東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
旧ダイアリー保管用→ 〔ものかきの倉庫〕
特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)
HP→〔ものかきの荒野〕   Twitter→〔Twitter/gms02〕

士官学校の愉快な仲間達

『風花雪月』プレイメモ1

 引き続き楽しくプレイ中。そろそろ中盤の一山かな、という辺りまで進みましたが、今回もストーリーに触れない範囲で、適当に。
 前回書き忘れたのですが、新要素の「騎士団」は、とりあえずは能力値ブーストが入るサポートアイテム感覚で、今のところ、従来作から大きく手触りが変わる、という程の事は無し。
 従来作ではゲーム的なデフォルメ表現として、戦場で部隊を率いて激突する様を、将軍同士の殴り合いでビジュアル化していたといえるわけですが、そこも基本路線は変わらず、戦闘画面の背景でモブ兵士がわやわやしているようになるぐらいで、プレイ感覚において邪魔にならない、というのは良い配置バランスであったと思います。
 一応、騎士団を装備していると「計略」が使えるようになり、〔反撃を受けない・計略によって範囲攻撃・命中すると動揺状態になった敵が移動不可能に〕などメリットは大きいのですが、使用回数が少ない(1-2回程度)・命中率低め・大抵直接殴った方が早い、などあって、今のところ、味方が使って頼りになるというよりは、敵に使われるのが面倒、という印象。
 ただ、一部に補助系の計略があったり、これも今作の新要素として、計略による攻撃が有効な敵ユニットも存在するので、ゲームを進めていくともう少し、使い所が増えてくるのかな、とは。
 シリーズ従来の感覚や面白さを崩さない範囲で、世界観のディテール強化にも繋がる新要素としては、悪くないとは思います。
 戦闘で気になる点というと、リザルトのデータ表示が速い事で、割と真剣に見ていないと、技能経験値などがどれぐらい上がったのか、さっぱりわからなかったり。そして全体的にテンポが速いので、なんとなく行軍が雑になってみたり。……まあ、フリーバトルを活用していけばLV的にはだいぶ余裕が出るので、難度はさほどではないのですが。
 ただこれを最初からハードでやって経験値管理まですると、今作ではかなり強化されたキャラクター掘り下げの面白さを実感しにくいので、ノーマル難易度では無制限フリーバトル可能というのは、良いゲームデザインだと思います。
 ああ後、ロードがやや長くて特に戦闘マップの読み込みに少し時間がかかるのですが、まあ、シミュレーションRPGとしては、ストレスにならない程度。
 以下、主人公及び担任している赤組の基本メンバーについて、ここまでの雑感。ストーリー部分には触れませんが、若干、支援会話C~Bに基づく内容を含みます。基本、育成は初期の適性に合わせて素直に進行。
 ---
◇ベレト
 魔法の胃袋を持つ鉄仮面ウォーモンガー教師。
 ……生徒と食事をすると、支援値(いわゆる友好度)とやる気が上がって指導経験値も入手できる為に育成に大変有効であり、結果として散策モードの行動回数が増えてくると、食堂にはひたすら生徒達と無表情で食事を続けるフードファイターの姿があるのだった、という事に。
 プレイヤーの趣味により、盗賊路線。

◇エーデルガルト
 好きな食べ物が意外と多い帝国の皇位継承者。
 各学級、級長キャラは無口・無表情な主人公に変わってストーリー進行を担う役目を持っているので、あまり書ける事はないのですが、本番は中盤以降という感じで、どう転がっていくのか楽しみです。なおこれを書くまでてっきり、「エーデルガルド」だとばかり思い込んでいたのですが、「エーデルガルト」でした。愛が足りていない。
 デフォルトの得意武器は斧だったのですが、そのルートにクラスチェンジしていくのはな……と剣系の道を歩み中。

◇ヒューベルト
 エーデルガルト様の忠実な下僕。見るからに黒い、暗黒魔法担当。
 エーデルガルト様のゆく道を補佐すべく、怖い微笑みで策を巡らす腹黒キャラなのですが、他の男性陣が結構デリカシーに欠ける為、黒鷲の学級の中では、割と紳士。それもこれも、全てはエーデルガルト様の為。
 闇の魔法使いの道を歩ませていますが、必殺が発動すると大回転しながら魔法を放つのが、意外とお茶目。そして、ライブを使えない事を、たまに忘れる。

◇フェルディナント
 “貴族の中の貴族”を自認する、帝国宰相の御曹司。場合によっては鼻持ちならない厭味なエリートになりそうなキャラなのですが、貴族としての強い誇りと傲岸さが、一周回って貴族という生き方への誠実さになっており、ノブレスオブリージュの名の下に自身が正しいと信じて疑わない自己中心的な思想で他人の心にズカズカ踏み込む一方、拒絶を受けると自ら省みて反省し、自己研鑽を怠らず己を高める事で、相手とより良い関係を築いていこうとする(築いていける筈、と思い込んでいるところが難点なわけですが)、鋼の魂の持ち主。
 いい奴というには難があるのですが、日常の7割は困った奴だけど、その困った部分が突き抜ける事で、時折10割いい奴じゃないか……? という気がしてくる凄いキャラ。他クラスの女子とも手広く支援会話があるので掘り下げの機会も多く、やたらおいしい立ち位置です。
 また、資質もあるが努力もする、という人間性を反映してか、ユニットしても普通に優秀で、馬要員のリーダー格。

カスパル
 熱血喧嘩馬鹿。
 馬鹿の喧嘩好き、という普段なら琴線に全く触れないキャラなのですが、継承権を持たない次男坊という立場から、自分で道を切り拓く為に何が出来るかを馬鹿なりに真剣に考え実行しているという要素を与えてくるのが今作の上手いところ。また、その真っ直ぐさが学級の中で良いアクセントになっており、感じの悪い馬鹿になっていないのも、上手いバランス。
 見るからに新要素の格闘担当なので格闘家の道を歩んでいますが、クラスチェンジが進むごとに露出度が上がっていく気がするのはどういう事なのか。後、先々の事を考えて斧も振り回し中。

◇リンハルト
 切れ者だが面倒くさがりで昼寝が大好きな無気力系魔術師。
 自由に生きたいがモットーな一方、学究肌なので気になった事には言及しないではいられず、しかし集中力が持続しない為、他人の行動に口を挟んでは説明の途中で面倒くさくなる……という、大変困った奴。穏やかな風貌で誤魔化していますが、実は、人間的には赤組で一番の問題児ではないか、という気がします。
 多分、リンハルトの頭脳と、フェルディナントに満ち溢れた自信とやる気が悪魔合体すると、最強生物が生まれる。

◇ドロテア
 歌劇団の元トップアイドル、という異色の経歴を持つ、恋愛脳魔術師。
 経歴も士官学校での目的意識も異例なら、赤組では数少ない平民でもあり、他のメンバーとは大きく違う視点を持った、支援会話におけるスパイス的存在。とはいえ和み要員かというと、恋愛脳を除けば本人の性格自体は至って真面目であり、むしろツッコミ担当。エーデルガルトを「エーデルちゃん」、ヒューベルトを「ヒューくん」呼びなど、大胆な呼称の違いは、キャラクターを特徴づけつつ会話のアクセントになっていて、秀逸な仕掛け。
 ユニットとしては、周辺キャラのHPを自動回復する個人スキルが優秀なのですが、割と満遍なく育つキャラが多い中、なんとなく成長率が悪い印象なのは、気のせいなのかどうなのか。

◇ベルナデッタ
 対人恐怖症かつ被害妄想の気があり、他人と面と向かうと、脅え、悲鳴をあげ、果ては脱兎の如く逃げ出す、引きこもりの弓矢担当。
 例えば30人の中から数人を任意で選択するとしたら、個人的には間違いなく選択から洩れるタイプのキャラなのですが、ストーリー進行における会話シーンの中ではこの性格が非常に良い味付けになっており、学級の和を積極的に乱す事で、ガヤガヤした楽しさを出すのに大きな役割を果たすという、複数の人間の関係性でキャラを面白くし、プレイヤーに思い入れを持たせていく基本の作りが上手く出来ているのは、今作の長所。
 次々と派手なリアクションを繰り出す極端なキャラ付けにより、たいがい誰と絡んでも支援会話が面白く、人間としても飛び道具。

◇ペトラ
 敗戦国の王家の娘で、帝国の賓客という名の“人質”である戦うプリンセス。背景が重く、本人も至って真面目な性格の為、基本シリアス時空に生きており迂闊に混ぜっ返しにくいのですが、フォドラの言葉が苦手でやや片言気味なのが、国を背負う将来の為に異国の地で懸命に学ぶ健気さの表現になっているのが、上手い見せ方。
 ユニットとしては、欲しい技能がバランス良く揃っているスタートダッシュタイプで、個人的な好みにより、先生と一緒に盗賊の道へ。プレイヤーはシリーズ歴代、《鍵開け》技能が好きなのです!
 ---
 基本的に、どのキャラも“悪い奴ではない”というのを描写のベースにしており(主従コンビはやや事情が異なりますが……)、人間的問題点も愛嬌として描いていくスタイルで、赤組でそれを最も象徴しているがフェルディナントかな、と。今もって特別思い入れがあるキャラではないのですが、フェルディナントというキャラが面白く描けている事には、今作の姿勢が良く出ていると思います。
 全体としては学級の生徒を“愛すべき困った奴ら”と描く事で、主人公(プレイヤー)と、共に学び成長していく構造に思い入れを持たせるという作りで、これはかなり、成功している印象。当初は学園要素には不安が大きかったのですが、(身分上の)学生が戦場に出る事に違和感のない設定に収めていますし、指揮官にして教師という主人公の位置づけが、システムとドラマ性を上手く融合する役割を果たしているのは、しっかりしたゲームデザイン
 ストーリーも今のところ悪くないですし、中盤以降どうなっていくのか楽しみです。