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我々の 地球の為だ やむを得ん

電撃戦隊チェンジマン』感想・第22話

◆第22話「鏡に消えた戦士!」◆ (監督:長石多可男 脚本:鷺山京子)
 さやかと麻衣が新技の開発に向けて特訓に励む中、街には宇宙獣士ミラルカが出現。
 鏡のイメージなのでしょうが、鋭角なデザインが「動く折り鶴」のようでなかなか面白い獣士は一当たりすると姿を消し、手分けして追跡するチェンジマンだが、さやかが獣士の能力によって姿をコピーされた上、鏡の中に閉じ込められてしまう。さやかに化けた獣士の目的は、チェンジマンの根城、電撃基地を発見する事!
 麻衣に接触した偽さやかは、麻衣のバイクに先導されて首尾良く車で基地への帰路につくが、通信用に身につけていたマイクロカメラの電波がゲートのチェックに引っかかり、どこからともなく現れた迷彩服の一団に銃を突きつけ包囲されるのが、凄く電撃戦隊です!
 我々は戦争をやっているのだ、と中核メンバーにさえ身体検査を敢行し、麻衣さんが物凄く必死にフォローを入れている姿に見る、裏切り者は例えチェンジマンといえど、特別拘禁室送りの末に軍事法廷にかけられる――それが地球を守るジャスティス。
 「カメラが無いか……どうしたものか」
 ミラルクはマイクロカメラを密かに処分する事で窮地をくぐり抜けるが、映像が途絶したアジトではブーバが歯がみ。苛立たしげに動かす刀身にリズミカルに光が照り返すのが映像的に格好いいのですが、それを見たさやかが閉じ込められた鏡世界は光を通す事に気付き、ブレスレーザーをブーバの剣に反射する事により鏡を砕いて脱出する、という流れに繋がるのがまた鮮やか。
 捕らえた敵にわざわざ基地の危機を見せつけようとするから足下をすくわれる、というのも悪の敗因として綺麗で、チェンジマーメイドしたさやかは自ら崖下にダイブする事で、ゴズマのアジトから脱出し、早かった!(まだAパート)
 一方、電撃基地へと繋がる地下エレベーターに乗り込む所まで成功する偽さやかだが、司令部へと繋がる入り口で指紋承認システムを無視してくぐりぬけようとしてショック光線を浴び、裏切り者は例えチェンジマンといえど(以下略)ですが、セキュリティが発動して基地が自爆しなくて、本当に良かった。
 偽さやかが、指紋承認システムを使う前に、いつものようにハンカチで手を拭かなかった事で(序盤の展開が伏線に)、うっすらと抱いていた不審を確信に変えた麻衣は、「侵入者あり」を符牒で司令部へと伝え、基地内部に入り込んだ偽さやかを待っていたのは、取り囲む電撃戦隊の銃口
 …………改めて、基地内部にスパイ排出システムが取り付けてあった太陽戦隊(というか嵐山長官)のキチガイぶりに戦慄。
 負けるな僕らの伊吹長官!(いいのか)
 正体を現した鏡獣士は、電撃基地の場所を遠征軍本部へ伝えるべく脱出をはかり、それを追う戦士団、という通常とは逆の構図のサスペンスが、一つアクセント。外を探し回っていた麻衣はさやかの姿を発見するが、それは果たして本物のさやかなのか……? 戸惑うところにもう一人のさやかが現れ、二人のさやかが面と向き合って互いに本物を主張する定番の展開から、さやかを追ってきたブーバも加わって困惑二乗(笑)
 目を白黒させるブーバと、仕方がないので偽さやかもブーバに向けて戦意を見せるの図が面白い事に。
 果たして、本物のさやかはどちらなのか……かつて、地球を守ってきた先達は言いました。
 撃って死んだら地球人だ! 撃って溶けたら異星人だ!
 (※多分言ってない)
 ウル○ラ警備隊魂に目覚めた麻衣は、敵に捕まったのがうぬの不覚よ、二人まとめて「チェンジソード!」じゃなかった、さやかに“新技”の合図を送り、空中に飛び上がった麻衣と本物のさやかは、飛び蹴りで友情を確認(笑)
 「遅い!」
 「麻衣こそ!」
 「はぇ……?」
 「ミラルカ! 姿形は同じでも、私たちとはハートが違う!」
 「基地の秘密は渡さないわ!ここから先は、一歩も通さない!」
 死の訓練を乗り越えて得たアースフォース魂は物理で通じ合い、そこへ今回概ね役に立ってない男3人が駆けつけ、5人並ぶチェンジマン
 桃白は鏡獣士に土壇場でコンビネーション攻撃――ダブルソード・オーロラシューティング――を炸裂させ、空中で互いの足の裏に飛び蹴りをぶつける事で、急反転して射撃するというのが普通に格好良く、「新しい技が完成したな!」と讃えるレッドは魔球持ちだからいいとして、そこの青黒も「ダブル残念・へっぽこシューティング!」みたいなコンビ技を開発した方がいいのではないか。
 トドメのパワーバズーカで爆散したミラルカは巨大化し、ミラー攻撃を力技で打ち破ったチェンジロボは、空中攻撃からサンダーボルトでずんばらりん。
 オチではブティックに繰り出しお洒落する女性二人を野郎衆がホラーマスクで驚かせ、疾風は荷物持ちとなるのでありました、でつづく。
 最後になんか勢いでジャンプしてまとめるのは、そういえば最近、めっきり見なくなったな……と思いましたが、いつ頃からいつ頃までの文化なのだろうこれ(や、キッズアニメとかだと現在でも残っているかもしれませんが、ジャンプオチ)。
 割とオーソドックスな女性メンバーコンビ回といった作りと出来で、さやかメインに寄るのは配役上の都合もあるのでしょうが、一つの不審をきっかけに麻衣がしっかりと偽物の正体に気付き、命がけの戦場でぶつかり合う中で育まれてきた友情、が印象づけられたのは良かったです。
 次回――すいへーいせーんの終わりにはあああー。