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必ず輝く朝が来る

『魔進戦隊キラメイジャー』感想・第44話

◆エピソード44「友よ、静かに眠れ」◆ (監督:山口恭平 脚本:荒川稔久
 結局、小さな石形態に落ち着いたオラディン(さすがに元の姿は限定的という事になりそうでしょうか)を伴ってヨドンヘイムから帰還したキラメイジャーの沈痛な姿がいつになく暗いトーンの画面で描かれ、視聴者からすると崖落ちですが、劇中の人物たちにとっては痛恨の喪失である事をしっかり強調してくれたのが、ラスト2話の導入としてまずは非常に良かったです。
 「嘘だ……嘘だ……んなはずねぇ! 俺は信じねぇぞ! んなの、信じてたまるかよーーー!!」
 充瑠の戦死を伝えられたファイヤの慟哭が響き渡り、主題歌無しでタイトルのみの変則OP。最終回1話前からやってくるのはかなり珍しい印象ですが、今年は話数削減もあったので、本編の尺確保の為に通ったという感じでしょうか。
 「ガルザも死んだか……ヨドン皇帝に逆らって、生き延びられた者はいない…………だが私は違う! あれさえあれば……」
 ヨドンヘイムの荒野を流離うクランチュラは、ヨドン軍が確保している叶えまストーンを狙い……
 「ガルザ……愚かな奴。ま、僕みたいに愛されてないから、しょうがないか」
 一方、ヨドン皇帝は残り3つを手に入れる為に、本拠に石を安置すると、地球へと出撃。
 仲間を失い、重い空気に支配されるココナッツベースでは……
 「いや……これじゃいかん!」
 最初に立ち上がるのは、アニキ!
 これは実に、時雨らしくて良かったです。
 「もう充瑠の事を考えるのは止めだ」
 「おいふざけんなっ! 充瑠はどうだっていいってのか?!」
 気持ちは気持ちとして、速攻で突っかかるファイヤは、最後までこういうキャラを貫きましたが……以前にいただいたコメントで納得したのですが、キャラクターとしては「石頭」を志向していたものと思われ、それを個性として強調しきれなかったのが惜しまれます。もしかすると充瑠の「柔軟」さと対比していく算段だったのかもですが、こと充瑠に関しては、ファイヤがあっという間に丸くなってしまいましたし(笑)
 哀しみは胸に秘め、今は地球を守る為に戦うべき時だ、と小夜と瀬奈が続き、瀬奈に作戦を振られたタイミングで、画面手前で微動だにせずじっと瞑目し続けていた為朝が、カッと目を見開くのが非常に格好いい。
 「……丁度まとまった」
 ただ哀しみに打ちひしがれていたのではなく、ずっと作戦を練っていた為朝は、手持ちの叶えまストーンを守るのではなく、むしろ積極的に攻勢に用いる策を提案。
 「そこでオラディン王様、お力を貸していただけますか」
 この期に及んで王様が、外部の高貴な協力者みたいな扱いは色々とどうかと思うのですが、ここでかしこまるのは凄くタメくんぽくはあり、総力戦による、ヨドン皇帝封印作戦が発動する!
 ……ところが、充瑠喪失のショックがあまりに大きかったのか、ファイヤは何やらブツブツ呟きながら自分の殻に閉じこもってしまってキラメイジンを出撃させる事が出来ず、黄緑はキングエクスプレスザビューン、青桃がグレイトフルフェニックスに搭乗。
 いよいよ地球に降り立ったヨドン皇帝がその猛威を振るい、まずはエナジードリンクで強化された王様が封印ビーム(謎)を放ち、ヨドン皇帝が出来たならオラディン王も出来るでしょノリなのですが、実際に出せたぞ王様(笑)
 そのまま皇帝を押し込むかと思われたのも束の間、ヨドン皇帝は圧倒的な力で封印ビームを跳ね返すが、博多南が切り札のプログラムを完成させ、限定的にリバースストーンの力を解放した黄は、皇帝を10日前に戻す事により、ヨドンナサイズへと圧縮。
 他のストーンと比べてもリバースストーンの効果は出鱈目に強大なのですが、要所要所に出鱈目パワーが配置されて、それを前提に頭を使うのは、『キラメイ』らしいとはいえます。
 ……それにしても、ある意味でストーン以上に出鱈目なのが博多南さんですが、少年期の兄弟関係もあって徹底的なサポート気質で、劇中に描写される限りはかなり“無私・無欲の人”であり、そうでなければ、能力はいっそラスボスに近い(笑)
 博多南のキャラ造形は、意図的に80年代に寄せているように思えますが、万能博士ポジションは「復讐心」なり「コアなフェチズム」なりを与えられていた方がいっそ動機に納得しやすい面も浮き彫りになり、長官・博士ポジション要素を博多南とオラディンに分散する構造でなければ、もう少し博多南さんのパーソナリティが掘り下げられる方向性もあったのかも。
 突き詰めていくと「博多南さんがにぃに大好きだったから」が地球が守られている理由のかなりを占める事になるのですが、そのネガとなる「ガルザとオラディンの関係」が、皇帝が全て悪かった、で済まされてしまったのは、返す返すも残念な真相になってしまいました。
 リバースされたヨドンナに再び封印ビーム(謎)が突き刺さると見事にカーボンフリーズされ――釣られたら釣り返す。今、俺の右手は神になる! 
 デストラストーンを手に飛び出した青がキラメイゴッドハンドを叩き込もうと走り、この作戦いざ実行してみるとかなりグロ映像になりそうだよタメくん! と放送コードが危ぶまれたその時……
 「よもや貴様が狙われ、我を窮地に陥れるとはな」
 ヨドン皇帝は意識の部屋で、ヨドンナ人格を自ら抹殺。
 「……なぜですか……」
 「封印されたのは貴様だ。貴様が消えれば封印は解ける筈」
 「ボクは……あなたに、愛されてなかった?!」
 「我が愛するのは――我のみだ」
 自分以外の存在に価値を見出さないヨドン皇帝の邪悪さと酷薄さ(ガルザとは明確な違い)を表現する意図だったのでしょうが、凄く重々しい声によるナルシスト宣言みたいになって、若干面白い事に。
 「…………ここは……泣くところで合ってるかな?」
 「こここそ笑うところだ。我の役に立って死ぬのだからなぁ」
 皇帝の即答に笑顔を作ろうと顔を歪めたヨドンナは……
 「……ボク……はぁ、はぁ……無理で、す……」
 泣く事も笑う事も出来ないまま青い炎となって消滅し、ヨドンナ初登場からのキーワードを大変いやらしい言い方でしっかり拾ってくれたのは良かった一方、そもそも「泣く」という感情をヨドンナが持っているのか? という点では疑問が生まれてしまい、やや強引な運びになってしまったのは惜しかった点。
 今回の各キャラの使い方を見ると、次回ヨドンナにもワンポイント登板があるかな、とちょっぴり期待します。
 「知恵を絞ったつもりだろうが、我には通用せんわ!」
 ゴッドハンドの炸裂寸前、ヨドンナの存在を消し去る事によって封印を内側から破った皇帝は大復活し、戦隊側が練った作戦を力技で吹っ飛ばすのは、作劇面でのネガキラメイジャーとして象徴的になりました。
 これまた大概出鱈目なロレンチーニサーチで解析すると、皇帝の弱点は仮面の下の本当の顔と判明するが、皇帝の邪面は宇宙最硬であり破壊は不可能! ヨドミウム光線を受けて二大ロボはバラバラに吹き飛ぶが、ガルザとの戦いで重傷を負っていた宝路がワンダー復帰し、ドリラーで皇帝の左腕を切り落とすまさかの活躍。
 「儂等も行かねば!」
 「でも、ファイヤがまだ普通じゃない」
 「大事な相棒をなくしたショックは大きすぎます」
 「まだ、無理だよね……あたしたちだけで行く!」
 「待って下さい!」
 「「「「姫様?」」」」
 「……ファイヤ、優しいあなたのことです。充瑠さんが生きていると信じて、ずっと心の中で、呼びかけているのですよね?」
 ファイヤは重度のPTSDを発症して(へへっ……へへっ……拭いても拭いても、この角についた染みが取れねぇ……そうだ……殺し足りねぇからだ。あの森の中で、谷で、占領した街で、殺しても殺しても沸いてくるベチャット野郎どもをもっと駆除しねぇと……ふへ……ふへへへへ)と壁に向かって呟いていたわけではなく、消息不明となった充瑠の生存を信じ、現在の戦況を語りかけ続けていたのだった。
 「それで、充瑠さんからはなにか?」
 「それがあのバカ……なにやってんだか、全然返事してこないんです。絶対生きてる筈なのに! これでもかって、意識を集中してんのに、全然なにも感じないんです!」
 フォーカスされるとされるで、純然たる立方体は演出サイドからは実に厄介そう……と改めて思わされますが(揺らすか光らせるかぐらいしか出来ない)、充瑠への想いが伝わってくるファイヤの言葉は、鈴村さんがさすがの名演。
 「だって! ……それは」
 「姫様……俺は……俺はいったい、どうすれば……」
 「ファイヤ……あなたの哀しみは、よくわかります。でも……今は、みんなと一緒に戦って下さい」
 ファイヤの真意を悟った上で時を待っていた姫様は、今、決然と再起を促す。
 「……姫様」
 「充瑠さんが遂げられない想い。それをあなたが遂げるのです」
 「……わかりました。……充瑠! 行ってくるぜ!!」
 その言葉はファイヤの心に届き、前回の感想で、「ここで姫様が、面と向かってガルザとやり合う姿を見せてくれたので、姫様に関しては一定の満足とします」と書いたのですが……奇跡のもうワンジャンプを決めてくれたので、姫様に関しては概ね満足。
 何度か書きましたがマブシーナは今作の裏主人公だと思っているので、喪失から立ち上がり、やがて見出し導く者として成長していく姫様が一つのゴールに到達してくれたのは、エピソード0から引かれていたラインが切り捨てられずに繋がってくれて大変嬉しかったです。
 テーゼ的に考えると、「オラディン王に代わる」要素が入って、偉大なる王の継承として描かれる方がスムーズではあるのですが、やはりオラディンは当初は蘇生予定ではなかったのでは、とは思うところ。
 作品トータルとしては、同じ女性陣の瀬奈と小夜が若干の割を食う結果にはなりましたが……思うに、主人公としての都合の良さも含めて比較的誰とでもフラットに接する充瑠を中心に置いた時に、“年上の女性”としての距離感でキャラの濃淡を付けられなかったのは、響いた面があったかもしれません(年末に海のエピソードが出るまで、瀬奈はほぼほぼ同年輩の女子高生でしたし……)。
 立ち上がったファイヤを先頭に五色のキラメイストーンはココナッツベースを飛び立ち、左腕を再生したヨドン皇帝にドリラーが叩き伏せられた直後、戦場に到着。
 「今までホントにすまねぇ! こっからは、めっちゃメラメラだぁ!!」
 から4人が乗り込み、大変劇的に魔進合体! して燃える飛び蹴りを決めたのも束の間、ヨドンデストロイヤーを受けて地面に転がされるまで、丁度1分。
 うん、秒殺は避けました(なおキラメイジン合体後からカウントすると、約35秒の儚いメラメラでした)。
 「ふはははははは」
 「ヨドン皇帝に逆らって、生き延びられた者は……いない」
 「終わりだ」
 クランチュラによる、大星団ゴズマ(『電撃戦隊チェンジマン』)や宇宙帝国ザンギャック(『海賊戦隊ゴーカイジャー』)を念頭に置いたと思われるフレーズが挟み込まれ、ヨドン皇帝渾身の溜め技が解放寸前、背後に出現したゲートからの不意打ちを受けた皇帝は、自らの必殺技で壮絶な自爆。
 「ヨドン皇帝、吹っ飛んだ?!」
 「今の……なんだったんだ?」
 一同が呆然とする中、大規模な爆炎を切り裂いて姿を現したのは、無事だった充瑠を乗せたスモッグジョーキー!
 「ああおい、おまえら! 戦いの最中に! ……あー、んぁ! 俺も行くーーー!」
 黄緑青桃は思わずキラメイジンを飛び出し、仲間としての距離感は近い一方で、戦力的問題で別行動を強いられがちだった追加戦士である銀が、この輪に加われて本当に良かったです(笑)
 キラメイジンも分離して(皇帝陛下は自爆ダメージから再生中)、銘々が相棒の魔石を抱えて充瑠との再会を喜び、距離感と順番は、為朝→ファイヤ→瀬奈→年長トリオで、タメくん、貫禄の一本勝ち(ファイヤ……)。
 「…………ガルザが助けてくれたんだ」
 あの時、最後の力で皇帝に特攻をかけたガルザは、同時に自分の意識をジョーキーに飛ばしており、肉体が滅びながらもジョーキーを操縦すると、転落した充瑠をキャッチ。
 「……ガルザ! 無事だったのか?!」
 「……俺の命は、もう尽きる」
 ガルザの始末も含めてさすがに今回は非常措置という扱いになりましたが、こうなるとやはり、王様のフェニックス転生もリスクがある方が自然であり(最終回に急にどこかへ飛び立って概念ヒーロー化する可能性もありますが)、最終盤の目立つ問題点が概ねオラディン絡みになっているのは、重ねて残念なところです。
 「…………俺の分まで、おまえは生きろ。そして絵を描き続け、煌めき続けろ」
 そんな不満はありつつ、ガルザ最後のメッセージが、「描き続けろ」だったのは大変良くて、ガルザに未練があるとしたら何よりそれだったというのは、前回の自爆特攻だけでは物足りなかったガルザの心情の掘り下げとして納得。
 それにより、想いを託される者としての充瑠の主人公性も確保され、有り得たかもしれない未来であったキラメイレッドに苛立ち続けたガルザが、しかし熱田充瑠と出会ったからこそ、自らの生きた意味を託して消えていけたというのは、ある程度、満足の行く結末となりました。
 「兄上に会ったら伝えてくれ。……生まれ変わったら、今度は仲のいい兄弟になりたい、とな」
 「俺が生きた意味は、今ここで生み出すってガルザの言葉。俺に思いを繋げるって事だったんだと思う。助けて貰った俺が、しっかり生きる事で……ガルザが生きた意味になるんだ」
 「ガルザ……弟よ。兄として誇らしいぞ」
 一方でオラディンは、王としてネガティブな感情を見せない事を自分に課したりしているのかもしれませんが、ここは「ガルザをポジティブに誉める」よりも「ガルザを救えなかった自分への反省の一言」ぐらいは欲しかったところであり、どうしてもピンと来ないキャラとなってしまいました。
 言ってみれば頻繁に最前線に出てくる宇宙警視総監ギャバンみたいなキャラクターなのですが、あまりにもネガティブな情動を排しすぎて、滅ぼされた自分の王国についてどう思っているのかさえ曖昧な人物を、“理想のヒーロー”の位置づけに置くのは、無理があったかなと(王としてそれらを全部押し殺し、気高く振る舞い続けているのだと仮定しても、それそのものが理想像として厳しいのでは、という意味も含めて)。
 返事こそ届かなかったもののファイヤからの声で地球の状況を把握していた充瑠は、皇帝不在の隙にイリュージョンストーンを確保しようとしていたところ、同様の思惑で既にストーンを入手していたクランチュラを発見。悪の組織が無駄に現場に持ってこずに本拠に隠していた切り札を、本拠に隠していたが故に奪われてしまうのは一ひねりといえますが、充瑠とガルザこそ拾わなかったものの、クランチュラさんが本当にクライマックスのキーキャラに(笑)
 「ヨドン皇帝に逆らって、生き延びられた者はいない…………これまではな。だが、おまえらなら、新しい歴史を作れるかもしれない」
 ジョーキーに同乗していたクランチュラは、すっかり爽やかな笑みを浮かべるとイリュージョンストーンを充瑠へと渡し、なんだか、クランチュラの侵略行為まで全て「ヨドン皇帝が悪い」になっている気がしますが、ここは友――ガルザ――の想いを受け継いだのだと、好意的拡大解釈を発動しようと思います!
 背後では盛大な自爆を遂げたヨドン皇帝の再生が進み、託された想いを胸に、並び立つ6人の戦士たち。
 「充瑠が戻って、こっちは力も夢も勇気もでっかくなってんだ!」
 トドメとばかりに山川啓介イズムが注入され、荒川さんも好きそうですが鈴村さんも好きそうなので、どちら主導だったのか(笑)
 「作ってやろうぜ。新しい歴史!」
 この台詞に合わせて主題歌イントロが流れ出すのが、通常OPが無かった事も効果的になって大変素晴らしく、シリーズ過去作品へのオマージュをそこかしこに散りばめてきた今作が、最終的なテーマとして「継承そして新たな創造」を掲げた瞬間が、非常に劇的になってグッと来ました(メタ的には、シリーズの現状へのエールも感じるところではあり)。


――キラキラ輝く為に 僕らは巡り会ったと思うから――

 「これが本当に! 最後の決戦だ!! みんな、行こう!!」

――傷つき 磨き上げる 魔進戦隊キラメイジャー――

 「「「「「「キラメイチェンジ!!」」」」」」
 ……6人が一斉に変身する背後(長官ポジション)に、どうして博多南さんでも姫様でもオラディンでさえもなく、クランチュラさんが立っていますか(笑)
 変身した6人を左から右に映していき……だからどうして、背後に一緒にクランチュラさんが立っていますか(笑)
 再び揃った6人の前に、再生したヨドン皇帝がその巨体を見せて、つづく。
 もはやキラメイジャーの一員扱いの画で、あまりにも愛されすぎなクランチュラさんですが、次回冒頭でいきなり、
 「この裏切り者がぁ!!(ヨドミウムビーム!)」
 「ぐぁぁっ!」
 「クランチュラ?!」
 「……じゅ、充瑠……気にすんな。私は満足だ。一緒に描いた絵……楽しかったな……みんなが、自由に楽しく物を作れる世界を……(がくっ)」
 「クランチュラぁぁ!!」
 とかでも良いような気はしてきました(笑)
 クランチュラさん贔屓の私でも、さすがにこのままお咎め無しはどうかと思うわけなのですが、生き残るとしたら、わかりやすい贖罪の形&ガルザとの友情からは、クリスタリアの復興に手を貸す、というのはありそうでしょうか。……この場合、国民感情の問題は出ますが(姫様がクランチュラを許せるかはまた別問題ですし)、それを避けるなら、博多南さんの下、カラットで働く、というのもありそうかな、と。
 博多南さんならば、クランチュラの持つ“魔”の部分を巧く消化して、人の役に立つ創作物へと誘導してくれそうな懐の広さはありますし。少なくとも、性格は凄く合いそう(笑)
 後はいっそ、気がつくと姿を消していて、全く反省しないまま流離いの発明の旅路へ、とまで突き抜ければ、それはそれでアリですが、果たしてどうなりますか。
 前回の感想で書いた通り、オラディン×ガルザの要素に関しては、楽にまとめてしまった感が強く、作品の総合点を大きく落とす事になりましたが、姫様の3回転半ジャンプ、ガルザのプラスアルファ、劇中要素の使い切り、ここまでの積み重ねを活かした上で劇的に打ち出された物語のコア、そのテーマが好み、とラスト1話前としては満足のいく盛り上がりと内容でした。
 皇帝との決着は、イリュージョンは何でもありとして、デストラが未使用なのが如何にも切り札になりそうですし、後はひらめキング問題に一定の筋が通れば逆転サヨナラホームランになりそうですが、そこまでは正直あまり期待せず、同点タイムリーからの綺麗な着地が見られれば……といったぐらいの気持ちです(残る地雷は、復興問題とオラディンの扱いでしょうか)。
 コロナ下での様々なスケジュール調整、劇場版の予定変更など、制作サイドは苦心続きの今作であったと思いますが、ラスト2話を山口監督で締められたのは、本当に良かったなと。
 次回――最終回!