東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
旧ダイアリー保管用→ 〔ものかきの倉庫〕
特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)
HP→〔ものかきの荒野〕   Twitter→〔Twitter/gms02〕

日曜朝だョ全員集合!

『魔進戦隊キラメイジャー』感想・第14話

◆エピソード14「孤高のエース」◆ (監督:加藤弘之 脚本:下亜友美)
 OP映像に、凄くさらっと宝路/シルバー、追加。
 ナレーション後イントロの
 ちゃ・ら・ら・ら・ら・じゃーん♪
 のリズムに合わせて頭部のアップが映るシーンがあまりに綺麗にはまって変な感動が生まれ、思わず、レコーダーに残っていた前回のOPと比較してしまいました(笑)
 これまで、一人ずつカメラを覗き込むようにしていたシーンを二人セットにしたアイデアも面白く、充瑠&為朝(仲良し)・瀬奈&小夜(女性コンビ)・無鈴&宝路(兄弟)、の間に人数の都合で挟まった時雨&マブシーナ(??)はちょっと謎ですが、アニキがこれから、姫様の前でスーパー格好つけてくれるのでしょうか?! 期待するよアニキ?!
 そういえば、アニキとにぃにが少し被っており、宝路はもう、にぃにで良い気がしてきましたが、プレスリー世代というには若い気がするにぃにの、プレスリー通り越してドリフ入っている感じの私服……私服? は絶妙(笑)
 変身後のダッシュシーンは6人で撮り下ろしているのに変身前のダッシュシーンは5人そのままだな……と思ったら、後から魔進が加わるので、そのスペース確保の必要性があったと納得。そして、よくよく見ると、追走してくるドリジャンの上に、宝路、乗っていた(笑)
 全体的にドリルメカの足し方も凄く自然で、OP映像のマイナーチェンジとしては、歴代でもかなりよく出来ているのではないかと。
 本編入る前に、新旧OPを見比べながらメモ取っているだけで、15分ぐらい楽しめました!(笑)
 前回、小夜と協力して解いた謎を元に、宝路はドリルメカで改めて岩盤を掘り進み、環境破壊と遺跡荒しは冒険者の十八番!
 手帳に記された場所で新たなキラメイストーンを発掘する宝路だが、「俺が探しているのはキラメイストーンじゃない」と放置していこうとして、子犬のように宝路の背後を付きまとっていた充瑠が、それをゲット。
 宝路の背景においてモンストーンとの融合が描かれた事により、私の中で「充瑠の体内には既に何か入っている」説が日増しに真実味を増していくのですが……もしかして、宝路の求めている“お宝”は、充瑠の体内にあるのではと思いついて、大変不穏。
 シャイニーブレイカーーー!!(ゴア映像)
 「ふっふっふ、よくやったぞ宝路。おまえの体内で熟成されていたクリスタリア産のキングストーン、そして、充瑠くんの体内で熟成されていた地球産のキングストーン。二つのキングストーンの力により、今、私は創世王キラメイサンとなる!」
 「ぐ……父上……まさか俺を、ずっと騙していたのか?!」
 「我が息子よ、おまえのお陰で、私はクリスタリアに伝わるこの秘宝の制御方法を見つける事が出来た。実に有意義な30年だったよ……まさに、結果がオールライト!」
 「くっ……間に合わなかったか!」
 「叔父上?! では、まさか」
 「そうだ。私は兄オラディンの野望を知り、それに対抗する闇のキングストーンを手に入れる為に、敢えてクリスタリアを裏切り、ヨドンヘイムに潜入していたのだ」
 「おまえがあそこまでやるとは、さすがの私も油断していたぞガルザよ。だが、もう遅い。私は私の思うがままに、この世界を造り替える。手始めに、我が愛する弟には、意識を残したまま永遠に私のスリッパとして過ごしてもらうとしよう」
 「そうはさせないぞ!」
 「おまえは、熱田充瑠……死んだ筈では?!」
 「一度は死んだ! だけど、生き返った!」
 「……成る程、博多南だな。あの男、私の研究データを手に入れていたのか」
 「そうだ! 今の俺の中には、ファイヤーが居る! 夢の拳が叩いて砕く、生まれ変わった魔進の体、充瑠がやらずに誰がやる! 閃きライジング・キラメイファイヤー!!」
 ……一度どこかに書いておきたかった長い与太はさておきまして、ひたすら走り続けるだけのようで割と戦闘能力の高いSL邪面が出現。腕力でその爆走を止めてみせるシルバーだが、後輩諸君ごとまとめてドリル爆砕しようとした事で揉めている内に逃げられてしまい、今回、話の都合で対SL邪面において迂闊な対応が目立つのは、要所の緊張感を削いでしまったところ。
 「俺一人なら勝てたってのにな」
 「宝路、相変わらずだな。だが、おまえはそれでいい……そのままでいろ」
 戦いをモニターしていたガルザはほくそえみ、クリスタリア時代に宝路に「出来ない奴に付き合う必要は無い。おまえは、独りで全て出来る。その方がおまえは、輝く」と吹き込んでいた事が明かされるのですが、友人・部下・臣民とかではなく「愛する妹」を「出来る/出来ない」で判断するのはどうにも不自然で、ここまでクリスタリア国民が描かれていない事もネックとなり、どうも無理矢理になってしまいました。
 「誰かと一緒にやるなんて、効率悪いんだよな……俺は、一人でこそ、輝く男だしな」
 その影響もあってなのか、己が力のみを恃みとし、周囲と協調できないのが宝路の負の部分として描かれるのですが……ドリルメカは無鈴に造ってもらっているし、(人助けの弁解もあったとはいえ)小夜に手帳の謎も解いてもらっているしで、どうもちぐはぐ。
 SL邪面に付けられた煤を洗い流す為に充瑠と宝路がいい湯だなしている間に、SL邪面の行動を分析したメンバーはその移動経路が円を描くようになっている事に気付くが、その直後にルート上にあった銭湯が巻き込まれて大崩壊。
 スーパーフーロータイムを邪魔されて怒りの宝路は変身しようとするが、脱衣所に置いてあったチェンジャーが瓦礫の下に埋もれてしまい、行方不明。仕方なく残り5人が先行し、取り残された宝路は腰から下にタオルを巻いた姿で一人で瓦礫の除去を行う事になるが、キラメイジャーも石炭を追加したSL邪面の圧倒的パワーに大苦戦。
 「……何が輝くだ……俺は一人で、何をやっているんだ。今も……クリスタリアが、やられた時も」
 肝心な時にその場に居なかった事を後悔している様子が挟み込まれ、失意に膝をつく宝路の元に、ひらめキングした充瑠が戻ってくると、冒頭で入手した若いキラメイストーンをゴミ収集車に魔進化。
 内蔵したゴミの圧縮能力を持つ魔進ダストンへ充瑠は手にした瓦礫を次々と放り込んでいき、宝路の怪力表現と思われた瓦礫の除去を充瑠も軽々と行っているのですが、生身ヒーローのなんとなく肉体強化とは別次元に思え、やはりこのままでは、戦う為だけの戦闘生物になってしまうのでは……充瑠の土手っ腹にシャイニードリルが叩き込まれる日は近い。
 為朝の要請によりショベロー軍団も駆け付け、基本、困っている仲間を見捨てる性格とは思いませんが、協調性のなさに目上にも拘わらず「てめぇ」呼ばわりしていた相手に助け船を出すくだりが山も谷もなく描かれてしまい、あまりにもダイジェスト作劇(行動としての違和感はないが、過程をもう一つまみでも掘り下げて欲しかった部分)。
 「仲間ってのも、いいでしょ」
 一人では困難な事でも仲間と力を合わせればもっと出来る筈、と充瑠が宝路に微笑みかけ、宝路が後輩達と手を組む流れそのものは納得できるのですが、ガルザとの過去に繋げて昨日今日の人格形成ではない(そもそも50近い)事を強調した上での意識転換としては幾らなんでも駆け足。
 本来は前後編にしてホップ・ステップ・ジャンプを踏みたかったのが、都合により1話に圧縮した結果、垂直跳びしか出来なかった、ような印象です。
 ……まあ、独り半裸で大量の瓦礫と取っ組み合って変身アイテム(実質:服)を探している時に人情の機微に触れたらそれは人格も改造されましょうと見ると、シチュエーションは違いますが、それこそ『特捜戦隊デカレンジャー』第19話におけるホージーさんの扱いを思い出してしまうわけですが(笑)
 遂にチェンジャーが発見され、充瑠と宝路は瀬奈の派遣したハイヤーもといマッハに乗って仲間達と合流。
 「一人でいいと思っていたが……そうでもなかったぜ。……みんな、一緒に戦ってくれ! 例の、アレを、一緒にやらせてくれ」
 SL邪面を殴り飛ばした銀は後輩たちと共に戦う事を宣言して充瑠をリーダーと呼び、揃い踏みは流れで(自然な発露として)見せてほしかったというのが正直な気持ちですが、恐らく第3話を踏まえたのが(あの時は、第2話を踏まえる事でギャグになっていたわけですが)、不要な理由を付け加えてかえって様式美と盛り上がりを崩した感。
 6人フル名乗りから揃い踏みをし、注目されたシルバーは、何故か、一番手前でモデル座り(笑) レッドの横の空間は確かに埋まったけど、いったい、それはなんですかにぃに(笑)
 シルバーがSL邪面と取っ組み合っている間にレッドはダストンを呼び寄せ、内部で圧縮された瓦礫ゴミをボール代わりにして、明らかに『ゴレンジャー』オマージュだった怪人にキラメイハリケーンを叩き込み、煙突を使用不能に。これにより闇の魔法陣が完成させられなくなってしまうSL邪面だが、ガルザが現れると「頑張りに免じて」ジョーキーをレンタルし……うーん……番外編も込みとはいえジョーキーに偏執狂的な執着を見せていたガルザが、邪面師をジョーキーの座席に座らせるのは、物凄い違和感。
 むしろそういった要素は、キャラクターの大事な情念の部分として、本編で補強をしてほしかったのですが。
 クリスタリア時代の甘言は邪心からだったのかと銀に指摘されたガルザは嘲笑し、
 「ようやく気がついたか。そのままで居ればよいものを……ふっ」
 「……やっぱり。だが俺は、5人の仲間を得た! おまえにはない、素晴らしい煌めきをな! 今の俺は、強いぜぇ……!」
 「ふっ、ヨドンヘイムの奴らが俺の手足だ。ふははははは、こっちは大軍だ!」
 地上にはジョーキー@SLに続き、ディーゼル邪面獣が合わせて出現。
 「言っただろ宝路。ヨドンヘイムはいいぞ」
 だが、予算の湯水具合なら実は負けていないぞ、とキラメイジンが出動し、続いて召喚されたエクスプレスに乗り込んだ銀がキングエクスプレスを発動。口からぺっと吐き出されたSL邪面はディーゼル怪獣に踏みつぶされてあえなくジエンドとなり、キラメイジンが新装備ダストンクリーナーを閃いてディーゼル廃液を無効化すると、キラメイダイナミック&ブーメランで打ち破るのであった。
 「もう二度と邪面師には貸さん!」
 怒りのガルザはジョーキーを取り返して去って行き、性格的に納得できない&別になんの作戦でもなかった、と脳内で(えーーー)の大合唱なのですが、よくよく思い返してみると今回の作戦について
 「おまえがジョーキーを貸してくれたらもっと早く仕上がったがな」
 「……ちっ」
 という会話があり、……ええと……つまり……クランチュラさんの為だったの?!(顔を両手で覆う)
 どこまでヒロインポイントを稼げば気が済むんだクランチュラさん。
 かくして銀はキラメイジャーの一員である事を自ら認め、勝利の「ワンダー!」大合唱が響き渡る中、すっかり埋まってしまった外堀を目に思い悩む姫様であった……で、つづく。
 登場・正体判明・仲間入り、と3話をかけて正式にキラメイジャーに加入した銀ですが、〔シルバーはもちろん活躍させる・キラメイジンの追加武装を出す・キングエクスプレスも出したい〕とただでさえパズルがややこしい上で、〔宝路の負の部分とその克服を描いてチームを一つにする〕まで詰め込むのは忙しすぎて、率直に脚本への負担が大きすぎた印象。
 極端に悪い箇所があるわけではなく、一つ一つは目をつぶれない事もない要素ながら、それらが積み重なってコップから溢れて不満のある出来になってしまいましたが、加藤×下が下手を打ったというよりもオーダーの厳しさが目に付き、特にジョーキー/キングエクスプレスの設定の使いにくさは、改めて今作のネック(竹本-三条も、7-8話でこの壁に直撃しましたし)。
 キングジョーキー問題は早めに手を打ってほしいところですが、次回――クランチュラ出馬に加え、兄と妹にアニキが絡んでくれるようで、要素的には凄く楽しみ。