『ウルトラマン80』感想・第2話
◆第2話「先生の秘密」◆ (監督:湯浅憲明 脚本:阿井文瓶)
担任を受け持つクラスに登校拒否の生徒が居る事を知った矢的は、学校に連れてきてみせると生徒達に請け負うが、今回も熱血指導が空回り気味……「ウルトラマン×教師×防衛隊員」という今作の大きな特徴を押し出すべく第1話以上に学園パートに尺が割かれ、登校拒否児童と向き合おうとする矢的の姿が描かれるのですが、スパイスとしてはともかく、主題としての青春学園要素には興味が無いので、教師パートをメインで描かれると正直退屈(前回は教師パートと怪獣パートの接続の仕方が巧かったのですが、今回は両者が全く繋がっていないので)。
また、やけに他人事な母親・強引な善意からいきなり説教モードに入る矢的先生・教師に辞職を要求する生徒達、などの織り成す80年代学園ドラマ世界の受け止め方がわからず、真面目なのかギャグなのか戯画化しすぎているのか、終始困惑が先に立ってしまう事に。
生徒達に信頼されたいと思う邪念が強すぎるから逆に信頼されないのだ、と反省した矢的は、翌日改めて登校拒否児の連れ出しにチャレンジするが、飛行怪獣ギコギラーが飛来。
身を挺して生徒をかばうと、強風に吹き飛ばされたフリをして華麗な着地からの変身を決める矢的だが……なんかバレた。
サブタイトルからして不安だったのですが……早くも第2話で、なんかバレました。
教師失格どころか強制送還の危機に陥るウルトラマン80だったが、光の国検察は、変身の瞬間を直接目撃されたわけではない事から証拠不十分により不起訴処分とし、謎ビームでぽわぽわーんされずに済んだ80は、怪獣と激突。
生徒のエールを受けて青春パワーを高めた80先生は滞空時間の長い渾身の飛び蹴りで形勢逆転すると、怪獣の弱点である背中に伸身捻りからのキックを浴びせ、勢いつきすぎ&打点高すぎで空中で体勢を崩しており(下にマット引いてあると思いたいですが……)見ていて無駄にドキドキします。
弱点への連続攻撃から青春ビームで怪獣にトドメを刺す80だが、このままで学校に間に合わず辞表の提出を余儀なくされてしまう……しかし学校では、80の活躍に勇気を得た少年がクラスメイト達が教室に入るのを留めており、その説得により矢的猛=ウルトラマン、と知った子供達に迎え入れられた矢的は、生徒達との約束を無事に果たすのであった!
ラストは、怪獣との戦いと学校での問題解決を繋げ、矢的先生の為に奮闘する登校拒否生徒の「変化」を描く事で巧くまとまりましたが……光の国の司直から、再捜査の手が伸びる日は、近いかもしれない。