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UGMの追加予算申請が通りました

ウルトラマン80』感想・第13話

◆第13話「必殺!フォーメーション・ヤマト」◆ (監督:湯浅憲明 脚本:阿井文瓶)
 冒頭から怪獣サラマンドラ登場で、燃え上がる街。そしてUGMのオペレーションルームには、制服組以外の分析班メンバーが登場し……冷や飯を食らい続けること5年、この3ヶ月あまりに次々と出現した怪獣、そして暗躍する侵略宇宙人への対策として防衛補正予算が国会を通過し、ようやく、念願の増員です……!
 これで、クレームの電話や怪文書への対応から解放される……筈……!
 UGM関係者の増員の他、総じて特撮シーンが凄く強化されているのは、学園関係の予算が特撮班に回ってきた為……? と考えると、凄く身も蓋もないですが。
 矢的の独断専行もあったものの無事に怪獣を撃破して帰投するUGMだが、そこにヨーロッパ支部のUGMキャップが暗殺されたとの凶報がもたらされる。それは怪獣サラマンドラを操っていたゴルゴン星人の仕業であり、秘密の隠れ家でゆったりと安らぎの時間を楽しむオオヤマキャップにも、迫り来るその毒牙。
 どうやら、大人の隠れ家としてホテルの一室に長期滞在しているらしきキャップ、クラシック音楽をレコードで聞きながら海外の新聞に目を通し、サイフォンでコーヒーを淹れたりして、ダンディー
 歴戦の戦士の勘により、撃って死んだら地球人だ! 撃って溶けたら異星人だ!と暗殺者を撃退するキャップであったが、射殺したゴルゴン星人(見た目、骸骨ゴリラでなかなか印象的)の死体が地球人そっくりの姿に偽装され、解剖の結果も地球人と寸分違わなかった事から誤射による殺人容疑をかけられ、基地で拘禁処分を受ける事になってしまう。
 これまで、ウルトラマン80を異次元空間に閉じ込める・地球人に嫌がらせをして暴力的だと認定する・レーダーを攪乱して密かに怪獣を育てる、など幾つかの地球攻撃計画がありましたが、UGMの経験値不足を突いて各支部のキャップクラス(恐らくいずれも先の戦いを生き残った精鋭兵士)を標的とし、返り討ちの可能性も考慮して二段構えの作戦を仕掛けているゴルゴン星人は、なかなか用意周到。
 キャップの無実を証明しよう、と同僚たちを鼓舞する矢的は、基地施設の前で騒ぎ立てる群衆の中に、ホテルで騒ぎを大きくした者達を発見。謎の光線で射撃するとゴルゴン星人の正体を現し、学園を失った矢的隊員が、大変アグレッシブ。
 UGMの機能不全を狙った作戦が頓挫したゴルゴン星人は急ぎサラマンドラを再出撃させ、〔戦闘機が撃墜される〕も〔怪獣の攻撃で爆発するビルを内部テナント視点で見せる〕も珍しくない映像ですが、〔撃墜された戦闘機がオフィスビルに突っ込む→内部視点に切り替わっての爆発〕は、組み合わせの妙で面白いシーンでした。
 防衛隊の戦闘機が次々と撃破されていく中、矢的の奮闘で冤罪の晴れたキャップは、矢的と共にスペースマミーで出撃。移ろいやすい群衆が喝采を浴びせるシーンが挟まれ、一度は怪獣を倒した分離攻撃――命名:フォーメーション・ヤマトを仕掛けるが、ゴルゴン星人に一度見た技は通用しない! とキャップ機が空中でむんずと掴まれて放り投げられると、物凄い勢いで矢的機と正面衝突。
 番組史上最高に、これは死んだ……な衝撃のシーンですが、咄嗟に矢的は80に変身してキャップを救い、これは、もう、実質正体バレなのでは(笑) この後キャップ、自機と衝突して吹っ飛んだ筈の矢的の事を探しも気遣いもせずに、地上から80の戦いを観戦していますし……せめて気絶したキャップを地面に横たえるとかにしておけば良かったと思うのですが。
 サラマンドラバルカンを大胸筋シールドで受け止めた80は火炎放射もバリアで防ぎ、本日は防御力をアピール。そうこうしている内にガス欠となるが、ふらつきながらも渾身の超打点の高い蹴り(もはや、中二階ぐらいから飛び降りている勢い)を浴びせると、目から怪光線でフィニッシュ。
 ナレーション「ウルトラマン80は、怪獣や、ゴルゴン星人が再生しないように、全ての怪獣細胞を灼き尽くした」
 突然のサングラスビームでしたが、ナレーションが、さらっと凄い事言った。
 ゴルゴン星人の野望は絶たれ。キャップも無事に職場に復帰。これを喜んだ基地司令が隊員にディナーを振る舞うと申し出るが、矢的はそれを拒否。一瞬、上官からの食事の誘いを断るとは何事だという顔になる偉い人だが、矢的はキャップに特訓の時間を作ってもらった事を語り、オオヤマくんと特訓なら仕方ないよね、と相好を崩す偉い人。
 かくしてUGM一同は豪華ディナーを捨てて笑顔でキャップとの特訓に向かい、結束高まるUGMには、休暇も報償もいらない!
 明確な路線変更があったとの事ですが、学園要素が消滅して良くも悪くもすっきりした構造になり、オーソドックスな防衛組織vs侵略宇宙人ものとして展開。突然スナイパーする矢的に脈絡がなく、ゴルゴン星人の正体に関してウルトラ知識のみで強引に解決してしまった感が強いのは残念でしたが、キャップファンとしては、キャップの出番が多くて大変良かったです。
 次回――予算の付いたUGMに更なる増員?!