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四国日本一化計画!!

高速戦隊ターボレンジャー』感想・第41話

◆第41話「スターは俺だ!」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 折角だからと大王製紙の工場を見学していた高速戦隊だが、そこに響き渡る、謎のギターの音色。
 「今日は東、明日は西、風の吹くまま気の向くまま、ねぐら定めぬ渡り鳥、いわば俺も流れ者、流れ流れて暴魔の為に、この身を捧げん!」
 ギターは勿論、打撃武器!
 高笑いと共に現れた、文字通りのワタリドリボーマが5人に襲いかかり、七つ道具の一つと称して鎖鎌を振り回すが、途中でドジっ子属性を発動して、自爆。
 「ヤミマル様が流星剣(5回攻撃)、キリカ様が月光剣(防御無視)なら、この俺様は、天に輝く太陽剣(HP回復)!」
 ならばと今度は剣を取り出すもターボレンジャーに軽々とあしらわれ、登場当初の日本一感はどこへやら、メッキの剥がれた渡り鳥は、観戦していたヤミマル一味にも見捨てられると、這々の体で逃走。
 手分けして暴魔獣を追う高速戦隊だが、不意打ちをしのいだ大地は、這いつくばって足の怪我を痛がるあまりにも情けないその姿に、思わずかばってしまう。
 「消えちまいな」
 「なんですと?!」
 「どこか遠くへ行ってしまえと言ってるのさ。もう二度とこの世へは出てくるんじゃないぞ」
 それはそれで結構酷い事を言いつつ、ひとまずステーキハウス・ブライトン(カジュアルレストラン・ウエストウッド)で昼食を摂る5人だが、またも鳴り響くギターの音色。
 機械仕掛けのギターをトラップにまたも大地を襲う渡り鳥だったが、奇襲に失敗すると土下座をし、全てはヤミマルに脅されての事だと命乞い。「俺を封印してくれ」という渡り鳥の申し出に対し、力は疑うが大地は受け入れ、暴魔百族が定期的に離反者を生むあまり、高速戦隊側の「信じる/信じない」対応が一定しないのは、今作の残念なところ。
 その頃、大妖精17ではシーロンが暴魔図鑑を調べていたが渡り鳥ボーマの記述はなく、四国に封印されているのは、芝居好きの暴魔獣……?
 渡り鳥ボーマの命乞いはヤミマルの計略である事がズルテンによって示され、遠く東京でそれが裏付けられるのですが、この要素は終盤ちょっとしたどんでん返しに用いられる事に。
 「俺はもう、深く静かに眠りたい」
 翠波高原でヤミマル一味の攻撃を受けたターボレンジャーだが、赤青黄桃が足止めをしている間に大地と渡り鳥は富郷渓谷へと向かい、暴魔封印の為に身を清める事に。パンツ一丁で川へ入ると言われるままにブレスも外す大地だが、ヤミマル一味、そして本性を現した渡り鳥に牙を剥かれ、東映ヒーロー史上に残る大ピンチ。
 「暴魔百族の千両役者、暴魔獣、オヤクシャボーマたぁ、あ、俺のことだ~!」
 ヤミマル一味さえたばかっていた役者ボーマは、鳥頭マスクをはぐと歌舞伎メイクの素顔を露わにして六方を踏み、パンツ一丁の大地に向けて番傘マシンガンをぶっ放すと、四国の清流に派手に噴き上がる水柱!
 「ああ……鮎の塩焼き食いてえなぁ。体中がカッカするぜ。暴魔の野郎、今度会ったら承知しねえぞ。今度会ったら……」
 山形大地、東映ヒーロー史上に名を刻むパンツ一丁での戦死……かと思われたその時、水柱の収まった川の中から飛び出したのは、黒を含めた5人のターボレンジャー
 太宰博士から(たぶん)連絡を受け、偽のターボブレスを用意して暴魔の芝居を暴いたターボレンジャーは、本気を出した役者ボーマの番傘花吹雪、更に手鏡ソーラービームの攻撃を受けるが、桃の殺人バトン投法が炸裂し(男達が景気良く爆発で吹き飛んでいる中、一人だけ華麗に反撃を決める軍曹)、手鏡を砕くとコンビネーションアタックから四国遠征Vターボバズーカだ!
 しかしヤミマルは役者ボーマを巨大化するのか……? と思ったら、いずこともしれぬ場所で蠢く触手の塊から放たれた光によって巨大化し、全員が「今の光は?!」「いったい誰が? どこから?!」と困惑するのは、上手い形で布石を打ってきました。
 なにはともあれターボロボが出撃するも鎖鎌と番傘攻撃に苦しめられるが、高速剣の連続攻撃で強引に反撃すると、ターボスラッシュを一閃し、お役者ボーマは自らの生み出した花吹雪に埋もれるように、四国の地で遙かな眠りの千秋楽を飾るのであった。
 謎の巨大化への疑問を残したまま、高速ボートに乗ってターボレンジャーは東京に帰還し、闇の中に浮かび上がるラゴーンの首……で、つづく。
 前回に続き、四国は伊予三島での戦いとなり、記念すべき第2回目の作戦にして暴魔獣に虚仮にされた上、大帝ラゴーンが復活の兆しを見せるヤミマル一味の明日はどっちだ?!
 爆発力はないものの、コツコツと単打を重ねる的な面白さのある『ターボレンジャー』としては今ひとつの内容でしたが、暴魔百族名物の離反かと見せて実はヤミマルの作戦でした、からの流れ暴魔政権への実質離反者でした、の一ひねりと、巨大化によってラゴーン生存を匂わせる見せ方は面白かったです。
 そして多分、ラゴーン様による初の巨大化光線により、暴魔百族は幹部以上のキャラクターは全て巨大化させる能力持ちとなり、戦隊史上でもこれはかなり珍しいでしょうか。
 次回――ヒロインレースの大逆転に向けて、妖精シーロン、命がけのアタック!!