本日は、雑文『ルパパト』落ち穂拾いを書きました。
いつか、また逢えれば
◆匿名さん
＞普段、戦隊を見ない人がルパパトを見たとしても、どれくらい後に繋がるんでしょうか？
＞例えばシンケンジャーで興味を持って戦隊を見始めた人が次のゴセイジャーをみてどう思うか？という話です
そうですね、たとえば来年再来年、撮影協力を求めた先の担当者が“現在の戦隊”について知っている事で話がスムーズに進む事もあるかもしれませんし、これまであまりコネクションのなかった脚本家に参加を打診した時に、面白がってもらえる可能性も上がるかもしれません。若い視聴者の話をするなら、５年１０年後に、戦隊、がもし無かったとしても東映特撮に関わる仕事に就いているかもしれませんし、私がここで述べているのは、そういった、もう少し作品の外縁の話と思っていただければ。
◆八手四郎次郎さん
＞製作陣がどこまで意図したのかは分からないんですが、かなり"ルパン三世ビギンズ"といった趣の決着になった感じがしますね。
ああ確かに、最終的な着地点は、今作そのものが一種の前日譚であった、という趣はありますね。
＞あの三世だって｢やっとお日様の下に出られたんじゃねえか。俺みたいに薄汚れちゃいけないんだよ｣とクラリスを突き放したというのに......。
私はそこで、なぞらえて例えるならば、クラリスが自分だけでなく三世を救おうとする道を選ぶ、という構図自体は割と好きなのですが、ここはホント、好みと許容の分かれる部分になったなぁと思います。そういう点ではよく、大火傷覚悟でこの展開にゴーサイン出したな、とは思うところで。
＞コグレとノエルが最終的に｢お主もワルよのぉ｣的"最後に笑う奴が一番のワル"キャラとされたことも正直唐突な印象が拭えなかったですね。
結局、ルパン家のコミュニティは閉じたまま終わってしまうんですよねー。私としては、ノエルの行動や情の移りかけているコグレにより、ルパン家が変わっていくところを見たかったので、これは一つ、残念なところでした。
＞｢非業の運命に呑み込まれた６人の若者達が悪戦苦闘する青春群像｣という本作の根幹部分をいい加減な形にはせずきっちりと描ききる、ことに関しては最後まで徹底された
残念だったと思う部分は幾つかある一方で、ここはホント１年間貫かれて、とにかく、１年間の波乱万丈を一定以上のレベルで最後まで楽しませてくれた、という点では面白かったですね。
◆あきさん
＞ルパン側は文句なし、警察とノエルは痛みを感じる終わり方で、なかなか気持ちの整理がつかない感じです。
面白かった部分と、納得しきれない部分が、大変せめぎあう最終回でしたね……。
＞見せ方によっては全てがノエルの掌の上となりかねない構造的な問題があるんですよね。
これを避ける為に、ノエルにはノエルの問題がある、とした所は好きだったのですが、そこに生じたひづみがどんどん大きくなって、カバーしきれない部分が出てしまったのかなーという感じは、どうしてもありますよね。
＞圭一郞達と視聴者に｢警察はなぜ戦えていたのか｣と改めて突き付ける事になりますが、それを少なくとも本編では避けたと感じてしまいました。
警察戦隊にとって最大のジレンマは「正体を知った時に快盗をどうするか」よりも、「自分たちだけでは世界を平和にする力が足りない事」であった筈が、すり替えられたというかすっ飛ばされてしまいましたよね……それも影響して、最終的に今作は現状「個人」の話で終わった、という印象もあります。
＞当初は両戦隊を強化して自分は相対的に弱体化していくノエルと使えない理由を絡めて、その正体や決意を描く予定だったのかも
そう持っていくと、ノエルの抱えている問題と警察の抱えている問題（一人では世界を救えない）も重ねられて、双方の関係性が濃厚になったかもですね。それに対して、快盗はどう動くのか、というのも劇的になりますし。
＞他で容赦なく引き算したのかなと、この人の見せ方はいつもこういう足し引きの繰り返しだったと思いました。
ああ成る程、そういう造形を余儀なくされていた、というのは納得です。
＞快盗というのは彼らの気持ちを軽くする名目で、実際はコレクション探索限定、ルパンレンジャーというより危険で違法な戦闘のないボウケンジャーですし。
あの３人に関しては、明確な違法行為は（ノエルが）させていないのだろう、と私も思うのですが、とすると、最後にして最大の犯罪が、国際警察特別拘禁室への不法侵入……？（笑）
＞もしこのまま続編がないならむしろノエルは共闘のために天がくだしたいっぴきの妖精とでも思っていようかと。
この世界には、アルセーヌの賭けた呪いがあるのではという気がしている今日この頃なのですが、ノエルはそんな呪いの最後に出てきた希望の妖精、と捉えるとなんだか腑に落ちてきたような落ちていいのだろうかというか（笑）
＞ノエル不在でもパトレンがコレクションを回収してノエルに現物か情報を渡している可能性もあるのではと思いました。
ああ、快盗救出の為、などの名目があれば、そこのところの協力関係は成立しそうですね。実際に、グッティが金庫を開けられるコレクションを探しに宝物庫に向かった、というのはありましたし……そこを描かれていれば、警察もドグラニオ金庫を放置していたわけでない事を明示できて、ルパン家側は最後の手段として勝利達を快盗にした、という点も接続可能な感じですね。
＞もしかしていっそ警察とノエルは販促の制約のない形でその後を描きたい気持ちがあるのでは？
＞スピンオフを望む声が大きくなるのを待っているのでは？と期待してしまったりしています。
キャスティング時点でスポットライトが見込み６：４ぐらいになりそう、というのは意思疎通済みだったとは思うのですが、プロデューサーとして警察戦隊のキャスト陣に対して、若干申し訳なさを感じている部分もあるのかもですね。そういう事情も含めて、出来ればこの先の話をやりたいのでは感は私も感じました。
＞玩具とは対照的に映像ソフトはかなり好調でGoサイン出しやすそうですし。なので終わった寂しさと終わっているはずがない的ごちゃ混ぜ感がない交ぜです。
公式サイト読んだらブルーレイの販売が歴代２位の海賊を超えそうな勢いだという事で、後押しになるといいですねー……にしても、歴代１位が侍で、ベスト３全て宇都宮Ｐ作品とは、恐るべし。
＞1年間完走お疲れさまでした。お陰様で本編を見る楽しみも増し、ついつい毎回長文垂れ流しを繰り返しましたこと御容赦下さい。
ありがとうございます。『帰ってきたパトレンジャー』の実現に期待したいですね……！
◆みなもさん
＞一年間感想お疲れ様でした。コメントしたのは数回ですが、毎週楽しく読んでいました。
ありがとうございます。そう言っていただけると幸いです。
＞一度踏み外した道は元には戻らないという妙な生々しさがあるのですが、きちんと罪の生産をして料理人や服飾の道という夢に立ち戻ってほしかった。
金庫から出た時点では超法規的処置の可能性などもあったと思うのですが、堂々と快盗続行宣言で警察に宣戦布告してしまいましたからね……。
＞咲也と初美花の恋も叶わず、透真も彩さんと籍も入れられないと考えると彼らの将来が心配です。
この二人が結婚するにはもう、高飛び、ですかね……ルパン家の財力があると、顔も戸籍も変えて別人として暮らせそうなのがまた妙に生々しくなりますが、それはそれで、ますますルパン家に縛られる事になるという……。
＞そのあたりもリアルと言えばリアルで世知辛い。
幕間の、パトレンジャー大人気！ というのは地味にえぐいシーンでしたね……状況考えると、圭一郎辺りには思う所が色々ありそうですし。
＞魁利がなにに苦しんでいて、圭一郎のどこに救われたか話すことはこれからもないでしょうし、真面目なおまわりさんが挫折感を味わったままで終わってしまったのは後味悪いです。
表向き、いつもの馬鹿騒ぎが戻ってきて、色々と問題はあるけど皆なんだか楽しそう、みたいに落としましたが、特に圭一郎は相当悲惨な立ち位置になってますよね……怖くてあまり掘り下げたくないレベルというか。この辺りはどうしても、スッキリしない部分で。
＞満を持して登場の脳筋感溢れるスーパーパトレン1号が圭一郎に似合いすぎて笑ってしまいした。
ホント、ＴＨＥ・圭一郎、という感じだったので、最後の最後しか出てこなかったのが惜しまれますよね（笑）
＞てっきり人間用コレクションがノエルに使えないせいかと思ってました。
ノエルとコレクションの関係については、本来はなにかしらエピソードを予定していたけど、入れられなかったというのはありそうですね。
＞大切な人を快盗にスカウトするコグレさんにもおいおいと思いましたが、協力するノエルもノエルだ。
トンデモコレクションの管理者、という立場はあるにしても、もう少し、ルパン家との世界の関わり方には、変化が欲しかったですねー。ノエルともども、投げ飛ばされてしまった感じで。
＞ジャックを探すだけなら国際警察に協力してもらってもいいのにそうしなかったのはコレクション集めに支障が出るからでしょうか。
警察の手には負えない存在、みたいな認識だったのかなとは思うのですが（押収されると困るというのもあるかもですが）、そこでだから快盗が必要だ、という発想が大変アレですよね……。
＞そもそも警察に魁利たちの生存の可能性と助けるために動いていることを一言でも言ってたんでしょうかね？
さすがにそれは、伝えていたと思いたいところです……。
＞語られてない隙間がたくさんあって、そこを好意的に埋められるかそうでないかでものすごく評価が別れるキャラですよね。
行間に色々隠れているのは良いのですが、話が進むに従って、行間が増えていくばかりになってしまったのは、ノエルの厄介なところでしたね。
＞特にキャラクターの魅力が素晴らしいので、かっちり設定が決まっている作品で香村さんの脚本を見てみたいですね。
エピソードのメインキャラでなくても、さりげない描写でキャラを積み上げていくのが巧いので、次のメインがあれば、もう少し楽に書ける作品で……と思います（笑）
◆つるさん
＞かなり入り組んだ作品だったので、自分の中で噛み砕く際に、こちらの丁寧な感想にかなり助けられました（笑）
ありがとうございます。ホント消費カロリー高い作品でしたね……。
＞怪盗と警察の両取りを目論んだノエルが、そのどちらにもなれないというのはとても誠実で好きだったのですが、
＞そこからの「変身」まで手が回らず、「ルパン家のノエル」に戻ってしまったのが本当に惜しかったですねー
ここはやはり、その先まで収めて欲しかったですよねー。それをどう見せてくれるかに結構期待していたのですが、どちらかいうと、コグレさんの「（ちょっと）変身」の方にウェイトがという（笑）
＞それでも最終回のルパンレンジャーとルパン家の関係は、やっぱり「貸し借り」以上の物にはなれなかったように感じました
「情」があるのはわかるとしても、どうしても展開的に「恩義」のウェイトが大きくなってしまいましたよね。それが互いに循環しているのがまた、厄介な所で。
＞ノエルに借りを返すために一人で怪盗を続けようとする魁利の前に透真と初美花が現れる、的な展開があったのが、
＞尺や見せ方の都合で没になった…くらいはあり得そうな詰め込み具合だったので、取捨選択としては正しいのは分かるのですが^^;
ああ、そういうのあると、立場の違いとそれを乗り越えて、という要素が入って良かったですね。ノエルも含めて、みんなで笑う、という新たな約束の履行にもなりますし……完全にカメラが完全に快盗に寄ってしまうので、警察戦隊とのバランスというのもあったのでしょうが。
＞出来が良かった分、どうしても詰めが甘かった点が目についてしまいますが、斬新なアイデアを出し惜しみしない作風を一年間貫いたのは本当に面白かったです
今作のマイナスって割と、プラスから生まれている部分が多いので、そもそもここまでのプラスを積んでいるので……というのが、ホント厄介な作品だな、と（笑）
＞違う畑のスタッフを連れてきたリュウソウジャーには頑張ってもらいたいですねー
パイロット版の演出・脚本ともに戦隊初、というのが、新しい切り口の面白さになってほしいですね！
◆五月サツキさん
＞CV宮野真守のみたいなキャラ、とはニノさんのことでしょうか(笑)。確かにそんな感じもします。ちなみにアニメでは諏訪部さんが担当なさっていました。
はい、二宮です（笑） 私の中ではああいう顔は、宮野真守顔という印象がありまして。諏訪部さんも納得ですが。
＞「若いの」は本当にツボです。盾使い、斧使い、からのヒゲとお前が言うなと思っていたところで若いのでトドメ刺されました(笑)。
あの流れは面白かったですねー。風間さんは風間さんで、淡々と戦っているのがまた。
＞佐鳥は実は優秀なんですよね。
伊達に嵐山隊のメンバーではない、というのが端々で描写されているのが巧いですよね。結構色々、戦場で無茶振りされていそうでもあり（笑）
＞生き残りは迅さんが取捨選択した結果なのかも、と考えれば考えるほど背負っている業に目眩がします。
現時点ではまだ掘り下げずに匂わせる形に留めているのは意図的なのでしょうが、時と場合によって複数の他人の生死の天秤を握り続けているというは、想像を絶しますよね……。「太刀川さんや風間さんとやり合っていた頃が一番楽しかった」というのも今になると物凄く重いですし……いつか修や遊真が、迅のそういった部分に寄り添える日が来るのは期待したいところです。
＞嵐山さんも齢１５にして爽やかな笑顔で最後まで戦える発言をする覚悟決まりすぎな光の狂人
嵐山さん、メンバー中でも迅さんと割と仲よさそうなのが、根っこのところで何か通じるものを持ってそうなももまたちょっと怖いところで（笑）
＞イコさんはフリーダム
Ｂ級ランク戦あそこまで進んでから、あんな強烈な爆弾が炸裂するとは思いませんでした（笑）
＞アニメは日曜の６時半にテレ東で１年半放送されていたのですが、作画が東映クオリティで微妙な回が多かったですね……。
そういう時間帯にやっていたのですか。原作の作り込みが、オリジナル展開をやるにはかえって難しそうな作品ではありますよね……。日曜朝だと、痴漢行為のカットは納得です。
