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君のこぶしがこの胸に! 熱く響いていい感じ!

忍風戦隊ハリケンジャー』感想・第3-4話

◆巻之三「ニセモノと60秒」◆ (監督:諸田敏 脚本:宮下隼一)
 売れない演歌アイドルの寂しい歌唱シーンからホワイトアウトしたところでサブタイトル、は掴みの好演出。
 続発する人格豹変事件の手がかりを追い、TV局を調査するハリケンジャー。アイドルに憧れる七海は有名プロデューサーの目に止まって飛び入りでオーディションを受ける事になり、妙に七海に都合良く話が進むと思ったら、それはコピー七海を作り出す為のジャカンジャの罠。
 コピー忍者の忍術により異空間に囚われの身になってしまう七海だが、立ち上がりという事もあってか、忍法凄いぜ! と実質物理で解決。
 同じく罠にはまりかけていた鷹介と吼太を救って戦闘となり……あ、影の舞、雑魚に使ってもいいのか(笑)
 てっきり、怪人クラス相手の必殺技だと思っていたので、開幕ダッシュで放ったのは驚きましたが、3人が連続で影の舞を発動後、ラッパ忍者がバタバタと一斉に倒れて爆発するのは、時代劇をイメージしたと思われる演出。
 事件の黒幕だったコピー忍者はトリプルガジェットメガホンにより爆殺され、粉々の破片の飛び散り具合が、割とエグい。
 今回もコピージャイアントで巨大化するのかと思ったら、コピージャイアントはサーガイン軍団の傀儡専用との事で、チューズー坊が見つけてきた呪文をセクシー担当がバズーカで放つ事により、コピー忍者は再生巨大化、と軍団の性質を巨大化方法からも色分け。ギャル担当の方は戦目付(採点係)の役割を担っており、顔出し女性幹部2人が、組織でそれぞれ特殊な役割を与えられている事に。
 巨大コピー忍者の分身攻撃に攪乱される旋風神は、おぼろの指示で旋風神ハリアーとへ変形し、サブタイトルの「60秒」がいつまで経っても話に関わらないので首をひねっていたら、ハリアーモードの制限時間が60秒でした。
 外部装甲を収納し、細身で柔軟なフォームに変形した旋風神は、軽快なステップで華麗に飛び回ると、連続側転からの飛び蹴りや回し蹴りを次々繰り出し、1台のロボで重量級と軽量級を兼ねるアイデアは面白いですが、見た目は……ちょっと微妙。
 個人的にはなんとなく、変形の見せ方や構えの取り方が、ビーロボを彷彿とさせます(笑) (※ビーロボが格好悪い、という意味ではないので念のため。ハリアーは、手足がスッキリしたのに頭部が変わらないので、フォルムのバランスに違和感を覚えるのかなと)
 ハリアー二刀流で分身を撃破すると、カラクリ魔剣で成敗バイ。有名プロデューサーも巻き込まれた事件を解決し、これで人気者?! と盛り上がる鷹介達だが、館長の命令で疾風流メカ黒子部隊が出動すると関係者の記憶を超忍法メモリーフラッシュで次々と消去していき、事件は闇に葬り去られるのであった。
 悪の組織との戦いや巨大戦は、それにまつわる記憶を全て消される事により世間の話題にならないのだ! と理由が付けられ、結界で軟禁に続いて記憶の改竄を公然と実行する疾風流の情報工作に某TLTも真っ青ですが、忍者とは、人も知らず世も知らず影となりて悪を討つものなのだ!
 アイドルデビューの夢破れ、意気消沈して座り込む七海を男2人が励まし、「演ドルをなめんな~」と立ち上がって、つづく。
 落ち込みはするけどへこたれないハリケンジャーのスタイルを示しつつ、爽やかなラストになったのは良かったです。

◆巻之四「トンネルと兄妹」◆ (監督:諸田敏 脚本:宮下隼一)
 忍者刀のライフルスタイルが格好いい(基本装備の銃が長銃身なのは歴代初?)ハリケンジャー、ジャカンジャのモグラ忍者と戦闘になり、陸忍イエローが土遁対決を挑むも、敢えなく敗北。
 何かと調子に乗りやすい3人組ですが、吼太は慎重派の抑え役と色分けされ、その判断がモグラを逃がしてしまったと、鷹介&七海の猪突猛進コンビと仲違い。
 幼少期に両親を失い妹と児童養護施設で育った吼太は、軽率な行動から幼い妹を怪我させた12年前の出来事を深く悔やんでおり、それをきっかけに慎重さを重んじるようになったと知った鷹介と七海は吼太と和解し、第2話同様、今のところメンバーの不和はカラッと解決路線。
 若さと無鉄砲さでぶつかる事もあり、軽薄で呑気すぎるところもあるが、基本的に気のいい連中という見せ方で、もともと仲の良い同期に加えて、落ちこぼれと生き残りの絆、というのは納得感があります。
 …………しかし吼太、幼い妹のリハビリを担当した介護士さんに感銘を受けて介護士を目指していた(既に資格も持っている様子)のに、どうして忍者のスカウトを受けてしまったのか。
 やはり、素質ありと勧誘忍者に見込まれる → クスリを盛られる → 身に覚えのない契約書にいつの間にかサインをしている → 「ようこそ忍風館へ」コースだったのか。
 再びモグラ忍者が出現し、体当たりの戦いでその攻撃パターンに順応しようとする赤青と、とっくに兄離れしていた妹の言葉に突き動かされた吼太は、結局俺達感覚派、とハンマー連打と仲間との連携によりモグラ忍者の土遁を打ち破ると、重力ハンマーで成敗バイ。
 巨大戦では新たなカラクリボール・カラクリ山羊ハンマーが登場し、戦隊シリーズ史の画期の一つとされる『ガオレンジャー』のパワーアニマル換装システムが、簡略化される形で継承。
 『ガオ』の際は、ニューアニマル登場の度に一定のフォーカスを当てた上でキャラ回との接続もしないといけない、という条件が序盤をかなり苦しくしていた印象ですが、それに比べると、最後に武器さえ出てくれば、といった形でだいぶ自由度が高くなって話が作りやすそうな設定になっています。
 吼太はアフリカに旅立つ妹を力強く見送り、一件落着。
 「慎重さと大胆さ、戦いには、両方が必要だという事じゃ」
 勝利の実態はともかく、ハムスター館長がそれらしく綺麗にまとめて、つづく。