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諸事情により間にハリケンジャー

忍風戦隊ハリケンジャー』感想・第21-22話

◆巻之二十一「仮面とナゾナゾ」◆ (監督:諸田敏 脚本:荒川稔久
 本当に、CV:島田敏がやってきた。
 バスク顔(&声)が倒れたので、次はシロッコかな……ぐらいの適当な冗談だったのですが、もう、そういう事でいいのか。ムカデ様の声を最初、銀河万丈にオファーしていた、と言われたら信じそうな勢い(笑)
 傭兵契約を結んでいたゴウライジャーと手切れし、二の槍・チュウズーボが地球に倒れ、組織再編となったジャカンジャに、たった一人で数千の星を滅ぼしてきたという触れ込みで現れた六の槍は……
 「この僕こそ、暗黒七本槍の六の槍! サタラクラよ! サ・タ・ラ・ク・ラ!」
 他の幹部にドッキリを仕掛け、ムカデ様を「タザやん」呼ばわりする、とんでもなくノリの軽い怪人物であった。
 「いいか皆の衆、これからは戦いも愉快にやんなくちゃ~駄目だ!」
 山伏、鎧武者、と来て、新たな行動隊長は、天狗+公家ただし肩アーマー、みたいな見た目。
 「楽しくなければワルじゃない。愉快じゃなければ戦う意味が無い!」
 自分のつまらないギャグに自分で大笑いを繰り返しながらのべつ幕なしに喋り倒し……つまりこう、広川太一郎概念みたいな感じで、敵としてはかなり、イライラします(笑)
 「俺は大人になった。裏切り者は、絶対に倒すラ」
 一方、サナギを破り、蝶が舞い、昆虫戦士へと羽化したマンマルバRXは、工事現場で働いていた霞兄弟を強襲。カブトライジャーを圧倒する脅威的な戦闘力を見せつけるとスカーレットニードルを打ち込んで帰宅し、ジャカンジャのマスコットポジションから一変した堅いノリのシリアス路線で、実質的な二人の新幹部を大きく差別化。
 驚かせた人間を!マークに変えた上、それを超兵器ビックリ爆弾のエネルギーに転換する、結構えぐい忍術を使う蜃気楼忍者が街に出没するが、ハリケンジャーとゴウライジャーは、サタラクラの芸風に呆然としている内に、ナゾナゾ忍術の罠にはまってしまう。
 理不尽なナゾナゾ空間で一方的にペースを握られてハリケンゴウライは絶体絶命の窮地に陥り、着々と蓄積されていくビックリエネルギー。館長が頼りとする困った時の偉い人にも電話が繋がらず、いきなり地球壊滅の危機が迫る中、姿を見せる謎の影……で、つづく。
 追加戦士登場タイミング調整の都合でもあったのか、幾らなんでも後半のナゾナゾピンチを過剰に引っ張りすぎて、間延びが激しい事に。ナゾナゾに無縁の人生を送ってきた一甲が大真面目に苦悩の表情を見せるなどは、新しい一面を出してきて面白かったのですが……追加戦士も完全な前振りで終わり、前後編の前編にしても、盛り上がりに欠ける内容でした。

◆巻之二十二「翼とニンジャ」◆ (監督:諸田敏 脚本:荒川稔久
 「俺たちなら出来る!」
 「……仲間だもんな」
 一甲が一斉同時変身の力技による脱出を提案し、ナゾナゾ空間からの脱出に成功する5人だが、その体は、マンマルバが放った宇宙サソリによって毒されていた。それに気付いたサタラクラは姿を消し、忍風館でおぼろのメディカルチェックを受けた5人は、迫り来る死の運命を伝えられてひたすら重なる大ピンチ。
 一甲が頭の冴えも発揮して蜃気楼忍者の居場所を特定すると、5人はまずは地球を守ると出撃していき、一連の流れにおいて霞兄弟も地球を守る為に戦う決意を抱き、ハリケンジャーを仲間と認めている事を明確化……まだ、OPでは同列の扱いになっていませんが。
 爆弾を回収するも蜃気楼に眩惑されて大苦戦する5人だが、謎の声のアドバイスを受けると心眼により蜃気楼を見切る事に成功。しかしその体は宇宙サソリの毒に蝕まれ……ゴウライジャー合流から間を置かずの追加戦士投入に説得力を持たせたい狙いではあったのでしょうが、サタラクラ登場・宇宙サソリの毒・蜃気楼忍者も十分に強敵、とさすがに色々とピンチを重ねすぎて、一つ一つの要素の重みが減ってしまう事に。
 10万人分の生命エネルギー(の詰まった爆弾)を抱えたまま戦うというシチュエーションだけで、戦隊史上でもなかなか前例が無いと思われるので、それに焦点を絞っても面白くなったのではと思うのですが、サタラクラのアピール・新生マンマルバのアピール・それはそれとして当座の怪人に苦戦・ハリケンとゴウライの繋がり強化・更に追加戦士、とあまりにもメニューを詰め込みすぎて、コースが形を成さなくなってしまいました。
 お陰で、ナゾナゾ地獄は後編の冒頭でいきなり解決、蜃気楼忍者はトドメを刺しに出てきたと思ったらビクトリー瞬殺、とそれぞれの消化も雑となり、この時期の荒川脚本の信用度は作風による波も激しいのですが……それにしても、諸田×荒川としては、まとまりが悪すぎます。
 蜃気楼忍者は、サタラクラが取り出した巨大仮面ブーメランで巨大化し(担当はあくまでウェンディーヌ)、危機また危機だけどベンチ前で追加戦士がアップ中のタイミングに「とりあえず」で投入されてしまう新カラクリボールの中から飛び出したのは、なんか凄く雑なマントでした!
 巨大蜃気楼忍者に踏みつぶされて壊滅寸前、太陽を背に現れる緑色の巨大ヘリ……そして、新たな緑の忍者。
 「人はそう……ミーをこう呼ぶ、天空忍者・シュリケンジャー!」
 英語混じりの口調が独特のシュリケンジャーは、巨大ヘリを天空神に変形させると、蜃気楼忍者をさっくり撃破。そしてバット剣で5人を凍らせると、体内の宇宙サソリを切り裂く神業を見せて5人を助けるが、その正体に関して口を噤んだまま陽気に飛び去っていくのであった……!
 人数的には3→5とはいえ、気分的には追加戦士が2人加入した直後に、更なる新戦士?! と、それにともなってやや強引に畳みかけられたピンチの嵐から身も蓋もない解決の連続に困惑先行ですが……うーん、どうなる。