東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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高速戦隊ターボレンジャー』感想・第45-46話

◆第45話「超マジック少年」◆ (監督:蓑輪雅夫 脚本:曽田博久)
 話題沸騰、Miss.マジックの驚異のハンドパワー! ……放映当時は、1988年にTVデビューしたMr.マリックによる超魔術ブームの真っ只中であり、この余りの捻りの無さが、当時のブームの大きさを窺わせます。
 キリカ扮するMiss.マジックに憧れるタツオ少年は、ハンコボーマ(象モチーフなのは、象牙から?)の力で額に暴魔の印を押される事で超魔術を振るえるようになるとそれを使って好き放題に振る舞うようになり、少年少女たちに次々と超魔術ハンコを押そうとするMiss.マジックを止めるターボレンジャー
 「子供たちに超魔術なんか与えて、いったいどういうつもりだ!」
 「子供たちを堕落させるのさ! 不思議な力を得た子供たちは、それを悪い事に使う」
 ……あー……つい最近、超能力を使ってテストで満点を取っている女子高生を見た気がしますね……。
 堕落した人間の悪意による、人間社会の自壊を目論むヤミマルの思惑通り、タツオ少年はどんどん悪戯を暴走させていき、それを止めようとする洋平だがコンプレックスを抱えた少年は説得に耳を貸さず、2話前とだいぶ被り気味。
 一方、闇の底では触手の塊が蠢き、空に浮かんだ巨大な赤い光の竜が何故かタツオに稲妻を落とすと、少年の額のハンコの色が変わり、より強力になったハンドパワーでヤミマルたちを攻撃する。
 「もう俺には怖いものなんかないんだ!」
 有頂天の少年を追う洋平だが、背後では虚仮にされたヤミマルたちが怒り心頭。
 「許さん! 俺たちより凄い力を持つ者が、この世に存在するなど絶対に許さん!」
 ヤミマルキリカは少年を暴魔コウモリで爆撃し、小さい……! 器、小さい……!
 そろそろ、赤い鎧の呪いが精神を蝕みつつある可能性が危惧されるヤミマルですが、タクシー代わり→トラック代わり→小学生を爆撃、に駆り出される暴魔コウモリが先に失踪するかもしれません。
 窮地を洋平に救われた少年は、力には力で対抗しようとするが唐突に超魔術の力は消え失せてしまい、話の構造としては、チャカを手に入れて調子に乗っていたチンピラが洒落にならない相手に手を出して逃げ惑う事になる東映ヤクザ文法なのですが、チンピラポジションが小学生なので、「しっぺ返しと反省」の要素が生死の境目に直結されると、いまいちスッキリせず。
 「落ち着け! 超魔術なんか無くたって勝てるんだ! 人間死に物狂いになれば勝てる! 勇気を振り絞って、俺と一緒にやってみろ!」
 洋平は少年を叱咤し、「力」よりも肝心なのは、それを正しく用いる「勇気」(に代表される、心の在り方)というのは、シリーズの一貫したテーマ性といえますが、アクセルの踏み具合を間違えると、容易に特攻精神と繋がってしまう危うさへの意識もまた命題であるな、と改めて。
 小学生を巻き込んでダイレクトアタックはやり過ぎたと思うわけですが、二人は、ドス、ならぬ木の杭を手に取ると、迫り来る暴魔コウモリの土手っ腹ならぬ大きく開いた口に往生せいやぁぁぁとそれを突き立て、藻掻き苦しむ暴魔コウモリはヤミマルとキリカを振り落とす(笑)
 洋平が啖呵を切ったところに仲間達も集合し、
 「「「「「ターボレンジャー!!」」」」」
 今作では意識的に絞っている印象がある名乗りからの主題歌バトルに入ると、それぞれが個別武器を振るって暴魔を蹴散らし、色々、決戦へ向けたまとめに入っている気配が窺えます。
 青は力任せにハンコボーマを投げつけてからJマシンガンを叩き込み
 「ハンコボーマ、木っ葉微塵に、砕け散れ!」
 でビクトリー。
 巨大戦では、キックオフしたバトルボールを綺麗にピッチャー返しされ、苦戦するかと思われたラガーファイターだが、反撃からざっくりスクリューラガーキック。
 少年は何よりも大切な勇気――死中に活ありメディテーションの心――を学び、和気藹々で、つづく。
 謎の赤い竜に関しては「もしや……いや、まさかそんな事がある筈がない……」と太宰博士が思わせぶりに呟き、状況を考えると濁さずに説明していい気がしますが、次回――なんかメルヘン路線……から、凄いの来た。

◆第46話「ラゴーンの逆襲」◆ (監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
 ナレーション「流れ暴魔ヤミマルとキリカは、一気に片を付けようと、ターボレンジャーに、最後の戦いを挑んできた。そして、その死力を振り絞った戦いは、いつ果てるともなく、際限もなく続いていた」
 長石監督らしい荒波をバックに、冒頭から急展開!
 そしてその戦いを見つめる謎の暴魔獣と、闇の底で蠢く肉塊……。
 「この世界を、必ずおまえ達の赤い血で染めてやる! その時こそ地球は、我ら流れ暴魔二人のものとなるのだ!」
 (※聞き取りきれず「必ず」はだいぶ怪しいです)
 「まだわからないのか。赤い血を流すのはおまえ達だ! その時になって、我が身に流れる人の血の尊さに気付いても、もはや手遅れだぞ!」
 “赤い血”を掛けて両者の台詞を対応させるのは面白いのですが、「赤い血を流して人の心を取り戻せ」ではなく「赤い血を流した時は出血多量で貴様はもう死んでいる!」なのが随分と遠い所まで来てしまいました、炎力。
 両陣営が激しくぶつかり合うと大爆発が起こって7人はそれぞれ吹き飛ばされ、無音となってそれぞれの獲物が散らばるのが印象的。
 いつ果てるとも知れない戦いがそのまま素手の殴り合いに移行するのはかなり生々しく、ひとり変身の解除されたはるなは、戦いの虚しさに気付くとそれを止めようと必死に声を張り上げるが、その時、海岸に出現する謎の門。
 天使の象られた白い門は、解説のシーロンによると妖精の世界へ通じる妖精の門であり、そこには、この世に愛と平和をもたらすと伝えられる「愛の石」が安置されていると云う。
 「その光を浴びた者は、みんな憎しみを忘れ、愛を取り戻すのです」
 ……それは、例の、家畜化光線なのでは。
 妖精とメルル星人の繋がりが急浮上して大変きな臭くなる中、戦いの終結を望むはるなは門の中に飛び込んでしまい、それを追うターボレンジャーとヤミマル一味。
 「もっと戦え、命を削れ……」
 謎の肉塊の呪詛の念に導かれるかのように、両陣営の死闘は異空間でも続き、愛の石を探し求めるピンクは、荘厳な城を発見。ラブラブ合体技もターボレーザーも使えない状況に戸惑いつつ、遂に愛の石を手に入れたはるなは家畜化光線をヤミマルとキリカに浴びせようとするが、石を掲げると同時に城は大爆発し、海岸へと投げ出された7人の前に姿を見せたのは、人体標本めいた姿がこれまでになくグロテスクな暴魔大帝ネオラゴーン!
 高速戦隊と流れ暴魔が、死闘を繰り返す事で互いにエネルギーを失う機を窺っていたラゴーン様が新たな姿で完全復活し、要するに漁夫の利狙いなのが、大変、暴魔百族です。
 変身するだけのエネルギーを失った7人は、妖精世界の幻影を作り出していた一つ目ボーマの攻撃を受けて吹き飛び、ネオラゴーンは暴魔城へと帰還。……いきなり砂浜に突き立った巨大な柱がなんだったのか謎になりましたが、海岸にそのまま立たせると、格好つかなかったのでしょうか(笑)
 此度の事は全て我が落ち度、この上は腹かっさばいてお詫び……の代わりに、5人の妖精パワーを集めて変身する事で始末を付ける、と決死の戦いを志願するはるな軍曹の覚悟のほどを知った男達はそれを受け入れ、どんどん謎になっていく妖精パワーを集める事で、ピンクターボ復活。
 「小癪だってんだ! 一人で何ができる!」
 ここで女性メンバーをソロ変身させるのは、細かいセオリー崩しを散りばめてきた今作らしい構成ですが、メンバー中、生身最強のキャラではあります(笑)
 手前でピンクvs怪人をやりつつ、奥で生身の男衆が戦闘員と戦うなかなか無い構図は面白く、果敢に一つ目ボーマに挑む桃だが、一つ目レーザーの連射に苦戦。
 「こんな時、愛の石があれば……」
 「愛の石は、君の熱いハートなんだ! 君の胸の中にある!」
 思わず超常の奇跡を求めるピンクに対し、世界に愛と平和をもたらすのはなんらかの神秘ではなく個人の心であり、人は誰しも胸の中に愛の石を持っているんだ! と送られるエールは大変良かったです。
 決戦・流れ暴魔の急展開に、突然出てくる愛の石と露骨すぎる罠がだいぶバタバタしてしまったのは残念でしたが、その消化と着地点はお見事。
 なんとか一つ目ボーマを倒した桃は、巨大化に対してまさかのソロ召喚からソロ操縦で立ち向かうが、いい加減パターンを読まれたバトルボールを投げ返されると窮地に陥り、倒れるラガーファイター。生身の男4人が操縦席に乗り込むとその激励で立ち上がり、反撃のパンチからスクリューキックを打ち込んで辛勝を納めるが、ターボレンジャーは満身創痍、ヤミマルとキリカも地に伏せ、かつてない規模の死んだフリ戦法により邪魔者を排除したネオラゴーンの高笑いが響き渡る……。
 なんとか大妖精17へ帰還する高速戦隊だが、妖精パワーを完全に失った5人はシーロンの姿が見えず……その事実とショックを、宙に浮かぶ包帯とその落下で示したのは好演出。
 かつてなく絶望的な状況で、つづく。
 四国編後編あたりから、終盤失速の匂いが漂ってきていた『ターボレンジャー』ですが、四国編前編を除くとヤミマル政権の作戦にこれといった面白みがないまま決戦に突入してしまい、ヤミマルが王の器では無かったのが、意図的なのか結果的なのかはわかりませんが、物語のメリハリとしては辛いところ。
 また、暴魔(特に流れ暴魔)に対してターボレンジャーがどう接するのか、完全なる敵なのか、それとも改悛の余地がある相手とみなすのか、がエピソードの成り行き次第で蛇行しがちだった事で、物語の芯が一本通らなかったのが、ここに来て大きく響きます。
 そして、ラゴーン様が先に復活してしまいましたが、暴魔博士レーダの「おのれ……! 決してこのまま死ぬ俺ではないぞ……」を拾える隙間はあるのか?! 次回――ヒロインレースの頂点を目指して、山口先生とシーロンが捨て身の大勝負!