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五人の戦士に 休暇はいらない

ウルトラマン80』感想・第11話

◆第11話「恐怖のガスパニック」◆ (監督:深沢清澄 脚本:平野靖司)
 ……突然、物凄くスッキリするキャストクレジット。そして、「東シナ海に浮かぶ尖閣諸島」から始まるナレーションに、ちょっとドキドキ。
 尖閣諸島の一つに建造された天然ガス貯蔵基地に小型の怪獣が出現。出撃したUGMは、矢的(マドンナ先生のストーカー)が現場の作戦指揮を執り、ハラダ(中学生爆殺未遂犯)が怪獣が食糧とするガスを用いて海岸へと誘導し、何やら岩の後ろからセブンが飛び出してきてウルトラファイトが始まりそうな絵面の中、タジマ(気球作戦のスナイパー)が見事な狙撃で大爆殺。上々の任務遂行を喜んだキャップ(ダンディー)は4人に特別休息を与え、美しい砂浜で、制服姿ではしゃぐ隊員達。
 ……悲しい……悲しすぎる……。
 ハラダが不思議な貝殻を拾ってジョウノ(オペレーター)が持ち帰るが、「それじゃあ僕は明日学校がありますので」と報告書を提出して退勤した矢的が、廊下に倒れているジョウノを発見。原因は軽い一酸化炭素中毒であり、ジョウノが持ち帰ってきたものは、美しい貝殻などではなく、爆殺した筈の怪獣の細胞片だったのである!
 「現場で物を拾ったんだったら何故報告しなかった」
 あ、キャップは、そこから怒るのか(笑)
 不用意な行動から問題が発生した事を注意するのではなく、不用意な行動そのものを注意するのが、さすが歴戦の古強者(大阪の陣現役世代)で格好いい。
 「ばかもん! 貴様はUGMの隊員じゃないのか? それとも、ただのロマンチックな普通の男だったのか?」
 弁解するハラダをキャップは一喝するが、快復したジョウノが罰を受けるなら自分にも同様の責任があると言いつのり、結果としてハラダとジョウノは外出禁止命令を受ける事に。
 ジョウノが抗弁するとちょっと舌鋒が鈍るキャップ、紳士ゆえに女性を叱責できないのか、ジョウノ隊員の背後に強力なコネクションでもあるのか(この後も、ジョウノ隊員は妙に態度に余裕があるのは、根っこのところで肝が据わってるからなのかもですが……)。
 「お前達にはやってもらう仕事がある」
 懲罰だけで終えずに、怪獣の細胞分析という任務を与えるキャップだが、ハラダはさっそく愚痴りはじめ……とことん、駄目な奴ですハラダ
 ジョウノがキャップの真意を伝えてそんなハラダの尻を叩く一方、UGM基地内部で成長した怪獣は既に東京都心に移動しており……ガス施設の爆発が手前の目撃者まで飲み込むシーンが、大迫力の合成(爆発が画面手前まで迫り来るのと、それに吹き飛ばされる目撃者のジャンプのタイミングが素晴らしい)。
 ハラダとジョウノの分析により、怪獣の分裂と成長を防ぐには凍結させるしかないと判断が下され、急遽製造が進められる冷凍ビーム弾。だがその完成を前に東京上空が荒天に覆われ、怪獣に落雷が直撃して爆発・分裂の可能性が生まれてしまう。この危機に居ても立ってもいられなくなったハラダは、命令違反を承知で飛び出すと戦闘機で怪獣上空を周回飛行し、命がけで避雷針の代わりになろうとする!
 UGM~都心部の被害を考えると相当のやらかしですが、ここで行動派の隊員が命を懸けて更なる大惨事を防ごうとするのは、それなりに納得のできる因果応報に収まり、UGM掘り下げ回として巧く機能。
 続けざまに落雷を受けて戦闘機が墜落寸前、矢的は80に変身するとハラダを救出し、そして、自らも避雷針に!
 叩きつける嵐の中、ガスを貪り食う怪獣の横で、避雷針として立ち尽くすウルトラマンという映像が物凄く、更に怪獣がそんな80に嫌がらせの毒ガスを浴びせてくる、色々と突き抜けた展開。
 ウルトラマンの扱いとしてはかなり変化球ですが、ここまで思い切りよくやってくれると、一つの面白さが生まれます。
 また、先にハラダの行為を命がけの行動としてシリアスに描いているので、80の行為もしっかりと命がけに見えるのが、巧い連動。
 落雷と怪獣のガス攻撃によりカラータイマーが点滅を開始して史上最大のピンチに陥る80だが、間一髪で間に合った冷凍ビーム弾が怪獣に直撃。80は凍りついた怪獣を持ち上げると宇宙へと飛び出し、すかっとビームを叩き込んで消滅させるのであった。
 後日、命令違反で隊員資格取り消しかも……とうなだれるハラダだが、上層部から下された処分は、休日返上。
 「ジョウノ隊員は一ヶ月、ハラダ隊員は半年間、休みなしで勤務につくこと」
 ……懲戒免職の方がマシなのでは。
 シベリア支部送りを恐れるあまり、UGMでバリバリやりたいです! と口にしていたハラダは皆にからかわれ、朗らかな笑いが響くブリーフィングルームを外から映し、出入り口の扉が閉まる、という演出も効いてコミカルにオチ。
 学園要素が完全に排除されてUGM中心の作劇となり、ようやくキャップ以外のメンバーを覚える気がする程度に出番と色づけ。構成がスッキリした効果もありますが、後にアニメ畑で活躍する平野脚本が、ハイキング回に続き、複数キャラクターの掛け合いを面白く見せてくれたのは良かったです。
 ……学園要素がドタバタコメディという活路を見出しつつあった矢先だけに困惑もありますが、次回、一応、サブタイトルに「転校生」で、矢的先生のストーカー、じゃなかった、学園生活は果たしてどうなる?!