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君が太陽である限り

快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』感想・第49話

◆#49「快盗として、警察として」◆ (監督:杉原輝昭 脚本:香村純子)
 もぬけの殻のジュレ、という象徴的なシーンからスタートし、「髪の毛一本落ちていません」ってコグレさん、超優秀だな……。指名手配の身となった魁利達3人は新たな隠れ家でノエルから、ドグラニオの金庫は無限の空間を持つ上に収めた全てのコレクションを使う事が出来る規格外の代物だという事を教えられる。
 そのドグラニオのギャングラー粛正シーンはありませんでしたが、ここは勝手にあった事に脳内保補完して、ボスの発想を正確に読んだザミーゴは、粛正パーティの終わった頃合いに顔を出しに来たという事で!
 「俺のおもちゃ取らないでほしい、な」
 軽く肩ツンするザミーゴに対して、胸グイしてドスを利かせるボス。
 「組織にこだわるのは、馬鹿のする事なんだろ? ――だったら、若い奴らの事なんか知ったこっちゃねぇ。……1000歳超えようが、死ぬまで好きなように暴れてやるよ。この俺もな」
 「あーあ……俺余計な事言ったかな? ま、だからって遠慮はしないけど~。やっと見つけた楽しみだ。たとえボスでもルパンレッドは譲らない。俺の何を賭けてもね」
 「ふん……好きにしろ」
 ドグラニオはどこか虚無的で破滅的な心理が見え隠れするというのは前回も書きましたが、これから活動開始というタイミングで「死ぬまで」と口にし、ザミーゴはザミーゴで「やっと見つけた楽しみ」「俺の何を賭けても」と返す姿に、この二人はどこか似た心性を抱えているように見えます。
 ザミーゴの場合は、頭が良すぎて物事の先が見えてしまうばかりに退屈していて、一杯食わせてくれたルパンレッドに対して特別な執着を抱くようになった、という感じでありましょうか。
 国際警察にはノエルが平然と姿を見せ、こちらは咲也が血相を変えて胸グイ。
 「知ってたんですよね? 初美花ちゃん達が、快盗だって」
 「…………ウィ」
 さすがに目を逸らしました。
 「知っててなんで僕たちが仲良くなるよう仕向けたんですか?! 面白がってたんですか?!」
 「………………本当に……仲良くなれたら素敵だと思ったんだ」
 今度は正面を向いたまま答え、これがノエルの信念であると明示されるのですが、そこで、無言で引き下がったら駄目じゃないかな咲也……。
 理想論として一理はあるとチラリとでも考えてしまった故になのかなとは思いますが、取りようによっては、(あ、こいつ、何を言っても無駄だ)と投げてしまったように見えなくもなく、今回、率直に言いまして、ノエル絡みのシーンは大不満。
 「失ったものを取り戻す事と、平和な未来を守る事。僕にはどちらも大切な願いで…………大切な仲間だから」
 ノエルはどちらも本気なので、本気の両者をどちらも応援したいし、その為には体を張る事も自分が嫌われる事もいとわない、というのはわかるのですが、理想論者×自傷主義がベストマッチした結果、「大切な仲間が傷ついても自分が泥をかぶって謝ればいいよね」となってしまっているのが凄く負のスパイラルで、どうにかノエルをそこから引っ張り出さないといけないと思うのですが、果たしてラスト2話で盛り込む事が出来るのか。
 「君たちを傷つけてしまった事は……本当に申し訳ない」
 そしてノエルがここで謝るのならば、それは「(結果として)君たちを傷つけた」事ではなく「仲良くさせる為のやり方が間違っていた」事ではないかと思うわけですが、そこ反省しないとノエルは、また同じ過ちを繰り返すような。
 勿論、ノエルの行動で救われたものは沢山あるでしょうし(そもそも警察戦隊へのチェンジャー横流しはノエルの仕業でしょうから)、ノエルは決して完璧超人ではないので、部分的失敗もするでしょうが、失敗した時に、反省する場所が間違っているというのは、とても引っかかります。
 物語として、ノエルの取った手段は肯定する、という事で通すのかもですが、個人的にはどうも、納得できない部分です。
 「でも、僕はその二つを達成しなければならない! さあジムくん、ドグラニオとザミーゴの情報を追ってくれ!」
 ……そして、なんの許しも得ずに強行突破をし始めたぞ。
 個人的な引っかかりはさておき、ノエルの行動に対して咲也&つかさが許すなら許す、許さないなら許さない、とリアクションを示してくれればまだ良かったのですが、勢いで流してしまったのが凄く残念で、結果オーライでOKにしても、それはそれで人間として許せないにしても、警察側からノエルへのなんらかのケジメはつけてほしいですし、出来うるならその際に、ノエルがはまっている毒の沼地から引っ張り上げてもらえると良いのですが。
 そこを描かないでこのままだと、最悪「ノエルの言い分に納得した」というよりも、「VSチェンジャー横流しの借りがあるので受け入れておく」みたいにも受け取れますし……とにかく個人的には、
 「仲良くなれたら素敵だと思ったけど、やり方が間違っていて申し訳ない」
 ならまだしも、
 「仲良くなれたら素敵だと思ったけど、君たちを傷つけてしまって本当に申し訳ない」
 はどうにも納得がいかないのでありました。
 その頃、缶コーヒーを手にベンチで座り込んで頭を冷やしていた圭一郎の前には、魁利が自ら姿を見せていた。
 「どうして俺の前に現れた」
 「圭ちゃんが、俺と話したいんじゃないかなーと思って」
 「この場で手錠をかける事も出来るんだぞ」
 「かけるの? 俺に? 今ここで?」
 魁利はおどけた調子で両手を広げてニヤリと笑う。
 「……それだ。ずっと不思議に思っていた。時折ルパンレッドが俺に向ける、妙な信頼はなんなんだと。でも正体が魁利くんだったのなら、わからなくはない」
 自分の向けていた感情が「信頼」であると面と向かって指摘された魁利は顔を背けて唇を歪め、圭一郎に対する複雑な心情を覗かせるのですが、自分に向けられていた感情は「信頼」であると言い切ってみせる圭一郎の魂が強い。
 「君の笑顔も、少しは本心だったと思っていいんだよな?」
 「…………そうじゃないだろ。……もっと俺に言う事あるだろ」
 (なんで帽子のロゴがTAKARA TOMY配色なんだ!)
 ……大変深刻なシーンで、失礼しました。
 気を取り直して、声を震わせた魁利はつかつかと圭一郎に歩み寄り、最初に画面の両端で二人が向かい合ってから終始、距離を詰めていくのは全て魁利。
 「俺はずっと……ずっとあんたを騙してたんだぞ! 怒れよ……ルパンレッドと戦う時みたいに怒れよ!」
 あの魁利が感情を剥き出しにするに際して、ギリギリ一杯まで顔を近付けて面罵を望む、というのが強烈なカット。訣別を、罵声を、憎悪を望む魁利だが……
 「…………怒ってるさ。……自分の不甲斐なさに」
 まあ圭一郎は、そっち行くよね、という強い納得感。
 「…………俺は何故もっと早く気づけなかったんだ?! ……俺がもっと……頼れる警察官だったら……苦しんでいる君たちを救えたかもしれないのに」
 衝撃の真相暴露から溜めに溜めた感情の爆発、とわかりやすい魁利に対して、頻繁に叫びがちな圭一郎の深い悔悟も同等に痛切な想いである、というのがしっかり伝わってくるのが実にお見事でした。
 ここで圭一郎が、ノエルに対するつかさと咲也の分も代弁した、と捉えてもいいのかもしれませんが、前のシーンで足りなかったのはこのリアクションの部分で、このシーンになぞらえると魁利が「怒れよ!」と言ったところで圭一郎が反応しないまま次の展開に進んでしまったようなものなので、なんとかなるといいのですが……物語としては、「魁利と圭一郎」にこそ最大のウェイトがあるので、諸々を鑑みてそこに最大限の尺を割いたというのならば、その選択そのものは正しいと思いますが。
 魁利と圭一郎、渾身の泣き怒りと泣き怒りがぶつかり合い、帽子を目深に被り直して背を向ける魁利。
 「…………あんたがどんな警察官だろうと関係ないさ」
 「どうして?」
 「警察官に頼らない奴が、快盗になるんだよ」
 快盗は宿命ではなく可能性の存在であり、世界のどこかに必ず、快盗になりうる因子が存在している、という魁利の言葉は、ヒーローフィクションとして痛烈。
 光が射せばそこに必ず陰が生まれ、全ては決して救えない。
 救われたいとも思っていない。
 ならば……
 「待て! 本当に俺に出来る事はないのか?! 我々だって助けたい! お兄さん達が<化けの皮>にされる前に!」
 「……え? <化けの皮>? 兄貴が?」
 同時刻、ノエルも国際警察で<化けの皮>の真実について知り、つかさが「おまえには隠していたからな……すまない」と謝るのもどうも違う気がするわけですが、起点としてノエルが警察に対して“誠実ではなかった”のは確かなので――この点、「正当な目的の為に不当な手段を辞さない」のが意図的であるならばノエルの本質はやはり快盗にあるわけですが――ノエルが警察でもあろうとするならば、何よりノエル自身がそこを見つめないといけないと思うわけです。
 その点、作劇としては「ノエルが警察に所属しているのは建前でなくて本音」という事を強調して見せなくてはいけないのに、そのジレンマに生じるノエルの痛みを描ききれなかったのは、巧く転がしきれなかったなと思う部分(鳩時計回でこれをやりたかったのかもですが、斜め上に失敗した感)。
 かくしてW戦隊の抱えていた情報が繋がり、透真が見覚えのあったトカゲギャングの人間体は、彩のすぐ側で氷漬けになっていた犠牲者だった、と伏線を回収。取り戻したい人は既に<化けの皮>にされてしまったのか……? 打ちひしがれる3人が感情を整理する間もなく巨大ドグラニオが出現し、とにかくコレクションを抑えておかねばとVルパンカイザーで立ち向かうが、糸鋸は文字通りに歯が立たない。
 「残念だったな。俺の鎖は絶対に切れない。この俺自身にもな」
 ドグラニオはコレクションの大盤振る舞いでルパンカイザーを攻撃し、そこに姿を見せたザミーゴは、勝利・彩・詩穗の入った氷を3人に見せつけて挑発。Xエンペラーが救援に駆けつけるが二台揃ってドグラニオのコレクションフィーバーに手も足も出ず、広域破壊+個人シェルターの合わせ技により、都心部、通算3度目のカタストロフ。
 ライモン → デストラ → ドグラニオ、と節目の大物による広域破壊の規模と被害状況がどんどん酷くなる事で格を見せる、という力技を最後までやり抜いて見せました(笑)
 「フッ、今日はこんなところか」
 周辺一帯を炎と瓦礫の荒野に変えたドグラニオは異世界へ帰還し、爆心地からは離れていたのでしょうが、現場に来ていた警察戦隊3人を守り抜いたパトカー、強い(笑)
 まあ、半分にぶった切られたり、構成員の襲撃を受けたり色々あったので、装甲を強化したのでありましょう。
 CM明け、血に濡れた魁利の帽子に始まり、くすぶる炎と瓦礫の中で身を起こした魁利が、倒れ込むように隠れ家へ辿り着いた際に窓に付く血まみれの手など、かなり攻めた流血表現。
 透真と初美花は意識不明の状態で国際警察に身柄を確保されており、コグレに応急処置を受けた魁利は痛み止めを流し込むと息も絶え絶えながら街へと向かい、ドグラニオの脅威・快盗戦隊の危機・タイムリミットへの焦り、を迫真の演出で畳みかけてきます。
 「死んでも俺が……取り戻す」
 大切な人達の為、魁利はザミーゴを探して夜の街を飛び回り、一方、魁利を探す圭一郎は、血まみれの帽子を発見して夜の街を駆ける。
 「俺しかいないんだ……俺しか……」
 そして、負傷と疲労で倒れかけた魁利に手を伸ばして助け起こしたのは――朝加圭一郎。
 二人の背後には――東雲の空。
 「ザミーゴのところへ行くつもりか。あんな化け物相手に、一人で挑むなど無謀だ」
 「そっちが透真と初美花捕まえたんだろ」
 圭一郎の手をもぎ離し、よろけながらも背を向ける魁利、だが……
 「――俺が居る」
 「……は?」
 「前に言っただろ。君の力になりたいと」
 「どんな理由があろうと、快盗という手段を選んだ時点で間違ってんだろ」
 「俺が警察官になったのは、苦しむ人々を助ける為だ。……もし警察という立場ゆえに、目の前の君を救えないのなら……俺は警察を辞める」
 圭一郎にとっては警察官である事は「目的」ではなく「手段」であり、苦しむ人々を助ける為ならばその手段を切り替える、という渾身のちゃぶ台返し
 そして「目的」の為にいかなる「手段」も取ってみせる決意を固めた圭一郎は“「快盗」とは何者かを理解”し、かつて「命を賭けている」事をどこかで免罪符とし、圭一郎が「仕事」の為に命を賭ける事を理解できなかった魁利は、警察と快盗という立場を超えて同じ境地に辿り着いた圭一郎の姿に“「警察」とは何者かを理解”する――。
 ここに表裏一体を成していた二人が同じ人間として互いの理解に到達する、という美しい交錯が果たされ、その頭上から射し込む夜明けの光。
 圭一郎の言葉に振り返る魁利だが、そのタイミングで街に巨大構成員の軍団が出現。振り仰ぐ圭一郎の背にスッキリとしてどこか苦笑めいたものを浮かべた魁利は、その背中をそっと押す。
 「魁利くん?」
 「あんたはそっちに居てよ。こんな快盗じゃなくて、もっと沢山の人助けなよ」
 「しかし!」
 「俺が圭ちゃんになれないみたいに……圭ちゃんは、俺みたいにはなれない」
 微笑んだ魁利は、仮面も帽子もない素顔で圭一郎と面と向き合い……遂に、という瞬間!
 圭一郎の姿に兄・勝利を重ねてきた魁利が、圭一郎を通して自分が憧れの偶像(ヒーロー)になれない事を認めた時に、しかし自分には自分しかなれないものがある事に気がつく。――人は人の鏡であり、他人に背を向け斜に構え、軽口で応じてきた魁利が、他者と正面から向き合った時に自己の確立に辿り着く姿に、この1年の道のりが集約。
 比喩と同時に文字通りにまっすぐ向き合った時にそれが果たされるという瞬間が、心理と映像が重なって実に劇的となり、シナリオの積み重ねと演出の積み重ねが見事に噛み合って、ここは本当に素晴らしかったです。
 「……ありがちゅー。熱血お巡りさん」
 魁利は魁利の道を歩み出し、絶叫しながらきびすを返して街へと走る圭一郎。
 そしてそれを背に自分の道を歩き出した魁利の表情が凄まじく格好良く、圭一郎は自らの光を示す事で魁利を救い、魁利は自らが救われた事を伝える事で圭一郎を救い、互いに互いを救いながら、快盗として、警察として、正反対の方向に進んでいくWレッドの姿が、今作の集大成として素晴らしく決まりました。
 魁利は遂にザミーゴと対峙し、因縁の両者の激突スタート、でつづく。
 快盗トリオにおいて、透真はシェフ(結婚)、初美花は服飾関係、と将来の夢や生活がハッキリしているのに対して、魁利だけは仮に快盗としての願いを叶えたとして、その後の将来像が全く示されていない、というのがあったのですが、ラスト2話前にして他者と向き合う事を通して自己を確立するに至り、かなり意識的な仕掛けであった模様。
 今回の範囲では特に言及されてはおらず、残り2話でもう少し具体的に語られるかもしれませんので現段階では私好みの妄想強めになりますが、魁利が見つけた魁利だからなれるものとは、陰の中から人々を救う存在なのかな、と。
 「警察官に頼らない奴が、快盗になる」ように、どんなに光が眩くても、或いは、光が眩い故に、陰は必ず生まれる、生まれてしまう。苦しむ人々を助けようと差しのばされた手の眩さに目を背けてしまい、或いはその指先からこぼれ落ちてしまった人々に救いの手を差し伸べられるのが、「快盗」である――。
 などと転がると、第34話においてやや不穏な意味合いを纏っていた
 「……兄貴もそういうタイプだよな。……でもごめん。俺そういう眩しいの向いてない。……気付いちゃった。今まで兄貴の真似してやってきたどんな事より、俺…………めちゃくちゃ快盗向いてるわ」
 という言葉の意味も全く変わってきて、拾い方としては凄く好みになるのですが。
 ――そして、快盗・夜野魁利は、知っている。
 朝日の側に、決して諦めず、全ての苦しむ人々に手を差し伸べようとする、世界で最も信じられる男が居る事を。
 だからこそ魁利は、しかるべき時には、彼らの背を押せる。
 あちら側には、朝加圭一郎が居る、夜野勝利もきっと居る、あなたを決して見捨てない、信じられる光があるから、安心して戻ればいいと。
 朝加圭一郎が夜明けに昇る太陽である限り、夜野魁利は夜を照らす月で居られる。
 「大を救うか、小を救うか」というのはヒーローの普遍的な命題であり、今作を通して描かれる二律背反の一つでもあるのですが、その二律背反を克服する為に、大を救うヒーローと、小を救うヒーローが、互いを理解して存在していく……というのなら、W戦隊の着地点としてはかなり良い感じですが、果たしてラスト2話、どうなるか。
 次回サブタイトルの感じだと、全国指名手配まで受けた快盗トリオは一度、戸籍的に死亡扱いになったりしそうでしょうか……?
 というわけで、最も力の入っていたであろう、魁利(快盗)×圭一郎(警察)の関係性の到達点としては素晴らしく良かったのですが、ノエル関係が凄く消化不良で残念で、個人的には非常に咀嚼の難しいエピソードでありました。どちらにウェイトを置くかといえば、それはもう、前者に全力投球で正解だったとは思うのですが。
 で、ザミーゴが几帳面かつ大量に素材を保管していたのが判明した事により、魁利たちの大切な3人が助かる可能性は濃厚になってきた中で、ノエルの「願い」の行方が注目されるのですが、
 「魁利達の目的は達成されるがノエルの目的はかなわない」
 「死を明言されたアルセーヌが蘇生を果たす」
 のどちらに進んでもバランスが悪いように思え、果たしてこの問題を、どうくぐり抜けるのか。
 勿論、可能性の問題だけで行けば
 「魁利達の大切な3人も助からず、奇跡で蘇生を果たす/果たさない」
 というルートも有り得ますが、ここまで生存していてラスト目前で改めて死亡だとあまりに酷すぎますし、無事に助け出せれば3人以外のかなり多数の人々が助かる事にもなるので、警察戦隊の達成目標という点でもそちらには進まないだろうと思いたいところ。
 “コレクションの奇跡”自体が未だ不明瞭な扱いであり、例えば「代償を知って使わない事を選ぶ」というのはありそうですが、それはそれでノエルだけが割を食う形になりますし……とすると、「ノエルが納得した上で他の目的の為に奇跡を使う」というのが無難な落としどころとして思いつきますが、そこで巧いこと最終的なノエルの物語性が生じてくれればと期待したい。
 或いは、警察戦隊に対して罪悪感を持つノエルが、アルセーヌに加えて「悟の蘇生」を持ちかけるが、何らかの理由で断られ、それを通してアルセーヌの蘇生についても考え直す……とかは、割とありそうか。
 前回感想へのコメントレス、あきさんとのやり取りで触れましたが、ノエルに真に求められるのはルパン家からの「巣立ち」なのかもとも思っており、なんとか、残り2話でノエルもスッキリ収まってくれる事を願いたいです……出来れば、今回も存在感が消え気味だったつかさ先輩にもスポットを当てて。……というか、ドグラニオのカタストロフボム以降、ノエルの存在が完全に消えるというのは、さすがに割と酷いと思うのですが、次回も予告ではしれっと一緒に並んでいたノエルの明日はどっちだ?!