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狼、ぶつかる

牙狼GARO>』感想・第7-8話

◆第7話「銀牙」◆ (監督:雨宮慶太 脚本:梶研吾雨宮慶太
 鋼牙がホラーの返り血を浴びたカオルの浄化を考えている事が仄めかされる一方、零はホラーを生み出すゲートになりそうな箇所に先回りしては陰の気を破壊して回る挑発行動を繰り返すと、大量の糖分でエネルギーを補給し、可愛げをアピール。
 本日はメイド姿でバイト中のカオルを狩る為に刃を向ける零だが、そこに颯爽とヒーロー登場を決める鋼牙! は素顔に格好良かったです。……ひたすら無言なのが困った人ですが。
 零は剣を収めて一時撤収し、改めてアジトに乗り込んできた鋼牙に対し、零の口から、ホラーの返り血を浴びて100日経った者に訪れる、残酷な死の末路が語られる。
 「そいつを知っていながらなぜ楽にしてやらない。魔界騎士失格だぜ」
 「もう一度言う。貴様には関係の無い事だ」
 徹底して、説明しない主義を貫く鋼牙だが、「父子揃って碌なくたばり方できねぇぞ」の挑発を受けると殴り合いに発展し、クールと呼んで欲しいお年頃ですが、基本的に沸点は低めです。
 「先に剣を抜くとはな。掟の一線を越える気か?」
 「魔界騎士の血は、この俺で途絶えていい!」
 刃をぶつける二人の獣だが、そこへホラーが出現し、立体駐車場での蹴落としバトルはかなりの迫力。どつき合いながらホラーとも戦う二人は、飛行能力を持ったホラーに高空から突き落とされそうになった所で、鎧を装着。鋼牙の黄金の騎士ガロに続き、零は銀色の騎士ゼロとなり、金狼と銀狼はクロス攻撃でホラーを成敗。
 鋼牙と零の直接対決という事で出番無しかと思われたホラーですが、しっかり出てきて倒される事で、両者ともに本業そっちのけにならなかったのはヒーロー物として良かったです。
 「どうする? あと90秒遊べるぜ」
 砂時計は装着可能時間99.9秒を示す事が明確となり、両者は高層ビルを駆け下りながらの高速バトルを展開。ビルの壁と窓に多大な被害を出しながら(ギルドが密かに弁済して、鋼牙のお給料から天引きされるのか……?)の激しいバトルは僅かに鋼牙優勢のまま両者装着限界でタイムアップ。
 傷だらけの鋼牙は屋敷に戻るとカオルの無事を確認して視聴者を悶えさせ、敗北の屈辱に吠える零、でつづく。
 ……鋼牙は段々、クレナイ・ガイさんとか左翔太郎さんと鼎談させたい感じになって参りました。
 「見えない所で輝いてる光もある。ヒーローなんてのはそんなもんなんだよ」
 「おまえ……形から入るタイプだろ? そういう奴はな、挫折したら細波海岸だ。俺も昔よくここに来た」
 果たして鋼牙は、この後で海岸に行ってしまう事があるのかないのか! 今後の展開を期待したいと思います。

◆第8話「指輪」◆ (監督:金田龍 脚本:梶研吾小林雄次
 冷蔵庫に人間の指を集める女という直球のサイコサスペンスで始まり、視聴者への説明とはいえ、ニュースで、猟奇殺人事件における犯人特定に繋がる詳細を語るのはどうかと思いますが、龍崎先生は、TVにも呼ばれるサイコセラピストと判明。
 服も、ちゃんと、着てた!
 幸せだった男女の悲劇が断片的に描かれ、女の恋人役で、北岡先生に続いて吾郎ちゃんが出演。
 電車に飛び込んで自殺した恋人の指が目の前に転がってきた事が、女の精神を狂わせた、というのはかなり強烈な映像で、ピアニストだった恋人の自暴自棄の末の死に囚われ、美しくしなやかなピアニストの指を集め続ける女は、その妄執からホラーに憑依される……。
 好みからすると演出の間……というかゲスト女優さんのアップというかが長すぎますが、いざ女優さんが口を開いたら物凄く喋り慣れていなかったので、顔で間を持たせていたのはそういう事情もあったのでしょうか……。
 「俺の苦手な女のホラーか」
 新たなホラーの出現にギルドから指令を受け取った鋼牙は、椅子にどかっと座りながら何故か自慢げで、積極的に残念ポイントを稼ぐようになってきて、いい感じに暖まってきましたね!
 基本、使命感も精神力も強く感情を面に出さない鉄面皮ヒーローで崩しの少ない鋼牙に、きちっと視聴者の突っ込みどころを作って愛嬌を少しずつ付けていくのは、今作の手抜かりの無いところ。
 一方、本日もホラーほいほいの役目を果たすカオルだが、そこに現れたのは涼邑零。
 「お姉さん、クリームソーダ一つ」
 そして……
 「……おい、あの女」
 「……どうした?」
 「ホラーとご一緒だ」
 「……またか」
 もともと鋼牙さん、そういう名目で泳がせている事になっているんですけどね!
 カオルを挟み、対峙する零とバーテンホラーの緊張感が高まる現場に、鋼牙が到着。
 「王子様のお出ましか」
 鋼牙はMPを3ぐらい削られた!
 「……彼女、あんまり悲しませると気の毒だよ。短い命なんだからさ」
 カオルを狙うのは辞めた、と宣言した零は鋼牙にカオルを押しつけて姿を消し、鉄面王子様はバーテンホラーと激突。短距離転移した両手を自在に操るリモコンハンドに翻弄される鋼牙だが、なんとか反撃の糸口を掴むと、バーテンホラーの変貌した氷炎ホラーに対して、鎧を装着。
 「時を封じ込める貴様の因果、俺が解き放つ!」
 ピアノのメロディが響く中、バーニングライタークロスが炸裂し、リモコンハンドの表現に、鋼牙の台詞も決まって格好いいバトルでした。
 「ねえ、ひょっとして、あの日の事が甦ってるの?」
 その戦いを見つめるだけだった零に相棒の首飾り(CV:折笠愛)が問いかけ、相棒にベテラン声優を配置して、お母さんというかお姉さんというかの関係性が零のキャラクターと非常にマッチ。ただただ突っかかってくるだけではなく、鋼牙とカオルに対して一度間合いを取り直した零の過去が仄めかされて奥行きが生まれ、手抜かりの無いキャラクターの見せ方で、つづく。