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北條透の輝ける日常

仮面ライダーアギト』感想・第9-10話

(※サブタイトルは存在しない為、筆者が勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆第9話「出撃! HG3!」◆ (監督:長石多可男 脚本:井上敏樹
 説明しよう! HG3とは、「HoujouG3」、或いは、「High-gradeG3」の略称である! 通常時のG3に比べて器用度が30%上昇し、命中率・クリティカル率がアップする代わりに、根性が80%下がるのだ!
 ……ここまで書いたところで、HikawaG3も「HG」である事に気付いたのですが、そういえば、G3の「G」とはなんの事なのか。なんとなく、ガンダムっぽいな……ぐらいな印象で流していましたが、やはり「ガッツ」の略なのか? そこのところどうなんですか、M.I.Tを15歳の時に首席卒業した事が明かされた小沢さん!
 キャストの雰囲気は偶然の一致かもしれませんが、米国帰りの天才開発者・警察と関係・大きめの目・我の強い自由人気質、と『特捜ロボ ジャンパーソン』三枝かおる、への意識がどれぐらいあったのかは、今見るとちょっと気になるところです。
 「俺……別にどっちでもいいんですけど。記憶が戻っても、戻らなくても。……まずいですか?」
 「変わってるな君は……ホントに」
 美杉教授から、調理師学校にも通ってみたらどうだろう、と暗に、とりあえず得意分野で手に職をつけて生計確保の手段獲得を勧められた翔一君だが、太平楽で返事を保留し……思えば、《平成ライダー》における可愛い系主人公の嚆矢は、翔一くんでしょうか(笑)
 一方、訓練で圧倒的実力を見せつける北條G3はお偉方からも称賛を浴びるが、氷川くん贔屓の小沢さんはご機嫌斜め。
 「小沢さん、なんでそんなに氷川さんに肩入れするんです? 北條さんだっていいじゃないですか、才能ありそうだし」
 「なーに言ってんの、氷川くんの方が可愛いでしょ」
 「可愛いって……それだけの理由で?」
 「大事なことよ」
 さっそく北條に胡麻をすっている丁稚の尾室は首をかしげるが……君が今そのポジションに居るのは多分、少なからず小沢さんの「可愛い」カテゴリに引っかかっているからだからな!
 氷川は北條と入れ替わる形で捜査一課に転属となっており、G3サイドに波乱が続く一方、翔一は翔一で、翔一の顔に見覚えがある女性と出会い、改めて待ち合わせの約束をするが、その女性が絞殺死体で発見されてしまう!
 どこかで見たようなと思ったら、黒岩都知事秘書(森下まひろさん)でしたが、知っている俳優さんが、あっという間に退場してしまいました(笑)
 捜査線上に、女性と待ち合わせの約束をしていた翔一が浮上した頃、地上で人を溺死させるタコアンノウンが出現し、凄くタコ。
 その気配にきゅぴーんダッシュを決めようとする翔一くんだが、タイミング悪く氷川&河野に行く手をさえぎられ、任意同行を振り払おうとしたとみなされて、公務執行妨害で逮捕。
 まさかアギトの正体が逮捕されているとは知らずGトレーラーは現場へと急ぎ、可愛くない北條さんにも、一応、メットを被せてくれる小沢さん。初陣となったHG3は器用な射撃でアンノウンを圧倒するとテーマ挿入歌まで流れ出す大盤振る舞いで、タコアンノウンに大勝利?
 一方、翔一君は重要参考人としてパトカーで連行され……ヒーローが官憲に確保されて現場へ辿り着けない結構大胆な展開なのですが、最初から駒が3つ用意されている前提なので、あまりアンチヒーロー的作風に感じない(視聴2回目というのもあるでしょうが)のが今作の持ち味といった感じで、つづく。

◆第10話「失墜! HG3!」◆ (監督:長石多可男 脚本:井上敏樹
 パトカーで連行される主人公の横顔に、印象的なドドンドンドドン! のイントロがかかる、酷いOPの入り(笑)
 「ま、よろしくお願いしますよ。氷川誠のような可愛げはないかもしれませんが」
 北條さんは高級レストランでチームG3に祝勝ディナーを厭味ったらしく奢り、自室で体育座りしていた涼には、行方不明になっていた父親が死亡したとの連絡が入り……主人公が殺人容疑で逮捕されている真っ最中ではありますが、〔謎の肉体異常→ 夢を失う → コーチに捨てられる → 恋人に捨てられる → 父親が死体で発見 (※おまけに出番も少ない)〕で、涼の扱いが鬼。
 あと、〔目の前で父親が溺死させられる → 怪物に襲われる → G3に銃口を向けられて打たれるる → 再び怪物に襲われる〕前回今回の被害者少年が完全にトラウマ案件で、基本的に世界が人間に厳しい。
 衰弱死状態で発見された涼父は、「あかつき号事件」に巻き込まれた直後に失踪しており、死亡時の父の持ち物を確認した涼は、その中に住所と人名の羅列された手帳を発見する……。
 一方、翔一の無実をなんとかして証明しようとする真魚は、氷川の前で超能力を使用。凶器となった針金のリーディングから真犯人に至るヒントを見出し、それを信じた氷川と河野が貨車の中で発見したのは、まさかの謎の青年(笑)
 前回、ギルスの踵落としを受け、地面に謎の紋章を残して消滅した青年が、どういうわけか翔一の過去を知っていたとおぼしき女性を針金で絞殺し、神秘性がどこかへ消し飛んだのですが、何者なんだこの限界突破サバイバー。
 氷川くんには、アンノウン事件を繋ぐ線の証明の為、超自然的な力が存在していてほしい、というバイアスがかかっているにしても、1クールの内に真魚ちゃんの超能力が外部の人間に把握されるのは予想外のスピードでしたが、釈放された翔一くんを外で待っている真魚ちゃんが可愛い。
 だが再生したタコ怪人が再び市民を襲い、真魚ちゃんは直後に途中下車。それでも翔一君の背中にエールを贈る器の大きさを見せつけ、この辺りはシンプルに家-港の女なのですが、早々に超能力を使って能動的な活躍を見せたのは、翔一くんに対して受け身の存在になりすぎるのを避ける狙いもあったでしょうか。
 「頼むわよ。昨日のがまぐれじゃないって証明してよね」
 「期待して下さい。ついでにアギトも捕獲してきますから」
 現場にいち早く辿り着いたHG3は器用にタコ怪人を轢くが、再生タコには通常弾が通用せず、グレネードランチャーさえ無効で逆襲を受け、圧倒的不利のまま胸部装甲に大ダメージを受けてしまう。
 「立ち上がって北條くん! まだまだこれからよ!」
 トレーラーから適当な声援を受ける北條は、命の危機を感じるや手動で緊急解除スイッチを作動するとスーツを脱ぎ捨て、一目散に現場を逃げ出す光速の転落。
 以前に生身でアンノウンに立ち向かっていた事を考えると少々諦めが早すぎる気はしないでもないですが、その時は守るべき市民の存在がありましたし、オペレーターは無能、武装は貧弱、G3スーツがそのまま鋼鉄の棺桶になりうる密閉空間の恐怖を考えると、致し方ない部分もあるでしょうか(そもそもアギトが居なければ、とっくに氷川くんは殉職していますからね……)。
 とにかく100%期待に応えてくれる、逃走劇でありました(笑)
 G3、何が辛いって、手持ち武器が通用しなかった時のプラン皆無なのが辛いのですが、G3に必要なのは、煙幕弾とか閃光弾とか粘着ネットとか、敵の行動を制限して戦闘力を削ぐ系の武装なのでは。
 北條透の逃亡後、高いところに現れたアギトがタコを攻撃し、一気の紋章キックを決めて、処刑完了。
 謎の青年は殺人の自供後は沈黙を貫き……もしかして:寝床が欲しかっただけ。