東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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イチロー兄さんは紳士である

キカイダー01』感想・第30話

◆第30話「悪魔? 天使? ビジンダー出現!!」◆ (監督:永野靖忠 脚本:長坂秀佳
 ●今回のハカイダー!!
 ・開始約14分頃にようやく登場
 ・自転車に乗った少年達をバイクで追い回す
 ・止めに入ったゼロワンに妄想空中コンボを決めるが気がつくと虫の息になっている
 ・新人OLに助けられて命からがら撤退
 ・改めてゼロワンに殴りかかるが軽くあしらわれる
 ・作戦内容を全く知らされていない
 ……やはり、武者修行の旅に出た方がいいのではないか。
 シャドウ組織では連戦連敗の記録映像を見ながらビッグシャドウがプルプルしていたが、そこにザダムが練りに練ったゼロワン必殺作戦をプレゼン。
 「「いかに悪には強くとも、女子供には弱いゼロワンの欠点も、十分研究済みでございます」」
 「今度こそゼロワンを倒す自信があるというのだな」
 「「はい。ゼロワンの墓場は、とうに決まったも同然。ここミドリ沼近くの平原でございます」」
 ナマズガスにより瞬く間に周囲の木々を枯らしていく公害ナマズが、液体爆弾を地面に染み込ませたトラップを作り出している頃、女の高笑いを耳にしたイチローの前に、オーロラの輝きと共にハート型の頭をした人造人間が姿を見せ、シャドウマンに追われるミサオ達は、謎の少女によって助けられる。
 ナレーション「とても少女とは信じられない、彼女のアクションであった。この謎の少女マリは、果たして何者なのであろうか」
 だいぶメタになっているナレーションさんに紹介されたマリを演じるのは、本邦アクション女優の草分け的存在として名高い志穂美悦子。初登場シーンからシャドウマンをバッタバッタと薙ぎ倒す大活躍を見せるマリですが、水色をベースにした衣装もあって、第一印象は、女体化ジロー(笑)
 なんとなく、新人類帝国と戦い始めたジローと入れ替わりの投入っぽい雰囲気の為もありますが。
 ダブルマシンで走り回るイチローは、樹上でハープをかきならずハート頭と再び遭遇し、竪琴ボウガンの使い手……だが日本じゃあ二番目だ!
 「おまえはなんだ?!」
 「私の名は、ビジンダー!」
 本人の主張はともかく、ハート型の頭部とアルカイックスマイルの組み合わせは、正直、怖い寄りのデザインなのですが、シャドウの美人ロボット=人魚ロボットの系譜、と見ると納得はできなくもありません(というか、あの時点では正気の沙汰と思えなかった人魚姫回は、ビジンダー登場の布石だったのか?!)。
 イチローとマリの出会い、沼のナマズを退治しようとする子供達、無駄に市民を脅かして回るナマズ人間体、と『キカイダー01』らしいとっちらかった展開に戻り、ハカイダーを助けるビジンダー
 「ははは、私はシャドウで産まれたロボット! そして、私の使命は、ゼロワン、あなたを殺す事」
 いつの間にやらイチローに気がある事になっているミサオは、マリの肩に親しげに手を置くイチローを目撃して動揺し、キカイダーに無駄につっかかるハカイダーはいつものようにさくらんしている! そしてマリを人質にされたイチローは、公害ナマズの待ち構える、液体爆弾地獄へと突入する!
 「どこからでも来いゼロワン! 俺の液体爆弾を少しでも踏みつけたら、貴様の体はダブルマシンと共に木っ葉微塵になるのだぁぁぁ!!」
 ナレーション「ダブルマシンが地雷を踏む。そして、地雷が爆発するまでの速さより、ダブルマシンのスピードの方が遙かに勝っていたのだ」
 ……じゃなかった
 ナレーション「ダブルマシンは速かった。液体爆弾の爆発タイムを遙かに勝る超スピードで、ゼロワンのダブルマシンは突進する事ができたのだ」
 ……一緒だった。
 冒頭のプレゼンにおいて、「ダブルマシンが来ても大丈夫」と、シャドウマンのオートバイ部隊が弾け飛んでいく資料映像が流れた時点でこんな予感はしていましたが、あまりにもストレートすぎて、駄目な意味で面白い事に。
 必殺の罠を突破されたナマズ地震攻撃で落石を発生させるが、ドライバーで突破したゼロワンはカット連発からのブラストエンドを放ち、哀れナマズは大爆発、の映像がシャドウ基地のモニター画面に切り替わるという珍しい死に様となり、這々の体で逃げ帰っていた給料泥棒ダーは早速厭味を口にするが、ザダムは余裕の態度を見せる。
 「「馬鹿め。必殺作戦はいよいよこれから最後の仕上げに入るのだ」」
 キカイダーナマズを葬り去った後、目を覚ましたマリの正体は、シャドウの開発した動く核(熱属性の魔法)爆弾ロボット! マリが人間を助けシャドウマンと戦っていたのは、イチローの警戒を解く為のザダムの設計であり、全てはこの時、公害ナマズを撃破して一息ついたイチローの心の隙を突こうという性格の悪い罠だったのだ!
 当初は「弱者を助けようとせずにはいられない」という意味で使われていたと思われる「女子供には弱い」が、途中から若干「女の色香に弱い」と混ざっている気がしますが、この後の反応を見る限り、光明寺博士イチロー兄さんに、良心回路の代わりにデリカシー回路を組み込んでいた模様であり、マリの正体にもリエコの正体にもまるで気付かなかったのは、女性と接する時は全センサー機能を自動的に低出力にするデリカシー回路の賜物です!
 かくして、遠隔操作による激痛回路の作用で藻掻き苦しむマリを助けようとするイチローは、その求めに応じて、なんだかドキドキしながら上着を脱がせていき、ザダムの仕掛けた起爆スイッチまであと僅か。
 「はははははははは! あんな子供騙しでは死にはせん。ハカイダー! 爆発速度よりも早く、俺が空を飛べる事を忘れていたのか!」
  ……じゃなかった、イチローは今度こそ木っ葉微塵になってしまうのか?!
 次回――
 「ミサオは子供をかばって吊り橋から真っ逆さまに転落」
 「だがその後に意外な事が起こる」
 「しかし、遂に宿命の対決となる」
 「その時、不思議な事が起こる」
 「ビジンダー爆死」
 予告時点で色々な事が起こりすぎて、どうなるのか次回(笑)