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ゆうきはパイレーツ

海賊戦隊ゴーカイジャー』感想・第3-4話

◆第3話「勇気を魔法に変えて~マージ・マジ・ゴー・ゴーカイ~」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久

 ――「おまえは、おまえの勇気を見つけろ。その時、おまえは本当に強くなれる」

 ふぁいやーー ふぁいやーー
 観測機器が不調に見舞われる中、霧の中でザンギャックの戦艦と遭遇したゴーカイガレオンはこれを撃破するが、殿下の火山噴火大作戦遂行途中だったザンギャックの部隊と交戦する事になり、火炎ムカデ怪人の地熱攻撃大爆発により、散り散りに吹き飛ばされてしまう。
 「ザンギャックが来るとは予想外だったねぇ」
 「誰だ?」
 「魔法を忘れた……魔法使いさ」
 マーベラスハカセは、前回ラストにちらりと顔を見せたフード姿の男と遭遇し、これは格好いい言い回し。
 名乗りこそしないものの、第3話にして過去作ヒーロー――マジレッド/小津魁が堂々本人登場となりましたが、少年らしさが抜けて面変わりした上に赤いメッシュの入った派手な髪型もあり、OPクレジットに表記が無かったら、個人的には間違いなく、誰だかわかりませんでした(笑)
 「もしかして、君が宇宙最大のお宝の場所を知ってる人?」
 これがもしかして鳥の占いに出てきた“黒い服の人”? と喜ぶハカセの問いかけに、ニヤリと笑う魔法を忘れた魔法使い。
 「ああ、知ってるよ」
 「マジかよ?」
 「マジだよ」
 このやり取りに隠された意味には、前後の台詞起こしの為に3回ぐらい往復してやっと気付きました(笑) 細かく巧い。
 海賊達は宇宙最大のお宝を手に入れる為にはまだ力不足、スーパー戦隊の力を半分も使えていない、と告げた魔法使いは、お宝について知りたければ変身せずに掴まえてみせろと挑発し、即座に「おもしれぇじゃねぇか」と話に乗るのが早くもマーベラスらしさとして確立しています。罠を危惧する慎重派のハカセだがマーベラスは進言を無視して突貫を開始し、魔法使いを追う二人は、魔法の炎に囲まれる事に。
 「俺にいい手がある」
 「なになに?」
 「気合いで突っ切れ!」
 計算による確証の無い行動には勇気が出せない、と尻込みするハカセが「俺を信じろぉぉ」と背負い投げされる一方、ザンギャックと戦闘中の青黄桃はホワイトトリオ、そしてブラックトリオを発動し、出し惜しみのないゴーカイチェンジ。アバレブラック-ビッグワン、と歴代でもトンデモレベルの戦士の力を用いるジョーが実力者ぶりを印象付け、ビッグワンフィニッシュを受けた怪人は地中に逃走。
 勢い任せのようで機転も利くところを見せたマーベラスにより洞窟の罠を突破し、続けて断崖絶壁を越える大ジャンプを敢行したマーベラスだが、地面から飛び出してきた怪人と空中で衝突してしまい、今回の怪人は、偶然ぶつかる路線なのか(笑)
 なんとか怪人を競り落とし、崖に剣を突き立てて助かるマーベラスだが、残されたハカセは魔法使いの元までジャンプする勇気が出ない……しかしその時、マーベラスの頭上の崖が崩れそうな事に気付くと、近くにあった木を利用して棒高跳びの要領で高々と跳び上がり、キャプテンの頭上に落下しかけていた岩石を空中から破壊。その勢いで向こう岸まで到達……にはわずかに飛距離が足りずに落下しかけたところを、手を伸ばした魔法使いによって引き上げられる。
 「不思議な海賊だね君は……宝物じゃなくて、仲間の為に勇気を出すなんて」
 仲間の為なら咄嗟に果断な行動を取ったハカセが真の勇気を見せ、『魔法戦隊マジレンジャー』のテーゼと、綺麗に接続(まあ原典の方は、その後ボタンの掛け違いが色々と発生するのですが……なお渡辺監督は、『マジレンジャー』のパイロット版とラスト3話を手がけたメイン監督)。
 落下しかけたハカセに手を伸ばす事で、過去ヒーローだと知らない層にも、魔法使いが悪人ではない事を行動で見せているのが、また手堅い部分。
 「試した甲斐があったよ。勇気、それが魔法で戦うマジレンジャーの本当の力なんだ。今の君なら、マジレンジャーの大いなる力を引き出せるよ」
 「勇気が、力……?」
 なお会話から置き去りにされている船長は、この後、自力で崖を登りました。
 「約束通り教えてあげる。34のスーパー戦隊の“大いなる力”を全部引き出せば、きっと宇宙最大のお宝が手に入るよ」
 重なる幻像でマジレッドである事が示唆された魔法使いがフードをかぶって身を翻すとその姿は煙のようにかき消え、合流したゴーカイジャーは、しぶとい火炎ムカデとまたまた激突。
 地熱大爆発により再び危機に陥るが、マジレンジャーキーを発動すると携帯に魔法の着信アリでゴーカイ魔法が炸裂し、身動きできなくなった怪人を次々と属性魔法でいたぶり、なんか大変酷い絵に(笑)
 最後は一斉射撃ゴーカイブラストで爆殺すると、今回も砲台兵士スゴーミンと怪人が合わせて巨大化し、ゴーカイガレオンが宇宙で海賊合体するのは、思えば『メガレン』オマージュなのでしょうか(ギャラクシーメガ大好き人間)。
 巨大スゴーミンが戦闘機モードに変形し、空中からの集中砲火を浴びるゴーカイオーだが、マジレンジャーキーが光り輝くと“大いなる力”が発動。ゴーカイオーの両スネから爪、両腕から翼、胸部から竜の頭が飛び出し……なんだろうこの、ビックリドッキリメカ感。……内部に謎の位相空間が存在しているのですが、実は物凄いオーパーツなのではゴーカイオー(笑) ……考えてみるとガレオン形態の際に内部に4つのメカが収納されているのも凄く不自然でしたが、振り返ると「次元圧縮」はスクラッチが実用化していたので、改めて、スクラッチが怖い。
 なにはともあれ勇気は不思議なフェニックスしたゴーカイオーは、胸からドラゴンを生やしたマジゴーカイオーとなり、ロボの追加強化ギミックとして考えると、史上最速でしょうか。これだけ早いと、旋風神ハリアー的なデフォルトギミック感は出ますが。
 飛行能力を得たゴーカイオーは、スゴーミンファイターを次々と撃墜するとマジドラゴンアタックで怪人を焼却。小津魁はそれを見届けると力をしばし海賊に託すことを決め、過去ヒーローが与える試練を乗り越える事で海賊達は“大いなる力”を得、やがてそれが“宇宙最大のお宝”に繋がるであろう、と伝統的な物語構造における<試練>と<贈与>の関係を基盤に組み込みながら物語のロードマップが成立。
 海賊達は、便利な導入と思われた鳥の占いをあまり信じていなかった事を告白して謝罪し、
 「でも今日からみんなちゃんと信じるよ」
 「ま、そこそこにな」
 マーベラスの言葉に大暴れする鳥、でオチとなり、背後でだんまり決め込みながら目を逸らすジョー、謝罪した女性陣に比べて往生際が悪いな……!(笑)
 第1-2話で“海賊の流儀(美学)”が示されたのに続き、今回は過去ヒーローが本人(海賊版?)として登場する事で“レジェンド大戦により力を失ったヒーロー”の今作での基本的な立ち位置が示されると共に、“宇宙最大のお宝”へ向けたロードマップが明らかとなり、物語の基本的な進行方向が決定(若干、過去ヒーローに踊らされているのでは? という疑念も浮上しますが、そういう点では、成長したとはいえ搦め手は用いそうにないレジェンドであり)。
 『マジレンジャー』はあまり相性の良くない作品だったので、レジェンド登場一番手に若干の不安もあったのですが、本編の主題を鮮やかに切り取り、ハカセのキャラクターと繋げてくれたのは秀逸でした。これは勿論、完結した作品に対して外部からの視線で一度向き合い直せるから、というのはありますが、その辺りも巧い設計になっているな、と。
 (……このメカニズムをより抽象的にやろうとしすぎた――作品を構成するモチーフの解体と再構成にこだわりすぎた――のが『ディケイド』といえる面はあるでしょうか)
 EDは00年代戦隊のターンに入り、3話1セットで34戦隊を歌う、というのは良い趣向。
 あーかーい まじあかいー せいぎのほのおー
 あーつーい まじあついー おーもいこめー
 おぅおぅおぅ おぅおぅおぅ きめるぜー

◆第4話「何のための仲間」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久

 ――「うん、やっぱ仲間ってええね」

 マジゴーカイオーに気分を良くした海賊達は、次々とレンジャーキーを差しては四次元ポケットから何か出てこないかを試すも空振りに終わり、コミカルな要素を交えつつ、ゴーカイジャーが過去のスーパー戦隊について何も知らない点を改めて強調。
 私が近年の《ウルトラ》シリーズがいまひとつしっくり来ない一因として、「主人公が過去ヒーローの力を使うが、それについてどう考えているのかさっぱりわからない(存在が当然の前提になっている)」というのがあるのですが(最近はだいぶ慣れてきましたが)、基本的な放映予定話数の差・もはや“そういう物”としてシリーズの作風が確立している、など事情の違いはあるものの、主人公達と過去ヒーローの距離関係が明示された上で、それに近付いていく物語構造が示されているのは、今作の入りやすい部分(この辺り、00年代における過去ヒーロー登場のはしりであったらしい『ウルトラマンメビウス』がどういったアプローチで描いていたのかは、気になるところ)。
 「やっぱり、あと33回、何かを見つけきゃ駄目って事だね」
 「ハカセさんが掴んだ、勇気のような何かを」
 “宇宙最大のお宝”へのハードルは高く……何故、マベは、ふんぞりかえって椅子に座り込む時に、ジャケットをさらっとアイムに持たせますか(笑)
 なんなの、どういう、亭主関白ムーヴなの?!
 それを笑顔で受け取るアイムだが、ジョーと一緒に買い出し係を指名されると眉を曇らせ、「男の仕事だ」と両手に荷物を抱えて早足で歩くジョーとは、ペースや考え方が噛み合わない様子。
 高層ビル群を一刀の元に切り裂く凄腕剣士の行動隊長が出撃し、一当たりするゴーカイジャーだが、一騎打ちを挑んだブルーが黒剣士の必殺剣に敗北。「あいつは……俺一人でやる!」と宣言すると、ハカセとアイムが用意した昼食も摂らずに竹林で特訓を開始し、ストイックさが突き抜けて、若干面白いの領域に。
 「さっきは剣の数に圧倒された。だが……一刀で駄目なら二刀、二刀で駄目なら……」
 「そんな……数で負けたとおっしゃるなら、一人より二人、二人より五人で戦えばいいではないですか?!」
 心配で様子を見に行ったアイムは、囲んで砂にしてしまえばいいのでは、と割と物騒な事を言い出し……まあ戦闘シーン見ている限り、ハカセより遙かに殺意高めなので納得です。
 「…………おまえには関係ない」
 「……関係ないなんて。私たちは仲間では?!」
 「……帰ってくれ。おまえと話している暇はない」
 ジョーはアイムの切々たる訴えに背中を向け、ただの、女子が苦手な人じゃないといいな……(過去の色々な、第一志望:クール枠、の面々を思い浮かべながら)。
 「一緒に何かするだけが、仲間じゃねぇだろ」
 「だったら……なんの為に仲間が居るのですか? 私にはわかりません!」
 船に戻ったアイムは、黒剣士には手を出すな、というマーベラスの言葉に反発。戦隊メンバーとしては異色の、白いフリルのドレス風衣装のアイムですが、品の良さを出す桃色のストールも小道具として効いて、従来作にあまり居なかったタイプのキャラをどう見せていくのか、演出陣もかなり盛り上がっている気配(過去作にもお姫様やお嬢様は居ましたが、基本、描写は「戦士」が優先されていたので)。
 見張り台に飛び出していったアイムを気遣ってルカが追いかけ、既に二回目のスポットといえるアイムばかりではなく、しっかりルカの存在感も出してくるのが実に鮮やかな目配り(この辺り、宇都宮P作品に共通して信頼度が上がるポイントであり)。
 「ジョーが剣にこだわる理由、知ってる?」
 「……いいえ。どうしてですか?」
 「あたしも知らない」
 あまりのバッサリ具合に、墜落死体が生まれないか、ちょっとドキドキしました。
 「でもね、誰かとの……多分、剣を教えてくれた人との辛い記憶があるせいじゃないかって、あたしは思ってる」
 「え?」
 「前になにげなく聞いてみたんだ。そしたらジョー、普段見せないような顔になって、そのことは聞かないでくれって。あいつが一人になるのは、いつでも何かと本気で戦う時。だから、何も聞かずに一人にしてあげたいんだ。…………仲間だから」
 「……え?」
 「信じたいじゃん。あいつが一人になるからには、それなりの理由が絶対あるって」
 心配して一緒に何かするだけではなく、信じて見守るのも、仲間――。海賊たちが培ってきた信頼関係とそれに伴う距離感が言葉にされる合間に特訓に打ち込むジョーの姿が挟まり、これまで、顔面表情筋の硬さや口数の少なさからやや存在感薄めのジョーでしたが、ここのアップの表情が「何かと本気で戦う時」の姿として効果的に決まり、狂気と表裏を成すかもしれない、剣鬼スレスレのストイックさが印象的に示される事に。
 「……よし、いける」
 ジョーは秘剣攻略の活路を見出し、翌朝――黒剣士出現を鳥がアナウンスすると、船を飛び出していったアイムは竹林に向かい、黙って横を通り過ぎようとしたジョーを引き留めると、自らの海賊ブレードを託す。
 「……いいのか?」
 「……わかりません。でも……仲間ですから」
 「……そうか」
 ニヤリと微笑んだジョーはアイムの剣を受け取り、通常アクションにおける武器交換の描写、竹林のシチュエーション、無言で視線を向け合う二人、負傷の跡も生々しいジョー、地面に予備の剣を突き立てる動作による切り替え、と全てがカチッとはまり、これは格好いい……!
 特に、包帯には血が滲み、シャツは裂けたままのジョーの姿がキャラクター性を雄弁に示して、素晴らしかったです。
 二振りの海賊ブレードを手にした青は黒剣士との一騎打ちに挑むが、見切ったと断言した青が本来は二刀流の使い手である事を教えられ、インサーンに何事か囁いていた黒剣士は姑息にも伏兵を配置しており、動きを封じられた青は必殺剣の直撃を受けてしまう事に。
 「馬鹿め。勝負に綺麗も汚いもない。勝てばいいんだ。こういうやり方を出来る奴だけが、この宇宙で生き残る。大真面目にやる奴は、死ぬしかないのさ」
 この宇宙を支配する“ザンギャックの悪”が示されると共に、ああ、ジョーは、真面目なんだな、と敵の台詞で腑に落ちる(故にポジティブな真面目さの印象が強まる)のも、巧い構造。
 トドメを刺されそうになる青だが、手は出さないが待機はしていた赤黄緑が助勢に駆け付け、桃と一緒に雑魚を担当。
 「どうして……」
 「だって仲間だもん。気になるじゃん?」
 4人はゲキレン、そしてデカレンにゴーカイチェンジして雑魚を蹴散らし、再びの一騎打ちとなった青は今度こそ必殺剣を打ち破るが、黒剣士はもう一つの策を用意しており、インサーンへの耳打ちはこちらが本命だった追加装備により、体内から無数の剣を繰り出して反撃。
 「ジョーさん!」
 「……足りねぇだけだ」
 「え?」
 「受け取れ! ジョー!」
 「レンタル料、高いよ」
 「買い出し当番、10回分ね」
 「3回でいいだろ」
 これはまさに『ONE PIECE』ネタという感じですが、仲間達の投げたブレードを受け取ったゴーカイブルーは脅威の五刀流を披露すると黒剣士の繰り出す剣を全て切り刻み、「二刀で駄目なら……」は本気で言っていた(笑)
 勢いに乗る青は5本の剣に5本のキーを同時にセットし、五刀流ブルースラッシュ@水の戦士の詰め合わせ、により黒剣士を撃破。
 今回はスゴーミンファイター3体が合体したスゴーミンドダイYSにまたがった黒剣士と巨大戦となり、立ち上がり、かなり変わった形での巨大戦が続きます(こう見ると、『ガオ』以降の10年を経て、この10年も巨大戦をどう見せるか、の試行錯誤がずっと続いているのだな、と思うところ)。
 マジゴーカイオーは空中戦での圧倒的な機動力を見せつけるとドラゴンファイヤーで巨大黒剣士を撃破し、お礼として皆に自作のケーキを振る舞うジョーが、剣士以外の顔も見せて、つづく。
 少々照れくさげに背中を向けるので、やはり女子が苦手な人なのだろうか……とドキドキしたのですが、鼻の頭についたクリームをアイムに指で掬い取られても、奇声をあげながら床をのたうち回ったりしなかったので、むしろ戦隊男子としてはかなりレベルが高い逸材かもしれません。
 第3話では「地球を悪の組織から守る」以外の行動目的を明確にしつつレジェンドの立ち位置を示す事で物語構造の基本形(になりうる雛形)を成立させましたが、今回は「ゴーカイジャーというチームの在り方」を示し、第1-4話で、物語の土台がしっかりと作り上げられる、見事な立ち上がり。
 前回-今回と、いずれも構成上の要件を満たしつつキャラの魅力を引き出しているのがさすがの手並みで、特に今回、ジョーをしっかりと固めつつ、アイムの可愛さをガンガン推してくる手腕の鮮やかさは、実に荒川さんという煩悩回路のフルスロットルぶり(笑)
 冒頭に荷物持ちは「男の仕事」としていたジョーが、ホールケーキを自作し、プレートに「Thank you」とか書いてしまうのは、今風(10年前の作品ですが)のバランス、といったところでしょうか。
 要所の台詞を配されて個性は十分出ているものの、そろそろルカに個別のスポットがほしいところですが次回――海賊戦隊に迫る、大いなる危機。


一つ、ひりつくこの殺意
二つ、不起訴はあり得ない
三つ、醜い悪を消毒
四つ、黄泉路の片道切符
五つ、祈りは届かない

 さあ、哀れに泣き叫べ悪党ども。貴様等を助ける神はこの宇宙のどこにも存在しない。我ら、地獄の番犬S.P.D。我らが手にする銃弾のみこそが、神の印なき汝らに与えられる唯一の恩寵なればこそ――ジャッジメントの時間だ。