東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
旧ダイアリー保管用→ 〔ものかきの倉庫〕
特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)
HP→〔ものかきの荒野〕   Twitter→〔Twitter/gms02〕

タガメタガメメカメガタガメ

忍風戦隊ハリケンジャー』感想・第15-16話

◆巻之十五「タガメと争奪戦」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久
 大注目は、ハリケンブルーのコックピットは、旋風神の右腕の先。
 ……ブルーのメカは合体時に不遇?!伝説に、また新たな1ページが刻まれてしまいました(例:キラメイジン、マジキング、メガボイジャー、など)。
 ゴウライジャーはサーガインと協力してシノビニウムを探し求め、大学からそれを強奪。その際に一般市民を傷付ける描写が入って完全な強盗傷害に及び、悪役としての描き方に驚くほど遠慮がありません。
 「どうせこんな地球など腐って滅びるんだ。誰がどうなっても構わん!」
 「おまえ、それでも人の心があるのかよ!」
 「黙れ! 戦いとはな、科学と忍術で、ねじ伏せるものだ!」
 本日も実力でハリケンジャーをねじ伏せた美獣、じゃなかったゴウライジャーが謎の装置にシノビニウムをセットするとホログラムが浮かび上がり、ハムスターとホログラムで西田健団時朗(『帰ってきたウルトラマン』の防衛隊員と主演)が共演する2002年。
 ホログラムの男は忍びの最終奥義について語るが、手に入れたシノビニウムが製造実験中のレプリカであった為に途中で再生が止まってしまい、同じくそれを知ったハリケンジャーは本物のある研究所を守る事に。
 「七海、吼太、俺、絶対ゴウライジャーに勝ちたい」
 ゴウライジャー側が明確な一線を越えた事で、戦う意志を新たにするハリケンジャー
 「あいつら、仲間も地球もどうでもいいって言ったけど、俺はまだ、心のどこかで信じてた」
 「でも、そうじゃなかった」
 「奴らは悪魔に魂を売っちまったんだ!」
 3人戦隊・本拠壊滅からスタート・鳥獅子魚、となんとはなしに『超獣戦隊ライブマン』との重なりを感じさせる今作ですが、この台詞は、意識があったのかどうなのか(笑)
 鷹介たちは、ゴウライジャーに勝つことで地球の為に戦う仲間の素晴らしさを証明してみせる、と固く誓ってって研究所でゴウライジャーを待ち受けるが、腕組みブラザーズより先にサーガインの操るタガメロボが襲来し、青が一人で旋風神を担当(合体までは3人必要、とのおぼろさんの弁)し、赤黄がゴウライジャーを迎え撃つ事に。
 「負けないもん! チームワークで、絶対勝つんだから!」
 悪の組織の二面作戦に対抗するべくパーティを分割しつつ、これもまたチークワークの形、と台詞で補強するのは鮮やか。クライマックスでの分割戦闘は戦隊の醍醐味を失ってマイナスに働きがちなのですが、この台詞を置く事で流れもスムーズに。
 「まずはお一人様地獄行きだ!」
 幹部直々の操縦によるタガメロボは手強く、コックピットにダイレクトアタックを受け、かつてなく殉職の危機に陥る青だったが、鷹介プレゼンツのメダルチョコを口にすると元気を取り戻し(昨年のパワーアニマル教団と関係が深い、レシピ公開不能な忍びの秘薬が色々と入っています)、零距離射撃から新合体装備ドリルガトリングで逆転勝利を収め、この間、ずっとバイザー開けて顔出しのかなりイレギュラーな演出。
 一方、今日も今日とてゴウライジャーにいいように叩きのめされた赤黄だが、シノビニウムを手に悠然と歩み去ろうとした腕組みブラザーズの油断を突いてその背中に忍法・人間スローを叩き込み、紅の背中を踏みつけると散々に切り刻み、シノビニウムを奪還。合流したハリケンジャーはこの大勝利に喜ぶが、蒼の強襲を受けた上に、弟を巻き込むのも構わずに放たれた大砲の一撃を受け、シノビニウムを再び奪われてしまうのであった……。
 「あれしきの攻撃をかわせぬとは」
 「すまない、兄者」
 「未熟だぞ一鍬」
 地球の為に戦う仲間のチームワークで一度は大金星をあげるハリケンジャーだが、それを越える兄弟の覚悟に敗れ去り……夢喰い編以降のハリケンジャーの成長を一つ形にするも、結局はまだゴウライジャーのターン、というのは正直そろそろ爽快感不足になり、一話完結を基本とするシリーズで、格を落としたくない敵キャラとノルマ的なマッチアップを連続する事、の難しさを感じます。
 前作『ガオ』のロウキ編も段々と間延びして最終的にゴッド解決に至りましたが、味方になりそうな敵パターンなら4話程度でまとめるか、ロングスパンで扱うなら上手く理由をつけて出勤回数を減らした方がいいのかな、と。
 シノビニウムを手にした腕組みブラザーズは謎の装置を起動しようとするが、そこに現れたチューズー坊が悪意に満ちた笑いを響かせ、つづく。

◆巻之十六「霧と予言装置」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:宮下隼一)
 謹慎中だったチューズー坊の告げ口により校長室に呼び出しを受けたゴウライジャーは、ジャカンジャ上層部の前でホログラムを披露し、そこには“アレ”の事を思わせる情報が残されていた。
 「滅びの果て、勇者が勇者を倒す時、その時こそ、最終奥義、生まれん」
 これを、ゴウライジャーがハリケンジャーを倒す事、と霞兄弟は解釈し、むすっとした顔して内心で自称勇者だったよ兄者!
 校長先生に何やら囁かれたチューズー坊は、宇宙忍法・泣いたり笑ったりしかできなくしてやる霧を操るカタツムリ忍者を世間に放ち、ゴウライジャーはアレの生け贄として墓地送りにしようとハリケンジャーを襲撃。しばらく派手な忍者バトルが続き、介入したカタツムリ忍者はさくっと倒され久方ぶりの成敗バイ。
 巨大戦ではこれまた久々のハリーアップが行われ……減ってるな……ドルフィン部分……七海……七海の質量は、どこに……。
 旋風神は究極奥義でカタツムリを三枚おろしにし、新たな予言に何やら動揺していた紅だが、迅雷合体を発動。二大ロボが激しくぶつかり合うとチューズー坊は作戦の第二段階を発動し、カタツムリが人々の苦しみから集めていたエネルギーが放たれると、ハリケンジャーとゴウライジャーは、どことも知れぬ孤島へと飛ばされてしまう。
 そこは両者の決着の為にムカデ様が用意したバトルファイトの舞台だったが、キラキラした眼差しを送りながら「かっこいー」「かっこいー」を連発していた幼い姉弟が、この転移に巻き込まれていた……で、つづく。
 ゴウライジャーとハリケンジャーのガジェットやロボットに羨望の歓声を上げ続ける姉弟、何も話に絡まないまま退場したらどうしようかと思いましたが、さすがに関わってきてホッとしました(笑)
 次回――アレ、誕生?!