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ピンチがチャンスだチェンジマン

電撃戦隊チェンジマン』感想・第30話

◆第30話「走れ! ペガサス!」◆ (監督:山田稔 脚本:藤井邦夫)
 乗馬倶楽部で見かけた馬の名が「ペガサス」だと知り親近感を覚えた勇馬は、高齢のペガサスが怪我をして廃馬処分にされると聞いて思わず引き取りを申し出……また一つ、トンカツ屋の夢が遠のきました。
 それはそれとして、実は土地持っていたのか勇馬。それとも電撃戦隊から便宜が図られたのか。
 その頃、東京上空に降り注ぐ謎の金属片によりガスタンクや新幹線が次々と爆発、全ての機械装置が異常を来して大災害が発生するという久々の大規模攻撃で、今回は特に霧ヶ峰ではなかった。
 挿入歌をバックにヒドラ兵相手に生アクションが続き、ここ数話、軽めのエピソードが続く中でアクション面で色々と見せてくれるのは嬉しいところ。
 レッツチェンジする5人だが、そこに巨大な眼を持つ宇宙獣士デリカルが現れ(目を大きく開いた際のデザインが怖くて秀逸)、その吹き出す粒子を浴びたチェンジマンは、スーツの内部メカを狂わされてしまう!
 「見たかチェンジマン! 宇宙獣士デリカルのマグネシャワー攻撃!」
 これこそが、都心部に大被害をもたらした謎の金属片による電波攪乱攻撃の正体であり、チェンジソードさえ撃てないチェンジマンは一時撤退。増幅装置によりデリカルの能力を強化し、地球全土をマグネシャワーで覆い尽くす事により、分断された地域を各個撃破していくという大規模侵攻作戦を決行に移すギルークだが、バズーからは最後通牒を受けてしまう。
 「ギルーク! この作戦が貴様の運命を決める。もはや失敗は許されん!」
 予告から、霧ヶ峰ロケ第二弾! 今度は馬だ! ぐらいの軽い気持ちで見始めたら、怒濤の展開で司令に迫るリストラの危機!
 「俺達は機械が駄目になると途端にギブアップだからな……戦えないチェンジマンなんかどうしようもないぜ! まったく……。……ペガサス、残念だけどおまえの力じゃどうにもならないんだ。心配するな。俺は自分に腹が立ってるんだ」
 ペガサスと勇馬の語らいが挟み込まれ、ただ愚痴るばかりでなく、状況を覆せない無力さに歯がみする、というところに勇馬のヒーロー(戦士)としての成長が見え、短い尺の中で手堅く描写を積み重ねてくるのが今作の良いところ。
 電撃基地は増幅装置の所在を突き止め、まともに変身できないのを承知で決死の破壊ミッションへと趣く事となる5人。これでお別れになるかもしれない、と勇馬はペガサスにお守りのペンダントを託し、嵐山の麓で生身の5人を待ち受けていたのは、ブーバ率いるヒドラ兵の軍団。
 「このままでは全員やられてしまう! バラバラになって、嵐山の頂上に行くんだ!」
 散開する5人だが次々とヒドラ兵の追撃を受け、一縷の望みを賭けた変身からペガサスアタックを放つも、ブーバに軽々と迎撃されてしまう青。
 「馬鹿め! おまえの動きは亀よりも鈍いわ!」
 だがその時、宙に浮かんだパワーシンボルに主の危機を覚ったペガサスが走り出し、勇馬をなぶり殺しにしようとするヒドラ兵の輪に躍りかかると、炸裂する馬キック!
 ペガサスは次々とヒドラ兵を蹴散らし、強いぞ馬!(身も蓋もない解釈をすると、勇馬のお守りを媒介に、一時的にアースフォースの強い影響を受けているのかと思われます)
 「ペガサス……俺と一緒に戦う気か! よし、デリカルを倒して地球を守ろう!」
 勇馬はペガサスにまたがり、騎兵突撃すると仲間を助けながら山頂へと向かい、凄いぞ馬!
 しかし、増幅装置に爆弾を投げつけようとした勇馬は伏兵シーマの妨害を受け、落馬。続けての攻撃で装置に近付けないでいる内に、取り落とした爆弾をくわえたペガサスが、主に代わって増幅装置へと特攻を仕掛け、装置を道連れに大爆発してその命を散らす……。
 王道といえる展開ですが、地球の生物の突撃に腰の引けたシーマが、思わず道を空けてしまう事に頷ける迫力ある映像。
 「ペガサス…………。シーマ! デリカル! よくもペガサスを……許さん!」
 怒りのチェンジペガサスは、天狗流螺旋シュートでマグネシャワーの発射口を破壊し、強力獣士の攻撃モーションを印象的に描き、そこを突いて攻略する、という映像演出も手堅い。力を取り戻したチェンジマンは集合するとヒドラ兵を蹴散らし、獣士に対してはペガサス稲妻スパークからパワーバズーカでフィニッシュ。巨大戦は空中攻撃からさくっとサンダーボルトで、恐るべき獣士を打ち破るのであった。
 「バズー様……どうかお許しを……!」
 「愚か者! 貴様の顔など二度と見たくもないわ!」
 ギルークはお仕置き光線を受けて床をのたうち回り、ここ数話の小物演出の果てに、遂にリストラ?! 満を持して前線で大暴れした後、一度も再出撃しない内に遠征軍司令の椅子から転がり落ちそうになっていますが、思えばあのエピソード(宇宙ピラニア大作戦)も勇馬回だったので、もしかして勇馬と相性が悪いのか。
 地球では、仲間達と共に夜空の星を見上げながら勇馬がペガサスとの思い出を振り返り…………やはり、牝馬だったのでしょうか。
 「……ペガサス、おまえは本当のペガサスになるんだ」
 残されたお守りを星空に向けて投げると、それが天馬のイメージとなって星の海を駆けていく、というのは綺麗なオチでした。
 前回は「美しい自然を大事に」、今回は「動物との交流」、といずれも定番プロットですが、前回は「美しい自然はアースフォースの象徴」、今回は「地球に生きる動物たちも共に戦う仲間」と、『チェンジマン』の作品世界と融合する事で、『チェンジマン』の1エピソードである独自の意味、を獲得しており、世界観とそこに内包されたテーゼの一貫が、重ねて今作の長所です。
 今作の藤井脚本は基本的に、その部分を意識したエピソードで世界観の補強を繰り返し続けており、藤井さんがサブライターとして明確な立ち位置を持って参加しているのが、今作の完成度を底上げしてくれています。
 次回――東映的に、大変危ない感じのする老人が!
 見るからに、思わせぶりな事を口にして途中で爆死しそうな風貌ですが、大丈夫なのか?!
 ギルーク司令の処遇も気になりますが、物語は星王バズーの秘密に迫る?!
 あ、ギルーク司令は、力を奪われて地上のゴミ捨て場に転がっていた所を、アハメスに拾われるで是非(どれだけ、そのシチュエーション好きなのだ私よ)。