとするとオニゴッコワルドが出現し、どちらが先に倒すかで勝負だ、と飛びかかった界賊双子がワルドにタッチされると、鬼1号・2号になってしまう。体が勝手に動き出すんだ、と獲物を求めるカッタナー&リッキーにタッチされた人もまた鬼となって次なる標的へと魔手を伸ばし……瞬く間に街を飲み込んでいくゾンビならぬ強制鬼ごっこパニック。
 カメラを移動させながらの逃走劇は面白く、白と青は怪人を物理で排除しようとするが、怪人は、接触厳禁の思わぬ強敵。
 「だったらこっから撃ちまくってやる!」
 鉛玉で削り殺してやるぜ! と遠距離攻撃に徹しようとする二人だが、小さくて視認しづらい&ふわふわ飛び回れる界賊双子が鬼ごっこでは恐るべき強さを発揮し、不意打ちを受けた青、リタイア。
 鬼が増えて混乱状況が加速する中、ゾックスがフリントをかっさらっていき、取り残されて追い詰められる白にブルーンが迫ったその時、横から突き刺さる銃弾!
 ……うん、君(ガオーン)は、撃つよね。
 双子は桃の作り出した魔法のパチンコで高々と弾き飛ばされていき、こちらはこちらでだいぶ酷かった。
 ブルーンの尊い犠牲を踏み越え、なんとかカラフルに一時撤退したゼンカイジャーは善後策を検討し、一般市民の鬼は魔法で抑えると請け合うマジーヌだったが、その背後に忍び寄る青い影。
 「見つけましたよみなさん。というかなんで普通にここに居るのですか。私場所わかっちゃうに、決まってるじゃないですかーー!」
 マジーヌそしてヤツデが次々とリタイアし、とりあえずカラフルから逃散する介人・ジュラン・ガオーン。介人はすっかり閑散とした商店街で立ち尽くすフリントと出会い、先日の柏餅といい今回といい、ポストアポカリプス展開が多い(笑)
 かつてSDトピアで双子が呪いにかかったのも、どうでもいい喧嘩からの突撃であったと明かされ……喧嘩を止めなかった事を反省するフリントを励ます介人。
 「SDトピアの呪いはすぐには無理でも、鬼の呪いはなんとかなるよ!」
 は介人らしい激励で、45バーンのギアを見せられたフリントは何かを閃き、爆速全開で鬼から逃げる戒斗は、鬼ごっこワルドを発見するもブルーンとマジーヌから逃げ回るジュラン&ガオーンとも合流してしまい、追って追われる5人はチェンジ全開。
 5名中2名が鬼の衝動に支配されながらも、無理矢理でも名乗るのはちょっとやり過ぎ感がありましたが……ここまでの今作を見る限りは、ギアによる条件付けであり、体が勝手に名乗り出すのさ~といったところでありましょうか(笑)
 カイザーは34バーンでゴセイジャーの力を発動すると天装竜巻の術で鬼になった人たちだけを巻き上げ、反撃のチャンス到来かと思われたのも束の間、背後から忍び寄った界賊双子により、ガオーン、リタイア。
 双子と黄を白に任せた赤が鬼ごっこワルドに銃撃戦で立ち向かい、あのスーツでジャンピング側転からの回転射撃とか決めるが、掟破りのロケットタッチを喰らい、こちらも敢えなくリタイア。
 鬼が鬼を呼び更なる鬼を生む、無限の鬼地獄に飲み込まれてゼンカイジャー壊滅寸前のその時、颯爽と姿を見せたのは、海賊のパワー、ツーカイジャー! 宇宙船からスカイダイブした金は空中で31バーンのギアを発動すると、戦隊にレボリューションして前座ーズの白ことゲキチョッパーを憑依させ、鬼ごっこワルドの額に激気研鑽でチョップを叩き込んでスイッチオフする事により鬼ごっこをリセット。
 「じゃーん! ゼンカイジャーのギアを真似して作ったんだ! 兄貴にも使える奴をな」
 なお最初、「セーンパイジャー!」と聞こえたのですが、正しくは「セーンタイジャー!」のようで、まあ、やっている事は「先輩にレボリューション」でもいいような気がしてきました。
 倒れた鬼ごっこワルドに柄の悪い感じで凄む金は、更にツーカイハリケンジャーギアを装填すると、26バーンで野球のパワーを発動。
 「同じギアでも技が違うチュン。あれはハリケンジャーの追加戦士、シュリケンジャーの技チュン」
 またさらっとメタな発言(「追加戦士」)を放り込んでいるセッちゃんですが、ツーカイジャーの装備や転移ゲートの開発からフリントが天才的技術者である事は匂わせていたものの、ツーカイギアの製作時間があまりにも短い事や、スーパー戦隊に関する知識をそれほど持っているとは思えない事を合わせて考えると……以前にカラフルを略奪した時に、セッちゃんのデータ、引っこ抜いたな。
 そんなわけで、ツーカイザーには追加戦士枠の憑依が可能となり、
 ・五色田夫妻の研究成果を参考にした?トジルギア
 ・《スーパー戦隊》を参考にしたパワーを用いるゼンカイジャー
 ・ゼンカイジャーを参考にトジルギアへの応用で作り出されたステイシーザー
 ・そのイジルデのデータを参考に生まれたツーカイザー
 ・センタイギアを参考に誕生したツーカイギア
 と、やはり今作を貫く基本原理は「模倣」のようですが、創造とは模倣と切り離しがたい行為であると見た時、それそのものをテーマに据えた今作が、《スーパー戦隊》45番目の作品として何を生み出そうとしているのか、引き続き期待したいと思います。
 ちなみに竜巻組は「みなさん! 着地に備えて下さい!」で済まされており、アース-45人は、基本的に、頑丈。
 忍法・千本ノックを受ける鬼ごっこワルドを見たゼンカイジャーは、「これじゃ俺たち、鬼ごっこしただけで終わっちゃうよ」と気付くと、横から必殺技を打ち込んで勝利をかっさらい……君ら、酷いな。
 「おいおい、手柄横取りか?」
 当然、因縁を付けられている間に二体の巨大兵士が登場してセルフで鬼ごっこを始め、ローカルルールの爆弾鬼ごっこで爆殺されかけるゼンカイオーだが、なんとかこれを回避。巨大戦でも鬼ごっこが続くドタバタ劇が始まると、乱入したツーカイ宇宙船がジェットモービルとバイクの2タイプに分離・変形し、ドサクサ紛れに巨大化したカッタナーとリッキーがそれを乗り回す!
 尻尾タッチを受けてしまった双子は爆弾のなすりつけ合い……と見せた芝居で鬼ごっこワルドを油断させると、地球を一周して巨大ワルドの背後からタッチし、哀れ鬼ごっこワルドは、自らの能力で爆死を遂げるのであった。
 巨大戦を切り離さない為に、能力バトルを続ける、というアプローチでしたが、能力が能力だけに、色々な意味で、未だかつてない酷さに(笑)
 一座の芝居の中ですが、
 「こちらには兄貴と姉貴も乗ってるんだよ!」
 は、大変切実で面白かったです(笑)
 フリントが介人にお礼を言う姿を見せて界賊は去って行き、成り行きで馴染んでいていいのか、君達。
 次回――メンバー随一の良識派が物申す? そして、誕生・ステイシーフィーバーロボ?!
 界賊のターンで実質2回の休みを挟み、再登場の予告で即座に「待て! 手柄をあげるのはこの僕だ!」と凄くダメな感じの台詞を口走るステイシー、うん、いいよ、君はもう、よくわからないけど、「王子」の称号がふさわしい男だよ……。