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石そして石

超獣戦隊ライブマン』感想・第39-40話

◆第39話「守れ!宇宙の一粒の命」◆ (監督:東條昭平 脚本:藤井邦夫)
 寿命を迎えて崩壊した宇宙一固い星・ドーハ星の欠片を手に入れた宇宙コンビは、その隕石から頭脳獣インセキヅノーを作成し、当たり前のようにコンビ扱い。……まあ、ギルドス回とブッチー回が分けられて、ケンプやマゼンダが圧迫されるよりは全然いいのですが。
 そういえばケンプは、恐獣化後ずっとあのままだったどうしよう、とちょっと心配していたのですが、普段はこれまで同様の人間体でホッとしました(笑)
 パトロール中にUFOと出くわし、そこから降り立った少々円谷チックな外見の宇宙人を追っていた丈は、宇宙コンビと偶然出会い、隕石ヅノーの攻撃を受ける事に。仲間達が合流するが、強大なマグマエネルギーを秘めた宇宙ヅノーにはライブラスターもライオンバズーカも通用せず、ライブマンは大ピンチ。
 そこへ先程の宇宙人が戻ってきて頭脳獣へ向けてUFOを繰り出すが、隕石ヅノーの攻撃を受けて大爆発。みんな揃って大爆発に巻き込まれて宙を舞い、川岸に倒れていた宇宙人を助けた丈は、その宇宙人こそが滅亡したドーハ星の住人だと知る。
 外見からは何とも言いがたく、声質としては“女性声優が少年の声で喋っている”感じで、宇宙人らしさとして敢えて性別を曖昧にする演出のようには思えるのですが、藤井脚本だけにやはり女性なのだろうかというのが、どうしても頭の片隅でちらついて離れません(笑)
 星の寿命を知ったドーハ星人は、ドーハ星が存在していた証を宇宙に残そうと“平和のシンボルの種”を隕石に埋め込んで宇宙各地へと発射し、ギルブチが頭脳獣の素材にしたのは、地球に落ちたその一つ。地球に根付く筈だったその種からのSOS信号をキャッチしてやってきたドーハ星人の為に、種を取り返そうとするライブマンは、頭脳獣の高熱に対抗する為の冷却作戦を思いつく。
 「強い者に利用されるのは、宇宙の掟だ!」
 「いいかギルドス、弱い者にも命があるんだ! その思い上がり、叩きのめしてやる!」
 どうしても『チェンジマン』がよぎる所はありますが、生けとし生きるものを尊重するライブマンと、他者の命を踏みにじる歪んだエリート主義であるボルト、今作における基本的な善悪の対立構造を宇宙規模に広げながら押さえ、藤井先生が手堅い仕事。
 作戦通りに冷却弾を用いたライブマンは、一点集中の連続攻撃を叩き込むが、頭脳獣は未だ健在。再び追い詰められるライブマンだが、隕石ヅノーの内部に種が健在である事を感知したドーハ星人は捨て身の光線技で生命エネルギーを種へと送り込み、内部からのダメージによりその装甲に傷を付ける事に成功する。
 「ドーハ星の、平和のシンボルを地球に……根付かせ、て……」
 ドーハ星人はライオンに後を託して消滅し、ライブマンが隕石ヅノー腹の傷にバイモーションバスターを叩き込み、これを撃破。巨大戦ではライブボクサーがパンチとキックのラッシュから一気に必殺ミラクルパンチを打ち込み、強敵を打ち破るのであった。
 頭脳獣の残骸の中に平和のシンボルの種を発見した5人はそれを地中に埋め……どうも植物系の話は、一種の侵略行為なのではが気になって素直に楽しめないのですが、その芽吹きが描かれて、つづく。

◆第40話「恋!?めぐみと宝石泥棒」◆ (監督:東條昭平 脚本:井上敏樹
 ちょっと間抜けな金庫泥棒・史郎の逃亡劇に巻き込まれためぐみは、墜落したゴズマ戦闘機を発見。そこで拾った赤い宝石を手にマゼンダから逃げた史郎が宝石を磨くと、なんとランプの魔神ならぬスペースヅノーが宝石から実体化。
 命令を、としつこく迫られた史郎は「宝石! 宝石を山ほど持ってこい!」と口走ってしまい、勿論、力技で命令を実行する頭脳獣を手足に強盗を繰り返していく事に……。
 「ようやく必殺の頭脳獣を完成させたのですが……」
 「せっかくの自信作も、人間達に奪われてしまっては、仕方があるまい? はっはっはっははは」
 「俺たちを出し抜こうとして、墓穴を掘ったってわけか」
 「おまえ達にマゼンダを笑う資格はない」
 先生に怒られた。
 「マゼンダ、おまえのライブマンに対する情熱や見事。見てみたいものだな……その頭脳獣の力とやらを」
 本日も声と仕草が超格好いいビアス様ですが、どこかで聞き覚えのある言い回しだな、と思ったら、あれか、サメの人か(笑)
 一方、宝石を手にしたまま姿を消した史郎がマゼンダに狙われるに違いない、と探し回るめぐみ達だが、見つけだした史郎にスペースヅノーをけしかけられ、キャプチャービームを受けた勇介と丈が、頭脳獣の体内に呑み込まれてしまう急転直下の大ピンチ!
 自分が育った孤児院の為に泥棒を繰り返していた史郎はめぐみの説得にも耳を貸さないが、子供を人質に取ったマゼンダが宝石を奪い返し、頭脳獣の主導権を回収。
 「お呼びでございますかご主人様。なんなりとお申し付けを。あなたの下僕でございます」
 頭脳獣のランプの魔神モチーフがどこから来たのか謎だったのですが、マゼンダの好きそうな性格設定とここで深く納得(笑)
 子供をかばっためぐみが危機に陥り、その姿に他人を信じる気持ちを取り戻した史郎は、めぐみを突き飛ばすと代わりにキャプチャーされていく途中、マゼンダに手を伸ばして一緒に引きずり込み、マゼンダ史上最大のピンチ(笑)
 めぐみと史郎の絡みはいまひとつ面白く感じなかったのですが、ゲストの手によって、勇介・丈・マゼンダが、立て続けに絶体絶命になるのは、意表を突かれました(笑)
 マゼンダは内部から頭脳獣に命令して体内空間を脱出し、それに続いた男3人も脱出に成功。全員揃ってライブマンすると、キャプチャービームを反射、集中攻撃からトリプルバズーカを挟んで、バイモーションバスターだ!
 巨大戦では、溶解泡を受けたライブロボが、シールドを使用。ボクサーを召喚してスーパーライブディメンションし、飛びかかってきた頭脳獣に容赦なくカウンターのアニマルバーストを浴びせ、瞬殺するのであった。
 ラストは、史郎を含めて孤児院の子供達と和気藹々、懲りずに口説いてくる史郎に、めぐみさんの殺人バレーアタックが炸裂して、つづく。
 明らかに犯罪者である史郎ですが、ライブマン自体が法治とは相性の悪いヒーローなので、その辺りはあまり踏み込まず。
 前回配信分が強烈だったのもあり、一息入れた、といった印象の2本でしたが、かたや「交流と別離、ちょっぴりメルヘン」、かたや「キザだがどこか抜けた泥棒」と、両脚本家が好きな要素を入れてきて、特徴の出た2本でした。
 次回――この際どい一刀が果たしてどう転がるか……尾村豪、フェニックス!