東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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夏が暑くてひとやすみ

 本日レスのみ。とりあえずなんとか、自分が『ゼロワン』という作品をどう捉えていたのか、を言語化できたので、ある程度スッキリ。ここ数話、感想がまるで組み立てられずにだいぶ困っていたのですが、生きている物語を分解するのと、死んだ物語を解体するのとでは、それは勝手が違うわけだなと。

真犯人は誰か

◆Kentさん
 >ライブマンの初期3人と追加2人の関係があまり良好でなかった、という話は長年特撮ファンの中で言われ続けてるんですが、
 >自分が調べようとしても「インタビューで言ってた」くらいのなんたら知恵袋の回答レベルしか見当たらず

 >ここで聞くのも変な話ですが、どなたかソースたる書籍や番組をご存知の方がいらっしゃれば是非教えて頂きたいと思っております。
私自身は、周辺情報や資料に無頓着なタチなのでさっぱりですが、30年経っているだけに、確かになかなか厄介そうですね……。

◆chi-chanさん
 >多分この世界はデイブレイクの時点でそれに向き合わなきゃいけなかったのに、それをせずにひたすら「事故だった」
 >「アークのせいだった」と目を背けて来たんじゃないでしょうかね…。
そこで問題になるのが「デイブレイクの真相隠蔽に荷担していた」「アーク復活の可能性を把握しながらヒューマギア事業を拡大していた」のは誰か、という事になりまして……己の夢を信じるあまりに世界の在り方を歪めてしまった人が既に居るんですよね……。
 >これは深読みですけど、これってコロナウィルスの暗示じゃないかなと思ってしまうのですが。
社会問題とのリンクを見るならば、個人的には「原発原子力)」かなと思うのですが、どちらにせよそれをやるには、その影響下にある「社会」の変化を描いていないと成立しないので、宙ぶらりんかなと。
 >という選択肢は「今あるヒューマギアの存在を否定するの?」となって出来なかったでしょうし
結局そこで、アルトは最後まで「社長」を出来ないんですよね……これが「会社」とか「社長」がテーマでなければそこまで気にしないのですが、社会的道義心0で自分の“夢”だけを尊ぶ大企業の社長は「ヤバい奴」で、それを「ヒーロー」に転化しきれなかったというのが個人的な印象です(「ヒーロー」には「ヤバい奴」成分が少なからず入っているものですが、その配分の失敗といいいましょうか)。
 >「善悪も世界も他の連中の思惑もどうでもいい!とにかくこいつを倒さなきゃ納得出来ねえんだ!」なノリに見えるのですが。
ああ、その解釈は成る程です(笑) ややこしい要素を事前に片付けて、最後にそこにカタルシスが集中する作りにしたら、別の面白さがあったかもですね。
 >個人的には不破・唯阿コンビで或人も滅も倒すとか
考えてみると、この2人最後の見せ場は、打倒サウザーなんですよね……。
 >それゆえに他ライダーズの活躍する隙間もなくなってしまったというのはヒーローアクションとしてどうなんでしょうか…。
以前にアーク細胞が不破の体を通過した描写があったので、恐らく、不破アーク化のルートも想定していたのかなと思われるのですが、その場合は最終決戦はアルトvs不破だったのかもですね。そうするともう少し、他のライダーの絡めようもあったのかな、と。
 >「手厳しい対応をするとそれはそれで日曜日の朝に相応しくなくなるのでは?」と言うブレーキだったのではないかと。
今作において「シビアにやりすぎると話が回らなくなってしまう」はまさにその通りだと思うのですが、逆に言うと、「話が回らなくなる要素をどうして設計図に入れたのか」という話になるわけで……そこで話を転がす為の方法を何か考えているのだろうなーと思っていたら、なんか、何も考えていなかったみたいだぞ、というのが非常に残念だったところです。
 >飛電がロボ関連を独占しているので、責任を取れない事に不満を感じるのはまあ分かりますが。
開始当初は、自らライダーとなって暴走ギアを止める事でヒーロー的に「責任」を取っていたのですが、途中からそれが消えてなくなるんですよね……自分がよかれと思う夢の為には現在進行形の被害を意に介さない、というのがまさに、飛電の血、とすると筋が通るといえば通るんですが(本当にアルトが乗り越えるべきものは、そこだったのではないかな、と)。
 >やっぱりこれほど作中で効果のあるアイちゃんを或人にぶつけるという発想を他の人が出来ないのが問題な様な(笑)。
やったが最後、普通に解決してしまいそうなのが……(笑)
 >実はシーズーことザッカルの演者さんは『ウルトラマンレオ』終盤の黒幕「ブラック指令」役の大林丈史さんでして。
成る程、そういうキャスティングだったのですね。
 >これはやはり「素顔が不明」で「御前様直属」という基礎設定が他の面子との協調を阻害していたのでしょうか。
「人間関係に一線を引く」キャラ造形なのに、発生するイベント自体は「一定以上の友好度を必要とする」ので、そのギャップを調整できなかった感じですよね。
 >着ぐるみ系戦士に関してもデカマスターやゴセイナイト等「元々人ではないから着ぐるみキャラで声優声」と理由をつけたのかと思います。
結果的に、素直な強キャラ表現もしやすくなって、この辺りはシュリケンジャーの教訓が活かされたのでしょうね。

◆中吉さん
 >不破さんだけは自身のヒーロー性を完全に見失わず、自分の道を進み続けてくれたのは、良かったというほどでもないですが、少しほっとしました。
復讐の先に何があるのか、を不破さんが問うのは、不破さんだからこそ、になって悪くなかったですね。「アルトの影響で不破さんが新たな夢を手に入れた」の時点で説得力が薄かったのが、色々と手遅れで残念でしたが……。
 >アイちゃんとの絡みも、他の人たちの例がご都合主義感しか感じないシーンだったのに比べると割と素直にほっこりできる良い使われかたでしたし。
結局、上書きされた記憶は伝聞でしか戻っていないのは、そうとう悲惨な扱いだったので、多少なりとも救済されたのは今作最後の良心だったみたいな事になりましたね。
 >急に一時的に魂の相棒みたいな扱いになった亡が見ていて全く感情が動かないキャラだったのとか色々残念ですが
脳内で同居していた仲、ではありますが、素晴らしく唐突でしたね……結局、亡はずっと持て余し気味で、滅亡迅雷はそれぞれデザイン(ルックス)が良いだけに、ふわふわした扱いが残念でした。
 >ゼロワンで好きなキャラを挙げろと言われたら不破さんと即答できるぐらいには不破さんは好きです。
今作の貴重なオアシスでしたねー。私も好きなキャラでした。

◆iwatakaoさん
 >某所でヒューマギアに対して「顧客が欲しかったのは虎の敷物や剥製なのであって、誰が生きた虎そのものを欲しいと言ったんだ」
 >という意見を見かけた時は上手い例えだなと思ってみたり
それは言い得て妙ですね(笑) しかも、「初めは剥製だったものが観賞している内にある日生きた虎になる」ので、ほぼホラーですよね……。
 >ヒューマギアの場合企業の製品でもあるので「そんな道具は破棄すりゃ良いじゃん」になってしまうんですよね
極端な話ヒューマギア、飛電先代が世界に仕掛けた、時限式の災厄みたいな感じですよね……。
 >「俺たちは道具じゃない!」と暴れるヒューマギアに対して少なくとも自分は「いや道具だよね...」としか言えないわけで...
結局、多少の無茶も飛躍も承知の上で「道具でないヒューマギアとの共存」を如何に視聴者に共感してもらうか(物語の中で説得力を持たせるか)が肝心要だったのに、そこを乗り越えるものを描き出せなかったのが、つくづく残念でしたね。