東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
旧ダイアリー保管用→ 〔ものかきの倉庫〕
特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)
HP→〔ものかきの荒野〕   Twitter→〔Twitter/gms02〕

光の国の平常運行

ウルトラマンG』感想・第2-3話

◆第2話「凍てついた龍(the hibernator)」◆
 ナレーション「地球の危機だ。ゴーデスの細胞が大気圏上空に広がり――気象を変化させたのだ。ゆっくりと地球は温暖化する。北極と南極の氷は溶け落ち、太古の秘密がベールを脱ぐ」
 現実の環境問題と絡めつつ、ゴーデス細胞の地球環境への影響と、それによる新たな怪獣出現の可能性を示し……そもそもこの状況を招いたのは、ゴーデスの強大さゆえなのか、或いは、グレートさんの大やらかしなのか(なんか気持ち良く爆散させていたし……)。
 ジャックがユーマメンバーの前に姿を見せ、火星からどうやって地球に戻ったかは記憶に無いと主張。ユーマメンバーがわかりやすいく定番的な造形と配置になっている&初登場が宇宙服姿だった為に、第1話では一番キャラが薄くて物語を引っ張る力が弱い面があったのですが、ようやく主人公らしい感じでフォーカス。
 「奴らは人類を滅ぼす気です」
 ゴーデス細胞は生物の遺伝子どころか大気の分子にまで影響を与え、地球環境を都合のいいように変質させるつもりだとジャックは指摘し、ゴーデス細胞についてや、火星での戦いの映像など、情報の共有ラインが確認されて、だいぶスッキリ。
 ジャック(ウルトラマン)、ユーマ、情報部……地球を襲う異変を巡り様々な思惑が交錯する中、謎の男の暗躍により氷漬けで仮死状態だった古代の恐竜が目覚め、ゴーデス細胞の影響により、氷のブレスを吐き回って大暴れ。
 第1話でのジャックの指摘通り、夜になると怪獣は活動を停止し、火星で何があったかはよくわからないけど僕はゴーデス細胞に詳しいんだ、と現場に出没しては好きな勝手なコメントを残して去って行く、現状120%胡散臭いジャックは、バイクで走りながら、グレートさんと交信。
 「僕は弱虫扱いだぜ」
 「我々には使命がある」
 「それは君の使命だろ」
 「我が一族はゴーデスと戦うか宇宙を去るか、しかなかった」
 「戦う前に、人間でいたい」
 「いつもは人間だろ」
 「人間より、あの恐竜を身近に感じる時がある」
 「uh...」
 おい(笑)
 グレートさんへの不信感が急上昇する中、グレートの宿主としてのジャックが「ウルトラ細胞に寄生されているようなものかもしれない」と取れるような発言をこぼすのは、面白いニュアンス。
 夜が明けて、ジャックはユーマ戦闘機をジャックすると怪獣を引きつけて飛び回るが、炎上する化学工場を目にして同僚を失ったトラウマに襲われると操縦を誤り、グレートさんに変身。
 四つ足の首長怪獣との戦闘はなかなか面白く、頭突きを食らって思い切り吹き飛ぶグレートの図は迫力満点。
 有毒ガスタンクの破壊を阻止しようとするグレートは、冷凍ガスを吹き付けられるとそれを反射してギガサウルスを再び凍らせる事に成功し、なんとなく、ゴーデス細胞に操られているだけの地球の生き物は殺さない路線で、つづく。
 ジャックへのフォーカス、各種情報の共有、怪獣の造形の面白さ、と第1話に比べると話に入りやすく、ぐっと面白かったです。
 一方で、字幕の文字数制限もあってか全体的に台詞が切り詰められており断片的な会話が多い為、かなり話の行間を読まないといけないのですが、文化・文脈の違いで感情表現が把握しづらく、例えば、「含みを持った言い回し」なのか「ストレートに厭味」なのか「ただの軽口」なのか、判断が付きにくいのが、なかなか厄介(その分、ナレーションさんは立て板に水の勢いでガンガン説明してくるのですが)。

◆第3話「魅入られた少年(the cild's dream)」◆
 ペットのトカゲを建設現場で失ってしまった少年が拾った、怪しげな緑の結晶体。キムは知己である少年を気遣い、ゴーデスの気配を感じたジャックも少年を励ますが、結晶体を通してゴーデスに操られた少年により、トカゲムササビ怪獣が出現して街を焼き払う……!
 ナレーションが大変ざくざくと状況を説明していく一方、詰め込んだ諸々の要素が軒並み飛び飛びに展開して30分ぐらいカットされていないかという勢いで目まぐるしく話が進み、一人だけ超訳知りのジャックに皆が振り回されている感が加速して視聴者を困惑させるが、ユーマメンバーは個々人でなんとなく納得して整理をつけてしまう、(まだ3話ですが)ここまでの『グレート』の悪いところを煮出したようなエピソード。
 グレートが怪獣の光線攻撃を、素手でがしがし弾く映像は格好良かったですが。
 ゴーデス細胞に取り込まれた少年は、キムの説得とジャックの説得のどちらが心に響いたのか、そもそも両者の説得の発揮する効果にこれといって裏付けのないままゴーデスの邪念に打ち克ち、グレートは怪獣の火炎を吸い込んで逆に投げつける事で怪獣をゴーデスの支配から解放し、空を自由に飛び回るトカゲムササビの背には、少年の姿が……。
 少年を友人として救おうとしていた筈のキムが「不思議な子だったわ」と過去形で語り、怪獣と少年が空の彼方に消え去るのをなんか感動的に見送って終わったのですが、えええ……。