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宇宙の青いエメラルド

ウルトラマンG』感想・第9話

◆第9話「バイオス計画-植物都市-(the biospherians)」◆
 生物工学の殿堂サザン大学で行われているバイオ都市計画に疑念を抱いたユーマは、謎めいた巨大植物が、異常な量の酸素を生成・放出している事に気付く。
 「酸素が15%増せば、全ての有機体は自然発火する」
 もしこのまま巨大植物が繁殖を続けたら、現在の地球の生態系は、根本から壊滅しかねない……大学の実験園に飛び込んだユーマが眼にしたのは、宇宙植物×コンピューター!
 が、レトロフューチャー感溢れていて(放映当時はそういう意図では無かったかもですが)、今作ここまでのアイデアでは最高にツボ(笑)
 ……というか、これぞまさしくバイオコンピューター?
 ……まあ、地球環境の再生の為に人類を絶滅させようとする環境テロリスト植物が、人類文明の産物と融合するのはどうなのか、というのはありますが(笑)
 宇宙植物に騙されていた事を悟った教授(隊長と旧知だったらしい描写)がコンピューターと相討ちとなるが、実験園を吹き飛ばして、巨大植物怪獣が出現。
 暴れ狂う植物ゴンだが、バッハの旋律を聴かせる事で大人しくさせる事に成功し……おい、宇宙植物。
 音楽を聴かせると果物や花の生育が~……という話から来ているのでしょうが(科学的に実証されているのかどうかは知りませんが)、宇宙植物としてのプライドは無いのか。
 人類文明に屈しかける宇宙植物――そういう意味では、星の環境を破壊する人類が、宇宙植物をも魅了する「文化」を作り出す二面性を描いているとも取れますが、最後まで音楽が効果を発揮するわけではないので、プラスすぎる解釈になるような――だが、調子に乗っていたチャーリー機が捕まり、音楽がストップ。
 ジャックはグレートに変身してチャーリーを救出すると、闘争・勝利・根絶、が合言葉! 戦闘民族ウルトラ人の文化を叩き込んでやる、と肉弾戦に持ち込むが、植物ゴンの往復ビンタを食らって苦境に。反撃の正拳突きを叩き込むも逆に感電させられて倒れてしまうが、今回もカウント9で立ち上がると華麗なスナップを利かせたウルトラ指パッチンの連打により怪獣を葬り去り……一見では取り留めの無い光線技は割とシリーズの特徴な気はしますが、今回は何をどうしてこんなモーションになったのか(笑)
 人類絶滅を目論む植物コンピューター、が好き方面のネタだったのに加えて、隊長不在をいい事に、一度やってみたかったんだとニヤニヤしながら隊長の椅子に陣取るも、いざとなると人命のかかった判断を次々と下さなければならないプレッシャーに視線が泳ぎがちになるロイドの姿も面白く、そんなロイドの思考を見透かして、事件の解決後に隊長が「机に足を乗せるな」と見ているように指摘するオチも洒落が効いていて、なかなか秀逸回でした(毎度ながらの『グレート』作劇なので、教授が宇宙植物に騙されていたと気付く理由がごっそり落丁しているとかはありましたが)。