東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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白夜の夜明け

ファイアーエムブレムif白夜王国』クリア

 (以下、ストーリー内容に直接は触れませんが何となく察せられる&システム面で中盤以降の情報を含みますので、ご留意下さい)
 プレイ時間は、60時間程度。なんだかんだちまちまと遊びましたが、シナリオは本当に酷かったです。中盤までも酷いのですが、後半、あらゆる局面で駄目な方へ駄目な方へ突き進んでいく展開は、まさに阿鼻叫喚。
 ラスト1話前で、ああもう、このゲーム別にクリアしなくてもいいかな……レベルで引いて、本気でしばらく中断しましたからね!
 「対立するどちらの国に主人公がつくかで大きくルートが分かれる」裏表のifを描く物語、というコンセプトそのものは悪くなかったと思うのですが、それを一つにパッケージするのではなく、二つのソフト(DLC)にしてしまう事で、当然の販売戦略として悲劇を煽る方向に加速してしまったのは、大失敗であったなと。
 プレイヤー側からすると、「あなたはこちらのソフトを買ったのだから、当然この悲劇は予想されますよね?」とわかりきったものを、運命を覆す余地なくわかりきったそのまま見せられるのは、もはや苦痛のレベル。
 もしかして、某キャラのイベントリタイアを阻止するなどでトゥルーエンドルートとかあったらごめんなさいですが、コンセプト×販売戦略×シナリオ、の全てが悪い方向に噛み合って“ゲームという媒体の魅力”を破壊する大惨事に至った、という印象。
 システム的には前作『覚醒』を正統継承しており、シミュレーション面では、安定した作り(『白夜』の方は、好き放題に育成できる事もあり、後半に行くにつれてドンドン大味になっていきますが)。
 個人的な不満点としては、シリーズ前作『覚醒』もでしたが、支援会話C-Aまでは恋愛要素がほぼ皆無なのに(そうしないと、既に結婚しているのに別の異性といい雰囲気になる現象が発生してしまう為)、Sランク会話だけ急に盛り上がるのは物足りないところがあり(そういう恋愛の形もあるでしょうが、全軍揃ってその形ばかりという)、この点は支援会話の回数が限定されていた『聖魔の光石』のシステムの方がスマートであったな、と。
 勿論、『聖魔』のシステムでは会話コンプリートが面倒という難点はあり、支援会話によってキャラクターの様々な面や関係性を楽しむという要素に関しては継承作の方が充実しているのですが、キャラ物としてのバリエーションを取った結果、より深くスムーズな掘り下げを諦めるのならば、いっそ結婚要素そのものがいらなかったのでは、とは思うところ。
 『覚醒』は、ある種のお祭り作品として過去シリーズの人気システムを詰め込む事そのものに目的があり、褒められはしないが苦笑して目をつぶるぐらいは出来たのですが、それを踏まえた作品が、システムとストーリーのより進んだ融合を図るのではなく、システムありきで生じたひずみを強行突破しようとする所まで継承してしまったのは、いただけなかった部分です。
 これなら会話可能キャラ全員Aランクまで、転職システムの都合で任意のバディキャラを、性別問わず3人程度選べる、とかで良かったような。
 子供キャラの面白さは面白さでわかるのですが、正直、致命的な無理をしてまでやるほどの要素は思えませんし。……白夜王国、敵国の領土に潜り込んでゲリラ的にドンパチしている真っ最中(軍事侵攻により占領地帯を広げているようには全く見えない)なのですが、その間に結婚して子供作って生まれた子供を異界に預けて時間の流れが違うにしても時々顔を見せて育てて……って、その子供達、2週間ぐらいでゲーム内に登場する大きさになっているのではないか。
 そういったリアリティに目をつぶるにしても、実にシステムの為のシステムになってしまっており、前作『覚醒』で掴んだファンをなるべく逃がさないように、という意図はわかるにしても、もう少し、物語としての必然性と融合が欲しかった部分です。
 折角なので、最終的な1軍メンバー+1を、なんとなく序列順でご紹介。

◇主人公(女)
 四方八方から好き好きオーラを向けられる主人公、は女性キャラの方がプレイしやすいかな……と女主人公にした結果、戦場のど真ん中でCV:小西克幸とCV:中村悠一に挟まれて「俺の元に来い!」と双方から熱烈なラブコールを受けるという凄まじい導入に危うく新世界の扉が開きかけましたが、ストーリー的にはここが一番面白かったです。ハイ。
 「十数年を軟禁生活だった為、世間知らずで純粋」という設定は、ゲームの主人公としては悪くはないと思うのですが、その素材をどう味付けするのかと思えば、9割方の人間にリアクションが一緒という、塩ひとつまみしか入っていない無味無臭のスープぶり。
 そのくせ後半になると唐突に「正義」を掲げ出すのですが、そんなものまるで積み上げきていないので、「あなたに正義が見えないのは目が曇っているからだ!」とか言い出す姿に目眩が。また主人公としては、どんな相手でも信じるのが良いところで力、みたいな立ち位置なのに、終盤「おまえとおまえはどんな言い訳しても絶対に許さねぇ」と特定キャラに対して温度差ありすぎて呼吸困難。あと、長兄と長姉を差し置いて、気がつくと軍の全権を握っている理由がさっぱりわかりません(夜刀神に選ばれたからなのかもしれませんが、物語上の補足も弱く、それで通すのは色々と無茶が)。
 今作に比べると、マイユニット(軍師)+筋肉(軍事権の持ち主)、という前作のW主人公体制は、実際のシナリオには問題が色々あったものの、ストーリー面での違和感を減らす機能は高かったのだな、と。
 ユニットとしては、剣聖だけ経由した、素直に剣育成。

◇ヒノカ
 気がつくと自軍最強になっていた姉。天馬騎士→槍聖→パラディン(サイラスと結婚)と経由している内に守備と魔防が30を超え、とりあえず困ったら守りの薙刀を装備させて前線に張らせておけば大体片付くようになってしまったブラッディプリンセス。

◇リョウマ
 荒ぶる髪型の兄。遠近両用・力+4、というトンデモマジックアイテムを搭載したバーサーカーCV:中村悠一なので贔屓。落ち着いて見るとそこまで能力値は高くないのですが、神器ブーストとやたら飛び出す必殺攻撃で寄らば斬りまくり。

◇セツナ
 天然隠密能力を持つぼんやり系スナイパー。女性キャラでは一番好きなのですが、最初から最後まで安定した弓矢要員として活躍した為、特記するような要素なし。

◇カゲロウ
 気がつくと魔法防御が30を超えていたマジカルくノ一。遠近両用で回避と追撃性能が高い忍者は基本的に強ユニットですが、対魔道士要員として大活躍。比較的、支援会話で良いのが多かった印象。

◇サイゾウ
 爆炎忍者。スキルの確認も含め、自軍全体で一通りの職業を網羅したい計画により獅子舞に乗る事になるが、最終的には獅子舞分身を覚えて大変な事になった、安定の強キャラ。性格は大概面倒くさい。

◇サイラス
 親友(主人公)の為に祖国を捨てた騎士は親友が女だった為になんだか女の尻を追いかけて国を裏切った男になってしまい、白夜軍ではいったいどんな立場なのか。あと、「お人好し」設定の割にオロチは最初から詐欺師扱いだったりで、なんとなく精神が安定していません。後述するジョーカー同様、素早さ不足で一時期二軍落ちの危機だったのですが、ボウナイトに転職してから息を吹き返し、殴って撃てる騎士として、大活躍。

◇タクミ
 面倒くさい弟。弟キャラとしては明らかに暗夜のレオンの方が萌えキャラポジションであり、マジックアイテムが無かったら下手すると二軍落ちの危機でしたが、マジックアイテムの誘惑に負けました。弓矢天馬に転職してぴゅんぴゅん飛び回り、ユニットとしては貢献度高し。個人的にはアクアにもうちょっとドキドキしてくれれば凄く美味しかったのですが、支援会話Aまで上げた結果、姉弟の絆を強く確認されてしまい、違う! そうじゃない! と思いましたとさ。

◇オロチ
 我が軍の貴重な魔法要員。最初から最後まで、安定して大砲。

◇アクア
 なんだか色々なんだかな歌姫。とりあえず歌っているとLVが上がり、技と速さは十分なものの前線で切った張ったさせるにはHPと守備が心ともない、という絶妙な成長。聖天馬騎士にクラスチェンジさせたら転職ブーストでえらく強くなったのですが、そのままラストはなんだかな気がしたので、最後はまた後方で歌っていました。

◇サクラ
 個人的なセオリーとして、回復要員は無駄ライブを撃ちまくってとにかく攻撃可能な上級職まで転職させる、というのがあるのですが、そんなわけで自軍第一の昇格キャラ。とりあえず戦巫女にして後は出たり出なかったりだったのですが、後半あまりに火力不足なので陰陽師にして気持ち攻撃参加の役に立つように。中盤以降、杖を使えるユニットが増えるため、回復要員としては存在感薄め。

◇ツバキ
 貴重なローテの左腕投手、的な飛行要員。空を飛べる事が最大の武器であり、最大の存在価値。エースになるには最後まで筋肉不足でしたが、牽制役としては十分に活躍。

◇マトイ
 ツバキ×アクアの子。15人枠と考えると人が足りなかったので一軍に招集されるも進路に悩んだのですが、パラレルでメイドLV1に転職できる事がわかり、レベルアップ回数が多いという事なのでは、とメイドの道を歩む事に。なんとなく万能メイドとして活躍。

◇シノノメ
 リョウマ×セツナの子。殺意の高い両親の血を引いているので基本的な能力は高く、婆娑羅を経由して破天マスターに。槍を振り回して最強を目指す王族、というのはどこかエフラム(『聖魔の光石』主人公)みもあって嫌いではないのですが、どうにもやはり、必然的に後半しか出てこない子供世代キャラ(登場時点で下級LV18)に、親世代と同等の思い入れを持つのは難しい。

◇アサマ
 毒舌糸目。サクラの転職後、折角だからと折を見て杖を振らせて山伏に昇格させたらやたら強くなってしまい、特に育成してないしする気も無かったのに、天性の素質で一軍入りを掴み取ってしまった怪力僧。

◇ジョーカー
 Mっぽい執事。如何にもなキャラなので育てていたのですが、素早さの伸びが悪く単発攻撃を繰り返すだけのぼんくらになってしまい、自棄になってサイラスとの友情パワーでグレートナイトに転身してみるも、壁執事よりも二回殴れる忍者、という事で中盤あえなく二軍落ち。なんだか可哀想だったので、最終章(16人出せる)だけ、軍の後ろをちょこちょこさせていました。

 ……という感じの白夜軍でした。ちなみに結婚関連はクラスチェンジの事は全く考えず、端から支援会話をAまで上げていって、なんとなくカップル妄想が自分の中で成立可能な二人を順々にくっつけていったのですが、流れとして割と好きなのは、ジョーカー×カゲロウ。
 主人公は、これといっていい男が見つからず、消去法でMっぽい忍者とでもくっつけるか……と思ったら色々あって独身を貫く事になり、夜な夜な自軍の女性メンバーをマイルームに呼びつけるという後世の歴史家が著述に悩みそうな人物となりました!
 (結局、あの作業には何か意味があったのか……)