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Gのネクサス

ウルトラマンネクサス』感想・第28話

◆Episode28「再会-リユニオン-」◆ (監督:小中和哉 脚本:太田愛 特技監督小中和哉
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 イラストレーターのやる気の無いパスワードを突破した孤門は、新たなネクサスとなった憐が、人為的なハイブリッドベビーを作り出すプロメテウスプロジェクトによって生み出された“プロメテの子”の一人である事を知る。イラストレーターに下の名で親しげに話しかける憐は、自らの戦闘データを残さず記録する事を頼んでサソリビーストとの戦いに臨み、表情を歪めながらもイラストレーターはその戦いを見つめる……。
 果たして、憐はなぜ、プロジェクトの鳥籠を抜け出して日本へ渡ってきたのか?
 そして、ビーストを操る新たな敵の目的とは……?!
 「それは、17歳の、澄んだ目をした少年だった。僕は、新たに光を背負ったこの不思議な少年の事を、まだ、何も知ってはいなかった――」
 第26話の新展開から色彩その方の見せ方が大きく代わり、憐を中心として話の組み立て方も一新した『ネクサス』ですが、今回はその状況を、改めて孤門の視点を中心に捉えていくエピソード。
 結果として、憐編としては第3話だが、孤門の物語としては第28話である、という作品に生じたねじれが不可避的に衝突する事になり、謎めいた固有名詞が散りばめられた端から急ぎ足で説明されていくという視点の置き所が落ち着かない展開に。
 また、憐/青いネクサス、という新要素は加わっているものの、ナイトレイダーを軸にした場合の、作品の“面白さ”は相変わらず行方不明(これといって再構築されていない)なので、第25話までほど酷くはないものの、かといって特別面白い要素はなく、言ってしまえば普通、大変普通、という内容。
 NR側に焦点を合わせた時に一番問題なのは、溝呂木登場以降、“操り人形としてのビースト”に敵としての魅力が極めて薄い事による怪獣退治物としてのつまらなさなのですが、この点に関しては新たな敵アンノウン・ハンドの登場により継承された上、毎回の戦いを繰り返しながら主人公が積極的にその敵の謎に迫っていく、という作劇でもないので、どうしてもビーストが“ヒーローの悲壮感”を強調する為の“都合のいい障害物”にしかなっていないのが、残念なところです。
 “変身ヒーローではない主人公”の視点から、どう戦いを盛り上げるのか、という問題への解法が、戦いを“ヒーローの悲壮感”で彩る、という方向になってしまったのは、どうにも今作の肌に合わない部分。
 姫矢の着地点といい、その“悲壮感”の先をどう描くのか、という志向は見えるのですが、今度こそ上手く、孤門の存在と繋がっていってくれるのを期待したい。
 そんな中、孤門と副隊長の温度差が織り込まれ、ようやく、副隊長に表情で含みを持たせる芝居が入るようになったのは改善点ですが……スタッフ的には「溝呂木との問題に決着がついて精神的余裕が生まれた」とかそういう意識なのかもですが、もともと一本調子な演技しか出来なかった、というわけでもなさそうなだけに、どうして前半戦、「怒」の芝居一辺倒しかさせなったのか、前半戦からもっと引き出しを広げキャラクターとしての奥行きを作っておくべきではなかったのか、と惜しまれます。
 その積み重ねがないので、どうしても、急に人格改造を受けた、ように見えてしまうのが勿体ない。
 「孤門隊員、ウルトラマンが現れたという事は、光が新たなデュナミストを訪れ、その人物が、自ら戦う事を選んだという事です。たとえ、それがどんな戦いになろうとも」
 ネクサス(憐)の身を案じる孤門に対し、デュナミスト(憐)そのものの意志がそこにあるのだ、とイラストレーターは説き、若干、呪いのアイテム化しつつあった光の折りたたみ傘に関して、あくまで、選ばれた者の意志あっての戦いである、とフォロー。
 亜空間に干渉するダークフォールドGの力により、エネルギーを補給されるサソリビーストの猛攻を受けるネクサスは、メガサソリキャノンの連続発射をものともせずに突撃すると、光の弓を作り出してキューティネクサスアローでビーストを粉砕。
 果たして、捨て身、とも見えるその戦いの行き着く先は……
 「僕は、彼の一番大きな秘密を、まだ知らないでいた」
 で、to be continued...
 次回、溝呂木再び、は予想の範囲内で、上手く補われると良いのですが。