東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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00年代戦隊私的ランキング

2000年代戦隊コンプリート記念

 を、『ハリケンジャー』見終わった後に書こうと思っていたのですが、いつの間にか年末になっていたという、いつものパターン。……そんなわけで、『忍風戦隊ハリケンジャー』を完走した事で00年代戦隊をコンプリートした記念に、個人的な00年代戦隊ランキングを並べてみました。
 なおこのランキングは、その時の気分によって多少の変動をする可能性があります。
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1位 『炎神戦隊ゴーオンジャー

2位 『轟轟戦隊ボウケンジャー

3位 『侍戦隊シンケンジャー

4位 『特捜戦隊デカレンジャー

5位 『未来戦隊タイムレンジャー

6位 『獣拳戦隊ゲキレンジャー

7位 『忍風戦隊ハリケンジャー

8位 『爆竜戦隊アバレンジャー

9位 『魔法戦隊マジレンジャー

10位 『百獣戦隊ガオレンジャー
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 00年代、とはいうものの、シリーズ10年史の区切りとしては『タイム』~『シンケン』よりも、『ガオ』~『ゴセイ』の方がしっくり来るのですが(90年代も『ファイブ』で区切るより、『ジェット』~『タイム』の方が、それっぽかったり)、ここに『ゴセイ』を加えるなら、『アバレ』の前後ぐらいでしょうか(ゴセイナイトポイントがどのぐらい入るかで前後します)。
 順位の数字は便宜上のものとして、1-2は抜けていて、3-5までが上位グループ、6-8は好きなところも割とあるが総合的にはややマイナス、9-10は作風の完全に合わなかった作品、といったところ。

 『ゴーオン』はとにかく非常に好きな作品で、気持ちのいいヒーローたち・魅力的な悪役・山場の盛り上げ・メカへのスポット・痒いところに手の届く構成、と全てがハイレベルに収まっており、特に『ガオ』・『アバレ』でやりきれなかった「キャラとメカの相棒関係」に焦点を当てて“燃える”展開ときちっと結びつけてくれたのは、00年代戦隊の一つの集大成として、お見事でした。
 また、秀逸な怪人デザインに愛嬌と脅威を併せ持った悪の組織・単発エピソードのバラエティ性、と元型的な“戦隊の魅力”を押し出した上で、炎神との関係性という切り口、ヒーロー論を各所に散りばめるなど00年代作品らしいアップデートも忘れられておらず、スーパー戦隊》としての完成度の高さが、大のお気に入りです。
 テーマ性やキャラの好みでいえば『ボウケン』の方が突き刺さるのですが、この、“戦隊としての出来の良さ”が、『ゴーオン』の非常に評価しているところ。
 その『ボウケン』は、ヒーローと悪の表裏一体性・絆に関する美しい誤解・本音と建前を並立させる大人の戦隊、といった要素を敢えて表に出していく、少々露悪的なストロングスタイルでシリーズにおいても一風変わった作品となりましたが、ギミックの使い切り、という点では00年代屈指の出来であり、通して描かれる「過去への敬意と未来への継承」というテーマも大好き。敵味方のキャラクターの濃さなども合わせて、今作としての面白さのみならず『ゴーカイ』の雛形としても大きな作品であったな、と改めて。
 『シンケン』は何度か書いていますが、1クール目と4クール目は凄く好きなんですが、2・3クール目の出来が落ちるのが、総合評価のやや下がるところ。『デカ』『タイム』とは大体ひとまとまりの差が無い好き度ですが、『タイム』は見たのが一番古いので、改めてみるとまた、評価が変わる作品かもしれません。
 『ゲキレン』は正直、話の構成や設計面では非常にマイナスが大きいのですが、最終盤の理央様周りのやり切り具合は大変好きで、下位グループの中では、一番思い入れポイントが強いという事で。
 『ハリケン』もやはり中盤の構成に難を感じるものの、“気持ちのいい連中の物語”として駆け抜けてくれて、長年食わず嫌いしていたのは勿体なかったな、と思える作品でした。
 『アバレ』は好きなポイントはそこそこあるのですが、終盤に行くにつれて物語がまとまらなかった印象が強く、淡々と低評価。爆竜のキャラ付けが上手く行かなかったとか、当時の試行錯誤が噛み合わなかった部分も大きいですが、『ガオ』『ハリケン』『アバレ』は、新たな商業展開・追加戦士の定番化、といった00年代戦隊を象徴していく要素と取っ組み合い土台を固めた3部作、と捉えてみたいところはあります。
 『マジ』『ガオ』は明確に肌に合わなかった作品ですが……理由を考えてみると、“狭い範囲で価値観が固まったままの物語”には苦手傾向がありまして(より近年の作品だと『ニンニンジャー』とか)、それが大きいかな、と。
 職業戦隊だと、それが当たり前(ただしそれは多くの場合“公”と繋がっているのでクローズドな主義主張にはなりにくい)なので構造としてクッションが働くのですが、非職業戦隊でその辺りの押し出しが強いと、引っかかる部分が増える模様。
 基本的にチームヒーローとして戦隊が陥りがちな罠ではあるのですが……そういえば『ハリケン』にはあまりカルト要素を感じなかったなと考えてみると、まがりなりにも“表の顔”として外部で仕事をしていた事が、価値観の硬直化を防ぐ効果を発揮していたのかもしれません。あまり仕事面が掘り下げられなかった鷹介はともかく、吼太は昔からの夢で、七海はアイドルとしての喜びを見つけた事が劇中で語られますし(と思うと、改めて荒川アイドル回の意味の大きさ)。
 秘密の忍者学校の生徒がヒーローにという如何にもカルト化しそうな設定ながら、“対立する二流派”の形を取った事で信念が信仰になってしまう事も防がれて、『ハリケン』はこの辺りが割と上手く回っていたのだな、と。そういう点では、御前様と宇宙統一忍者流の登場で若干雲行きが怪しくなっていたのですが(私がその辺りの展開に不満のある一因は多分これ)、そこで強引にメンバーの価値観の一本化を図られなかったのは、『ハリケン』の良いところでありました。
 ちなみに『シンケン』は、恐らく意図的にこのカルト構造を大枠に据えた上で(ただしメンバー間の意識の相違は立ち上がりからわかりやすく織り交ぜる)、その“閉じた世界”との対面を描いていて、戦隊構造の抱える危うさについて自覚的に切り込んだ作品なのであろうな、と。
 そんなわけで、
 「まあまあ、そう簡単に言いなさんなって。おまえの親父は実は、タコ焼きの名人だった。そしておまえも、タコ焼きの星になる宿命なんだ! て、いきなり言われたら、おまえだって困るだろ?」 (久津ケン/『獣拳戦隊ゲキレンジャー』)
 が好き、という事は定期的に主張しておきたいです(笑)
 まあ、これに対する劇中の反応は「はぁ?」とか「なに言ってんだ?」だったのですが!

 なんとなく、気分と思いつきをまとめておこう、みたいな企画だったので特にオチが無いのですが、とりあえず年内に、『ゴーカイ』と『ライブマン』の総括はまとめたいです、ハイ。