■〔ULTRAMAN Official〕で配信の始まったアニメ『ザ☆ウルトラマン』の第1話を、折角なので視聴。
1979年の日本サンライズ制作という事もあってか、OPで隊員5人が基地をバックに走ってくるのが凄く当時っぽいというかロボットアニメノリというか。
物語はナレーションの先導でガンガン進み、地球で続く謎の怪奇現象に対処する為に編成された科学警備隊のメンバーに選ばれた主人公は、勤務先であった宇宙ステーションから地球へ戻る途中、謎の光球と接触……オーロラのような光が降り注ぎ、足下には彩雲の渦巻く明らかにヤバい空間で接触してくる明らかにヤバいやつ。
「おまえは、誰だ?」
「私は――ウルトラマン」
その赤い不審者こそが、地球大気圏が謎の光に包まれ、空中に謎の文字が繰り返し浮かぶという、怪奇現象の犯人だった。
「その結果、科学警備隊が編成された」
意思が通じないのを前提に、不思議な現象を繰り返し起こす事で危機感を煽って現地人に戦力を編成させる、というやり口が大変腹黒いのですが、「第一段階」とか「第二段階」とか宣っているので、マニュアル通りの行動のようです。
そしてウルトラマンは、後進惑星防衛的接触マニュアル第三段階として、自ら当該惑星に降り立とうとしていた。
「だが、この姿では地球上に居る事はできない。君の体を借りる」
「えぇ?! どうして僕に?」
「宇宙全体の平和の為、私は君の体を借りて、地球へ行く!」
説明になっていない。
ウルトラ催眠の舞により強制的に主人公に憑依したウルトラマンは首尾良く科学警備隊に潜り込み、今、ウルトラマンと地球に出現する怪獣との戦いが始まるのであった……!
「ヒカリ、君の中に私がいる。だが、この事は、君と私だけの秘密だ」
「いったい、なぜ僕にウルトラマンが?」
「それは、いつかわかる時が来る。君自身が」
あらゆる言い分が東映名物駄メンターばりに胡散臭いウルトラマン、気軽にレンタルされてしまった主人公ヒカリと、地球の運命はどっちだ……?!
作品としては、特撮っぽい見せ方をするとか、《ウルトラ》シリーズっぽい演出をする(例えば出撃シーンとか)という方向性ではなく、むしろアニメとしてのアプローチを意識しており、ロボットアニメの亜種といった作り。
実写特撮ではないアニメならではの表現としては、氷山の中から次々と同型の怪獣が出現して4体に増える、というのは意外性もあって面白かったですが、3体目と4体目のフィニッシュブローが一緒だったり、そこからのアクションはもう一つ見栄えがせず(まあこれは、1979年だと思うとこんなものかもですが)、怪獣の増殖をアクションに物語を乗せる形で生かし切れなかった感があったのは残念。あと、主役ウルトラマンの登場ポーズがどう見ても「待て。話せばわかる」なのですが、地球での初お目見えがそのポーズで、本当に良かったのか。
正直、これといって惹かれる内容ではなかったのですが、ラスト2話が斧谷稔(富野由悠季)コンテらしいのでそれは気になり、ぼちぼち見られる範囲で見てみたいです。