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2019年を振り返る:読書編

 少々早めですが、ぼちぼちと年末振り返り企画をスタート。
 ここしばらく、読書ゲージが急速に低下していて、読書カテゴリの記事が3ヶ月ぶりだったり、折角買った『屍人荘の殺人』(今村昌弘)も出だしだけ読んで止まっていたりする体たらくなのですが、今年特に面白かったのは、この2シリーズ。

柳生十兵衛秘剣考』(高井忍)

柳生十兵衛秘剣考 (創元推理文庫)

柳生十兵衛秘剣考 (創元推理文庫)

『名探偵の証明』(市川哲也

名探偵の証明 (創元推理文庫)

名探偵の証明 (創元推理文庫)

 青年剣士と男装の女武芸者のバディものとしても面白い剣豪小説×ミステリの前者と、“名探偵”とは何かをメタ要素を盛り込みながらも突き詰めていく後者、双方ともに大変好みの作品でした。
 『名探偵の証明』は、過去編でもある短編集2冊を含め、シリーズ5作読んでこそ絶品、という構造なので少々勧めにくいのですが、長編3作目のラストと、短編集2作目のラストが、本当にいいんですよ!
 あと、何度目かの西澤保彦への帰還をしてタック&チアキシリーズを読み直し(シリーズの一つのピークとして『依存』が強烈な面白さでしたが、2作前の『仔羊たちの巡礼』がまたトラウマ系の凄まじい一作)、北山邦彦に出会い(《猫柳十一弦》シリーズが好み)、全体としてはなかなか豊作だったような。
 フィクション以外だと、もう少し古典芸能の知識を身につけよう、と読んだ『能・狂言の基礎知識』(石井倫子)が、歴史・演目・用語とそれぞれ章を分けて丁寧に解説され、読みやすくて面白かったです。
 それから引き続き、民俗学分野で小松和彦に傾倒しており、もっと色々、著作に手を出していきたいところ。そしてその流れで、物凄く久々に京極夏彦に復帰しようかなどと思っている今日この頃。
 年末年始は少し、読書量を戻したい。