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「地球汚染源発見」

『機界戦隊ゼンカイジャー』感想・第6話

◆第6カイ!「不快不可解ゴミあつかい!」◆ (監督:諸田敏 脚本:香村純子)
 片付けられない女だったマジーヌにより、同居しているヤツデの部屋がカオスの坩堝と化していた頃、図書館で本を借りていた掃除の達人・ブルーンは、ポリバケツを模した頭部から無限にゴミを撒き散らすゴミワルドと遭遇していた。
 ……凄くどうでもいい横道ですが、ガオーンが“料理の達人”で、ブルーンが“掃除の達人”なので、もしかしてジュランは“洗濯の達人”なのか?!
 閑話休題
 一当たりしたゼンカイジャーは一気に爆発バトルに持ち込んで始末しようとするが、ゴミワルドは自ら作り出したゴミの山の中へと逃走し、山の内部からゴミを生み出し続ける怪人を始末する為に、お片付けがスタート。
 「世界初のスケールで、大掃除大作戦だ!」
 風景からすると場所は東映撮影所内部っぽいですが、大量のゴミをばらまいた上で、更にそれを片付けて(回収したゴミ、の小道具も作成して)、映像にはかなり手間がかかっている感じ。
 終わってみると今回、ほぼ撮影所内部で完結しているとおぼしいのですが(離れているのクライマックスバトルぐらい?)、屋内セットでは無しに、大量のゴミにより屋外に異空間を作り出す事で、ロケのリスクを減らしているのは当世ならではの工夫でありましょうか(第3話の氷の世界も、同じ発想かと思われますし)。
 意気盛んに始められるお掃除大作戦だが、途中で見つけたマンガを読み始める介人、分別の雑なジュラン、猫を助けたと思ったらぬいぐるみで気落ちするガオーン、やればやるほど散らかっていくマジーヌ、のいずれも戦力外通告
 「……酷く汚い世界だな」
 失意のマジーヌが走り去った後、突如として姿を見せたのは、手すりの上に乗ってアンニュイに頬杖を突く耽美系美青年。声をかけてもゴミ掃除を手伝う素振りを見せず、世界は既にスクラップ発言をする青年に対して、世界を守ると宣言する介人だが……
 「世界初のヒーローに! ……なれるかなぁ……」
 突然、目の下にくまが出来ると、気だるさ全開で座り込んでしまう。
 その姿に驚きの表情を浮かべた青年は高い身体能力を見せると去っていき、大変謎だらけですが、とりあえず衣装が格好いい。
 「なんでしょう? この暗い気持ち……最近……本で読んだ……望まぬゴミに囲まれた生活は、心を蝕むという現象でしょうか……」
 ガオーン、ジュラン、ブルーン、も次々とその場にへたり込み、世界を侵食していくゴミの中で気力さえ奪われていく人々……。
 「俺のゴミから出したゴミ電波で精神を蝕み、人々が、ゴミのようになる。これぞ、世界をゴミで包む計画の本質ゴミ! さあ、もっともっとゴミで溢れろゴミ~!」
 シンプルな物量攻撃と見せかけてその実態は精神攻撃系で……強いぞ、こいつ(笑) (結果として介人を始めゼンカイジャーのストロングポイントを潰してくるところには、『烈車戦隊トッキュウジャー』のハンコシャドーを思い出してみたり)
 ここまでのところ概ねノリは軽いワルド怪人ですが、“一つの世界の力を用いる”という事もあってか、世界に対する干渉力・支配力が強力なのは、面白い特徴になっています。
 このまま世界はゴミの山に埋もれてクライマックスを迎えてしまうのか?!
 だがその時、ゼンカイジャーの中で唯一、ゴミの山耐性を持つあのヒーローが立ち上が……って駆け付ける前に、執念でゴミの山の中心部まで辿り着くブルーン。
 「なに~? 貴様、このゴミの中どうやって?!」
 「片付けたのです。あなたの事も、片付けます」
 メガネをキラリと光らせて、殺意の高いブルーンはゴミの山を内側から吹き飛ばし、テンション低いながら参戦する白赤黄だが本調子にはほど遠く、ゴミワルドの必殺ダストシュートを受けてゴミ袋に詰め込まれてしまう大苦戦。
 天敵と見なされたブルーンは集中攻撃を受けてゴミの山に放り込まれてしまうが、そこに今度こそマジーヌが駆け付けると、暮らしの中に修行あり、日常生活で身につけたゴミの山から瞬時に必要なものを見つけだすパワー、でブルーンを回収し、5人揃って反撃開始。
 「生ゴミパワー! ゼンカイザー!
 「粗大ゴミパワー! ゼンカイジュラン!」
 「不燃ゴミパワー! ゼンカイガオーン!」
 「片付けられないパワー! ゼンカイマジーヌ!」
 「お掃除パワー! ゼンカイブルーン!」
 「五人揃って!」
 「「「「「機界戦隊・ゼンカイジャー!!」」」」」
 話の流れとしては、白赤黄青が戦力外になったその時、ゴミ電波無効体質だったマジーヌがゴミワルドの隠れ場所を見つけだして反撃! の方がスムーズだった気はしますが、ダストシュート→お掃除戦隊をやる為に、ブルーンが一人でゴミを片付け、介人たちも自力で復帰、と怪人の特殊能力を力でねじ伏せるやや強引な形になった印象。
 これはこれで面白かったので、取捨選択としては悩ましいところですが。
 「貴様等! それでいいゴミ?」
 「世界初! ゴミのヒーローだ!!」(※独自の研究です)
 逆境を文字通りのパワーに変えて、ゴミ袋から両手両足を突き出した白赤黄はゴミまみれの残虐ファイトでゴミワルドを追い詰め、溜まらずゴミの山に逃げ込む怪人だが、ブルーンを助手にマジーヌがマジックショーを開始。
 「1・2・3……はっ!」
 「じゃーん!」
 マジーヌが気合を込め、ブルーンが掲げていた幕を下ろすと、万歳しながら出てきたゴミワルドは満場の拍手喝采に応え……君らの、そのノリのいいところは好きだよ、うん……(笑)
 魔法の鈍器とブルーンパンチで殴り飛ばしたゴミワルドに向け、36バーンで発動した『特命戦隊ゴーバスターズ』の力によって加速攻撃と怪力攻撃が突き刺さり……ジャンプ力さんが、亜空間の片隅で泣いています。
 トドメは5人合わせてフィニッシュバスターで、大全壊。
 ゴミの山は消滅し、白赤黄もゴミ袋から解放されるが、ゴミ怪獣が出現すると再びゴミトピアのエネルギーが溢れ、今回はかなり雰囲気の出たゴミの山フィールドが展開。
 「粗大ゴミは申し込んでから捨てるゴミー!」
 ジュラガオとマジブルを繰り出すもポリバケツ攻撃で視界を塞がれて苦戦するが、片付けられないパワー・大原則ひとーつ!
 「まだまだ全然使えるし!」
 によりゴミをリサイクルする事でゴミ怪獣の支配力を断ち切り、基本的にマジーヌの魔法はなんでもアリなのですが、笑いの要素と繋げる事でパワープレイ感を減じさせるのは、巧いやり方。
 Wゼンカイオーはゴミ怪獣が動転している隙に反撃に転じ、ジュラガオ、あの体型で、後ろ回し蹴り決めた。
 「掃除の仕上げです!」
 「トドメ全開!」
 最後はツルハシダッシュで轢き殺し、大全壊。巨大戦における2対1バトルの画面構成はなかなか厄介そうですが、画面左手前と画面右手奥で決めポーズを取って爆発を挟むのは、格好いい画になりました。
 かくしてゴミ騒動は一件落着し、短所も時には長所になる、と誉められて調子に乗るマジーヌだったが、
 「だからってゴミはちゃんと捨てなさい!」
 とヤツデから雷を落とされるのは、良いバランスのオチでした。
 一方、トジテンド。
 「やれやれ。また一つ、世界が解放されたのでアル……誰だ?!」
 「――忘れたの? 息子の顔を」
 スタイリッシュジャンプからスタイリッシュ着地を決めた謎の青年から、バラシタラへの爆弾発言で、つづく。
 謎の青年は前半ちらっと顔見せしただけで終わり……? と思われたところからラストシーンできっちり引っ張ってきましたが………………バラシタラ:タンクボディに脳だけ移植された功博士、イジルデ:キャタピラボディに脳だけ移植された美都子博士、謎の青年:介人の弟(失踪後に別の並行世界で生まれた関係で年齢にズレが生じています!)という可能性も有り得て ワクワク ドキドキしますね!
 次回――過去戦隊要素がぐっと押し出されるようで、どういった使い方になるのか、序盤のひとつ分水嶺になりそうな。