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年末恒例の長いやつ

2018年を振り返る:特撮編

 今年も主に、〔東映特撮YouTubeOfficial〕に踊らされた日々でありました。
 年末恒例、今年も各部門に分けてランキング形式で振り返ってみたいと思います。対象エピソードは、昨日の更新分まで。対象作品は、“それなりの話数を見た上で、今年、最終回を見た作品&劇場版&現在見ている作品”という事で、以下の通り。
〔『快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』『仮面ライダービルド』『星獣戦隊ギンガマン』『轟轟戦隊ボウケンジャー』『獣拳戦隊ゲキレンジャー』『ウルトラマンルーブ』『ウルトラマンガイア』『電光超人グリッドマン』『電影版 獣拳戦隊ゲキレンジャー』『轟轟戦隊ボウケンジャー THE MOVIE』『特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER』『侍戦隊シンケンジャー 銀幕版』『劇場版 動物戦隊ジュウオウジャー』『烈車戦隊トッキュウジャー THE MOVIE』『劇場版 仮面ライダーオーズ』『烈車戦隊トッキュウジャーvsキョウリュウジャー THE MOVIE』『手裏剣戦隊ニンニンジャーvsトッキュウジャー The Movie』〕
 性質上、上記作品のラストにまで触れている場合がありますので、ご了承下さい。
 昨年のランキングはこちら→〔2017年を振り返る:特撮編/旧・ものかきの繰り言〕
 さて今年も、この部門から行きたいと思います。

☆最低な大人部門☆
1位 シャーフー (『獣拳戦隊ゲキレンジャー』)
2位 バット・リー (『獣拳戦隊ゲキレンジャー』)
3位 エレハン・キンポー (『獣拳戦隊ゲキレンジャー』)
次点 最上蒼太 (『轟轟戦隊ボウケンジャー』)

 堂々第1位は、「暮らしの中に修行あり」でお馴染み、猫師匠ことマスター・シャーフー。当初こそ、過去作品の色々な反省を踏まえて、思わせぶりに話をはぐらかし見当違いの事をやらせているようで実はそれが物事の核心を突いている、という王道の師匠キャラだったのですが……元カノを私怨で封印した事が明らかになった辺りからじわじわと暗雲が漂いはじめ、気がつけば激獣拳パワハラ体質の波に飲み込まれる事に。道を踏み外した元弟子は全く救えず、同輩の元カノの100年に渡る苦しみは傍観し、かつての兄弟子の最期には一言もコメントを出さず、後半戦に入ると口を開くほどに目が節穴になっていき、トドメは、かつての一番弟子に子供が居た事を知りもしなかったという衝撃の事実。何故そこを他人事風に語るのか猫ぉ……!
 「時を超えてダンが思わぬ波紋を投げかけてきたのう」
 第2位は、空飛ぶナルシスト拳聖バット・リー。猫以下のパワハラ七拳聖はどれも似たり寄ったりではあるのですが(サメは比較的罪が軽い)、100%勝手な男の理屈で捨てた女との関係を、一方的に「美しい思い出」に昇華していた最低ぶりで頭一つ抜け出しました!
 「私は激獣拳に生涯を捧げた男。共に居てはおまえが不幸になる。だがどんなに離れていても、心だけは一緒に居よう。そう思って生きてきたのだ」
 第3位は、セクハラ拳聖エレハン・キンポー。初登場回からランへのセクハラで好感度を下げ、後輩へのパワハラと殺人容疑でまた株を下げ、ギャグとして見せようとしている要素があまりギャグになっていない……という七拳聖の問題点を象徴するようなキャラクターでした。後半は後輩に部屋を貸すような懐の深さも見せるのですが、相変わらずのセクハラ行為が大きくマイナス。
 「あいつは未熟者だ……逆恨みし、心に悪が芽生えたのかもしれないゾウ」
 圧倒的な七拳聖1-2-3! に続く次点として、元敏腕スパイの高き冒険者、最上蒼太。基本この部門は、実質的な暗黒メンター部門なのですが、ボウケンジャー年長組は意識的に“大人”として描かれているので、めでたくエントリー。リアルに劇中で追求しづらい血塗られた過去を持ち、女好きは諸々のカモフラージュ疑惑が濃厚。辿り着いたのは、“動物にしか心を開けない男”だ! 数多の歴代戦隊メンバーの中でも、闇の深さは最高クラス。
 「可愛いでしょ。あの子、ミス・サージェスのチカちゃん!」
 来年は、某コマンダーと某チーフが、ランクインしないと、良いなぁ……と思っています(笑)
 さて、まさかの『ゲキレン』勢1-2-3で始まった今年のランキングですが……

☆可哀想部門☆
1位 深見ゴウ/ゲキバイオレット (『獣拳戦隊ゲキレンジャー』)
2位 久津ケン/ゲキチョッパー (『獣拳戦隊ゲキレンジャー』)
3位 オウガ (『轟轟戦隊ボウケンジャー』)
次点 ゲキバズーカ (『獣拳戦隊ゲキレンジャー』)

 続いても第1位は、『ゲキレンジャー』からゴウ兄さんだ!
 「……じゃあ、いつか俺も、おまえのライバルに、ランクアップできるように、頑張らないとな」
 「なぜ? ゴウはゴウのままでいいじゃないか。ずっと友達でいてくれよ」
 運命になれなかった男の背中に、全米が泣いた。このやり取りは今作最終盤において、大変クリティカルな一撃でした……。
 第2位は、最終的にそんなゴウ兄さんとセットで箱に詰められた、前座ーズの白い方ことゲキチョッパー。天才ならではの激気研鑽、をジャンやレツが次々と使えるようになってしまうのはまあさておき、父子の関係において激獣拳サイドにおいて唯一ジャンに寄り添う発言をしたのに誰にも理解してもらえず、特に拾われもしないという冷たい扱い。そして最終決戦での立ち位置が前座の前座、という戦隊史上に残る悲惨さは、あまりにも可哀想でした。やはり、胸毛が悪かったのか……。
 「おまえの親父は実は、タコ焼きの名人だった。そしておまえも、タコ焼きの星になる宿命なんだ! て、いきなり言われたら、おまえだって困るだろ?」
 第3位は、アシュ西の長・オウガ。ペンダントを貰って(あいつ……俺のこと好きなんじゃねぇの?)と一人で盛り上がっていた幼なじみは異種族と結婚。その息子に恨みを晴らす為、呪われた幻影の世界で愛する幼なじみに扮し、むしゃぶりつくように息子を押し倒し、手を繋いで砂漠を歩き、薔薇の花を生け、手料理を振る舞い、独りにしないでと腕の中に飛び込み、など数々の熱演を繰り広げるも、最終的には母子の真の絆によって魂滅され、色々と可哀想な変態でした。
 「ケイ! ケイぃぃぃ!!」
 次点として、強敵の撃破の為に1話かけて修行をする、という形で登場しながら、次のエピソードでは敵幹部に受け止められ、パワーアップの踏み台にされるという空前絶後の大暴落ぶりを見せた必殺兵器ゲキバズーカ。この印象があまりに強くて、正直、その後どういう扱いをされていたか、記憶にありません(笑) 『ゲキ』は全体的に、殺陣は格好良いにも関わらず、装備品の扱いが雑気味だったのも、前半~中盤までの残念だった要素。
 「ジャン、もう豚の角煮はやめろよ」

☆助演部門☆
1位 黒騎士ブルブラック (『星獣戦隊ギンガマン』)
2位 牧野森男 (『轟轟戦隊ボウケンジャー』)
3位 モーク (『星獣戦隊ギンガマン』)
次点 ウォズ (『仮面ライダージオウ』)

 今回、どの部門でエントリーするか非常に悩んだキャラが二人居たのですが、その内の一人、黒騎士は助演部門を受賞。大切な人と故郷の森を失ったギンガマンの前に現れた復讐鬼であり、バルバンに敵対する者でありながらギンガマンとも相容れず、<ギンガの光>を巡る衝突の中で、『ギンガマン』のテーゼを確立。
 物語の根源に位置する
 「ここであの子を見捨てれば……どう戦おうと、それは、バルバンと同じだ!」
 というリョウマの言葉を引き出したのは、会心のキャラクターでした。
 「てめぇ……なに考えてやがる?!」
 「3000年の間、貴様等バルバンを倒す事だけを考えていた」
 第2位は、ボウケンジャーの頼れるメカニック、牧野先生。アトランティス文明を研究する考古学者であり、プレシャスの分析を担当し、それでいながら各種ビークルのメンテナンスもこなすという万能ぶりに長らく財団での立ち位置が謎だったのですが、本人が「メカニック」と言っているのでメカニックのようです。長官/博士ポジションといっても、戦隊を引っ張っていくような役割ではなくあくまでサポーターなのですが、あの冒険バカ明石暁が敬意を払い、地味にメカニックとしては超有能、という存在感の見せ方がツボでした。若干サージェスの流儀に染まってはいるものの、そこまでどす黒くなかったのも、安心できたところ(笑) そしてまさかの最終回……ファーストインパクトではなく、1年間通して出来上がったキャラ、として総合的にかなり好きなキャラとなりました。
 「メカニック牧野!」
 第3位は、ギンガマンの頼れる後見役・知恵の樹モーク。見た目NHK教育TV的な喋る樹で最初はどうなる事かと思いましたが、高いレーダー性能と通信能力でギンガマンを的確にサポートしつつ、落ち着いた物腰にユーモアを兼ね備え、なくてはならない存在感。また今年は、このモークと拳魔カタ(『ゲキレンジャー』)、納谷六朗さんの印象深い役が重なり、その分も含めて。
 「それに……仲間は放っておけない。そうだろう?」
 次点には、約束された全時空アイドル・常磐ソウゴのマネージャーこと、謎の語り部ウォズ。如何にも黒幕めいた立ち位置のキャラですが、あまりにもらしすぎてそこまでストレートには持っていかないだろう感があるのに加え、現時点では特に悪役らしい事をしているわけではないので(ソウゴをオーマジオウにしようとしている時点で悪事では、というのはさておき)、助演部門でエントリー。昨今、大河ドラマなどでも注目を集める「いい声」属性であり、個人的に今季の「顔が好み」枠。物語の展開次第では凄くつまらないキャラクターになる可能性もありますが、現状、『ジオウ』視聴モチベーションのかなりの割合を占めるので、来年の活躍を期待したい。
 「やあ~、我が魔王」
 あと、登場エピソードは去年の視聴(第7話)なのですが、後半戦も含めて、チーフ魂の道しるべとして『ボウケンジャー』世界の通奏低音として存在感を発揮し続けた香川慈門先生は、特に記しておきたいゲストキャラ。そして光は! 闇に打ち勝つ!

☆メカ部門☆
1位 アクセルラー (『轟轟戦隊ボウケンジャー』)
2位 ゴーゴービークル (『轟轟戦隊ボウケンジャー』)
3位 Xエンペラー (『快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』)
次点 エリアルベース (『ウルトラマンガイア』)
 
 第1位は、トータルとして『ボウケンジャー』の象徴的な装備だった、アクセルラー。変身アイテムであると同時に各種アクションに繋がるワイヤー射出装置でもある、という冒険者のツールであり、その独特の変身機構は、全編通して凝った演出で楽しませていただきました。チーフに限らず、メンバーそれぞれ、印象的な変身シーンが描かれたのも、高ポイント。
 「レディ! ボウケンジャー、スタートアップ!」
 第2位は、ちょっと範囲が広いですが、ロボ個別にすると部門が『ボウケンジャー』で全て埋まってしまいそうだったので、ゴーゴービークル。ショベルとツルハシが基本装備というダイボウケンのインパクト、序盤の傑作ドリル回、色々アレだったスーパー初登場、アルティメット飛び蹴り、まさかのバイク戦艦からタイヤで殴るダイボイジャー、そして最終回、とメカ推し戦隊としてきっちり最後まで使い切り、要所要所でのドラマとの絡め方も素晴らしかったです。ロボ・ビークルのデザインも良かったですし、アクション面での工夫も見応えがありました(特にアルティメット飛び蹴りは大好き)。……え……? サイレンビルダー? サイレンビルダーはやはり、巨大な銃に変形するべきだったよな、と……(その役割はズバーンに取られた)。
 「“ご”か…………『ゴーゴービークル、脱出!』 さっさとしろ!」
 第3位は、電車に電車が突き刺さる、X合体! が衝撃的だったXエンペラー。スラッシュのデザインは単純に好きですし、登場時のXポーズ(火花噴射)は大好き。ガンナーはデザイン的にやや野暮ったいですが、ひっくり返ってX変形はこれまた好きで、総合的にギミックの好きな一体。
 『エッエッエッークス!』
 次点として、地球と人類に迫る破滅と戦うため、天才集団のオーバーテクノロジーを軸に建造された空中要塞、という基本設定が熱いエリアルベース。各種メカギミックへのこだわりが強い作品であり、六角ファイターやおにぎり戦車という搭載兵器の分も含めて評価。また、防衛組織の特殊性を示す「空中」要塞という設定が、「天空」と「地面」という劇中における視点的差異を示す事になっているのも秀逸。世界観的に、エリアルベースとジオベースが合体したりはしないと思いますが、中盤以降も今作のメカ関係は楽しみです。

☆悪の組織部門☆
1位 バルバン (『星獣戦隊ギンガマン』)
2位 カーンデジファー&藤堂武史 (『電光超人グリッドマン』)
3位 根源的破滅招来体 (『ウルトラマンガイア』)
次点 ヤン一味 (『電影版 獣拳戦隊ゲキレンジャー』)

 第1位は、年間通じて安定した組織運営で最後まで脅威としての格を保った宇宙海賊バルバン。行動隊長の変更を、ただ幹部が交代するだけに留めず、それぞれの個性的な軍団、行動目的の変化、ちょっとした小ネタ、と印象的に繋げ、新鮮さを保った構成は秀逸。大宇宙規模の悪の組織だけに軍団員個々のスペックもかなり高く、戦闘民族ギンガマンと、互いの魅力を高め合いました。悪の存在感がヒーローを引き立てる、という基本に非常に忠実で、多士済々の荒くれ共を率いる船長の貫禄も十分。作品同様、総合的な完成度の高い悪の組織でした。
 「やっと俺たちにも運が向いてきた。三千年の憂さ晴らし。どいつもこいつも遠慮はいらねぇ。好きなだけ暴れ回ってこい!」
 第2位は、今年後半、彗星の如く現れた逆恨み同盟こと魔王カーンデジファー様&藤堂武史。『グリッドマン』自体が、93年当時としては若干古くさい作劇ながら、“ささやかな悪意がコンピューターというツールを通す事でインフラの大混乱などに繋がる”という基本設定は今日の方がむしろ実感しやすい要素を持っており、時代の過渡期において面白い存在となりました。また、世界征服を企む異世界からの逃亡者であるカーンデジファー様と、世間に対して深い憎悪と劣等感を抱える武史の関係性も面白く、作品視聴の原動力となってくれています。
 「儂の名は、魔王カーンデジファー。貴様と志を同じくする者」
 第3位は、厳密には組織ではないですが、『ガイア』怪獣の総称として、根源的破滅招来体。現在進行形のシリーズ作品とは作劇の方向性からして違う、というのはありますが、各エピソードごとに、敵対する怪獣が“キャラクターとして描かれている”というのは今作の大きな魅力の一つであり、古典シリーズ群の印象が強い身としては、嬉しい部分。ストーリーと密接に繋がったバリエーションの豊富さ、そこから来る多彩なデザインも面白く、これから中盤戦以降も、どんな怪獣が出てくるのか、楽しみです。
 「根源的破滅招来体は、怪獣体だけとは限らない」
 次点として、『ゲキレンジャー』劇場版から、メディア王ヤン一味。『ゲキレンジャー』劇場版は、ほぼスピンオフ作品的なノリで、本編の基本設定とキャラクターを活かしつつ、本編と全く別の劇場版スペシャルとしての面白さを確立している、という意外な秀作だったのですが、「そう、拳法による世界征服だ」が、あまりにも私のツボすぎました! メディア王ヤンを演じる石橋雅史さんが、実に名調子で悪の大ボスを演じ、世界征服を語ってくれたのも非常に高ポイント。劇場版のみの組織という事で次点としましたが、ツボにはまった、という点では今年一番の組織かもしれません(笑)
 「世界征服の為、ヤンは科学力を結集して、究極の拳法を作り上げた。それがメカンフー」

☆悪役部門
1位 デストラ・マッジョ (『快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』)
2位 ブクラテス(『星獣戦隊ギンガマン』)
3位 闇のヤイバ (『轟轟戦隊ボウケンジャー』)
次点 カーンデジファー (『電光超人グリッドマン』)

 今年は、そこそこ好きなキャラは色々居るけど、抜けた存在が居ない、という乱戦だったこの部門、最終的に、散り際に一番ダメージを受けたキャラにしよう……という事で第1位に選ばれたのは、ギャングラーの苦労人番頭デストラさん! 作品としてW戦隊構造の関係でギャングラーの描写にはあまり尺を割けず、なかなか上層部の魅力を出し切れない物足りなさはあったのですが、筋骨隆々のボディガードポジションかと見せて実は頭も十分に切れる腹心、酔狂なボスと我が儘な女狐に挟まれてなんか苦労していそう、と徐々にキャラを確立。何よりその戦闘力でW戦隊を苦しめ追い詰め、決戦バトルの殺陣は、近年最高レベルの出来であったと思います。
 「私は、ドグラニオ様を、絶望させるわけにはいかんのだ!」
 第2位は、ある意味『ギンガマン』で最も波瀾万丈の軌跡を辿ったのではないかと思われる樽爺ことブクラテス。当初は悪役サイドの博士ポジション兼コメディリリーフであり、最終的に基地の爆発に飲み込まれたりしそうだな……ぐらいに見ていたのですが、まさかのドロップアウトから復讐鬼への転身、そしてヒュウガのコーチ就任という激動の展開は、『ギンガマン』終盤の見事なアクセントになってくれました。黒騎士と同じく敵の敵ではあるがギンガマンの味方ではなく、あくまで“悪”である事を貫き通した描写の徹底も良く、驚くほど“化けた”キャラ。我ながら、最終的に、樽爺の生死を心配する事になるとは思いませんでした(笑)
 「勘違いするな。ゼイハブを倒すまでは、おまえは儂の大事な道具じゃからな」
 第3位は、第9話にて『ボウケンジャー』感想に一つの方向性を与えてくれた、闇のヤイバ先輩(笑) 先輩のあれが無かったら、『ボウケンジャー』の感想はかなり毛色が変わっていた気がしてなりません。『ボウケン』悪役陣では竜王陛下もネタ度高くて好きなのですが、総合的な貢献度から、ネガティブ代表として。
 「もっと俺を楽しませてくれ。闇を解放しろ。欲望のままに力を求めろ!」
 次点として、地球最強のセキュリティこと魔王カーンデジファー様。組織部門で述べたように『グリッドマン』の大きな魅力は逆恨み同盟の存在にあるのですが、世界征服を企む強大な魔王でありつつ、電子レンジを知らないなどと軽いお茶目も見せ、武史の怨念を煽りそそのかす悪魔でありながら、結果として武史に“生きる理由”を与えている、という闇の保護者としての立ち位置が絶妙。黒フードに黒仮面のデザインもオーソドックスに格好いいですし、あと何より、名前の語呂が「様」まで込みで非常に良い。配信終盤も楽しみです。
 「馬鹿者! 見知らぬ男を入れるとは、何事だ!」
 悪役部門が乱戦の中、ヒロイン部門では驚愕のアルティメットヒロインが誕生、その名は……

☆ヒロイン部門☆
1位 メレ (『獣拳戦隊ゲキレンジャー』)
2位 青山勇太 (『星獣戦隊ギンガマン』)
3位 ガジャ (『轟轟戦隊ボウケンジャー』)
次点 西掘さくら/ボウケンピンク (『轟轟戦隊ボウケンジャー』)

 中盤まで、背後からひたひたと迫る勇太くんとデッドヒートと繰り広げていたのですが、終盤、ラストスパートを仕掛けた勇太くんを振り切るどころが千切り捨ててしまい、文句なしの今年のヒロイン部門覇者は、臨獣カメレオン拳使いのメレ様!
 序盤から、酷薄な悪のセクシー女幹部と、理央様に対する妄想乙女の間をハイテンションで行き来して存在感を発揮しつつ、まあその内落ち着くだろう……と思っていたら、むしろ加速、どんどん加速。最終的に堂々たる真ヒロインとして君臨し、ここまでやってくれれば言うこと無し。悪の美形ライバルキャラに恋い焦がれる、という基本的においしいポジションの上で、悪役ゆえにその二面性のギャップを劇的に表現しやすいというのがあり、脚本・演出・キャストのいずれもノリが良く、多くの脚本家が参加した『ゲキレンジャー』において、メレ様は誰が書いても楽しそう、という一貫した良キャラぶり。あまりにもメレ様のキャラ強度が高くて、激獣拳サイドにしわ寄せがいった部分はありましたが、最後の最後まで、大変良いキャラクターでした。
 「理央様の愛の為に生き、理央様の愛の為に戦うラブ・ウォリアー! 臨獣カメレオン拳使いの、メレ!」
 第2位は、《投石》スキルの高さでお馴染み、青山勇太少年。序盤から的確にヒロイン力を発揮し続け、終盤、あまりにヒロイン力が強すぎて、主人公を瀕死に追い込んだのは、大変レベルの高いヒロインムーヴでした。日常賑やかし系子役かとばかり思っていたら、ギンガマンと外の世界を結ぶ架け橋であり、逆に「戦士」に憧れる少年であり、ひいてはギンガマンと繋がる「大衆」の象徴となる、という縦横無尽の使い切られぶりで、メレ様同様、序盤から最終盤まで作品に欠かせず、総合的にも非常に良いキャラ。
 「みんな、負けないよね、絶対」
 第3位に飛び込んだのは、『ボウケンジャー』のヒロインといえばこの人、ゴードム文明の偉大なる大神官ガジャ様!(え) パイロット版において、「古代遺跡の中から目覚め」「悪の組織にさらわれる」という完璧なヒロインムーヴを決め、衝撃のデビュー。よくよく考えるとこの王道設定、まんま菜月と被っているのですが、先に披露して見せつけたのがガジャ様の方で、どうしてそうなった。
 「サンタさん、サンタさん、クリスマスプレゼント、欲しいなぁ」
 次点として、ボウケンジャーの誇るパーフェクトソルジャー・さくらさん。強いピンク路線としても良いキャラなのですが、序盤から明確に進められていた、さくら→チーフ、が全編通して非常に良い味を出しており、ヒロイン性の可愛げがキャラに奥行きを与えてくれました。また「シンデレラ」回は、振り返ってみると『ボウケンジャー』の核にあるテーゼを中盤に改めて再確認するという重要エピソードだったのですが、そこでスポットが当てられたのも印象深いです。
 「待ったりしません。自分で――捕まえるだけです」
 今年はいずれも、作品を支えた“良キャラ”が並んだ感。あと、ランクインはなりませんでしたが、『特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER』のウメコが非常にヒロイン力高かったです。
 ヒーロー部門は、5位から順に。

☆ヒーロー部門☆
5位 伊能真墨/ボウケンブラック (『轟轟戦隊ボウケンジャー』)
 まず第5位に入ったのは、異能・真墨、じゃなかった、ボウケンジャーのセクシー担当、拾った女の子に花の名前を付けるロマンチック男子・伊能真墨! あれ? そんなに真墨を好きだったっけ……? と聞かれると、我ながら首を捻るのですが(おぃ)、ヤイバ先輩のソウルメイト案件をはじめ、物語を通して安定したネタ度の高さで、感想への貢献度を高評価。『ボウケンジャー』は非常に濃密なエピソードが続き、どのキャラも印象的となりましたが、チーフと並ぶ打たれ弱さがありつつも、夏のロボ回のようなトレジャーハンターとしての活躍を見せてくれたのも良かったです。
 「うるせぇ! 言っとくけどな、ホントはおまえにどうこうっつぅ気はねぇからな! 気の迷いであんな事言っちまったけど、深い意味は! ぬぁぁぁぁぁ!!」

4位 明神つかさ/パトレン3号 (『快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』)
 第4位は、もしかすると初めてかもしれない、女性メンバーのヒーロー部門でのランクインとなった、つかさ先輩。当初は、男言葉で武闘派だけど可愛いもの好き、というべたべたな基本設定がかえってキャラを縮こまらせてしまうのではないかと心配したのですが、第4話、第6話で描かれた圭一郎との距離感が非常に上手い方向に転がり、中盤、圭一郎を眼力でねじ伏せるところまで成長してくれたのは、大変良かったです。強さと細やかさのバランスも良く、歴代桃色の戦士の中でも、けっこうお気に入り。
 「ルパンレッドを援護する」

3位 理央/黒獅子 (『獣拳戦隊ゲキレンジャー』)
 黒騎士のところで触れた、「どこでエントリーするか非常に悩んだキャラ」のもう一人が、この理央様。基本的には“悪の美形ライバル”ポジションではあるのですが、同時に戦隊ブラックでもある、というのが作品構造のキモであり、最終的に辿り着いた境地がまさにヒーローなので、ヒーロー部門でランクインする事になりました。
 真墨完全体としての登場から、人間玉座インパクト! 美形ライバルキャラとしては中盤の迷走がありましたが、ラスト、色々やり切った末のクライマックスは今作全体のイメージを塗り替えるレベルで本当に好き。ある程度、自由の利く悪役サイドにおいて連続ドラマでダークヒーローを描く、というアプローチが成功し(激獣拳サイドにしわ寄せは行きましたが……)、印象深いキャラとなりました。
 「俺はようやく、本当の強さを身につけたぞ」

2位 朝加圭一郎/パトレン1号 (『快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』)
 細かく語っていると色々長くなるキャラですが、なんというかもう、第15話における、あまりに凄すぎて、派手すぎる火薬の爆発を見た時の気持ちで笑うしかななくなる、というのが最高でした(笑) 爆発の規模でいうと、『仮面ライダーストロンガー』第17話レベル(大変わかりにくいたとえ)。年明け、辿り着いた真実とどのように向き合うのか、大変楽しみです。
 「俺はパトレン1号、朝加圭一郎だぁぁぁぁぁぁ!!」

1位 明石暁/ボウケンレッド (『轟轟戦隊ボウケンジャー』)
 朝加圭一郎の猛追を退け、今年のヒーロー部門第1位に輝いたのは、完璧超人系リーダーと見せかけてその実態は無意識にオヤジくさいセクハラをしてしまう冒険バカ。無敵の自己肯定力を身につけた冒険者の中の冒険者であり、打たれ弱いが愛され系上司、明石暁!
 第1話において、昔「不滅の牙」と呼ばれていた、という衝撃の過去から、マグマの海に落下しかけている相手に向けて「その獲物は――お前だ」と攻めまくる160キロ超えの剛速球をど真ん中にぶち込み、「このボウケンレッドが!(びしっ)」という面白すぎた効果音のタイミングと、某超力戦隊隊長を彷彿とさせる人間的圧力で、圧巻のデビュー。ソロプレイの為に仲間を騙す、人間分析に欠陥があるなど、段々とリーダーとしてのメッキが剥がれていく中で、過去を乗り越えて自己肯定力に覚醒。今作の根底にあるテーゼを象徴すると共に、その後も随所で撃たれ弱さを見せながら、しかし愛され系上司として確立していくという、物語の振れ幅をそのまま飲み込んで見せた、ザ・ボウケンジャー
 要所で構えていい台詞を言ってみる名台詞製造機、というのも、くさいを通り越してキャラクターとして成立してみせたのはお見事で、非常に良いキャラクターでした。
 「俺は既に命令した。このボウケン(びしっ)レッドが!」

 終わってみると、リョウマ/ギンガレッドがランク外だったのですが、リョウマというキャラは、勇太くんしかり、黒騎士しかり、ヒュウガしかり、他者との関係性の中でヒーロー性を確立していったキャラクターであり、その最終的な完成度が非常に高い一方、瞬間的な爆発力がやや弱かったのが、ネタ度でポイント加算のある当ランキングではギリギリ真墨に届かなかったという。黒騎士にしろ、勇太にしろ、リョウマあってのランクインというのはあり、この二人の中にリョウマ票が入っているというか、私の中ではリョウマって、そういうキャラクターの位置づけであったり。
 来年は我夢と藤宮がどうなってくるかが個人的な楽しみですが、二人とも、油断していると残念部門復活で「また円谷なの……?」となりそうなので要注意だ! ちなみに危うく、「藤宮博也の筋トレ設備」が、メカ部門でランクインするところでした。

☆最優秀作品部門☆
1位 『轟轟戦隊ボウケンジャー
2位 『星獣戦隊ギンガマン
3位 『獣拳戦隊ゲキレンジャー
 今年の第1位は、後半離脱トラブルはあったものの、會川昇渾身といっていいだろう一作『轟轟戦隊ボウケンジャー』。極端にいうと、昭和戦隊を00年代戦隊の密度で描くという作風なのですが、その為に第1クールで「『ボウケンジャー』とはこうだ!」という作品世界をしっかりと確立し、バラエティ豊かな1話完結性の強いエピソードを展開する下地を成立させた構成がお見事。
 「プレシャスを巡って争えば『ボウケンジャー』になる」「複数の悪の組織が存在する」「突き詰めるとヒーローと悪の組織がやっている事が同じ」という挑戦的な要素もふんだんに取り入れて<スーパー戦隊>の作劇の幅を広げ、宇都宮プロデューサーに大きな影響を与えて後の『ゴーカイジャー』に繋がった、というのも納得の内容。キャラもメカも存分に活躍し、大変アベレージの高い作品でした。
 會川作品らしい過剰なロジック構築や、若干の露悪的な部分はアレルギーの出る向きもあるかもしれませんが、個人的には「プレシャス」というキーワードを通して、物語に関する先人への感謝と、現在進行形の創作者達へのエールになっている、というメタ要素が背骨に存在している、というのが突き刺さる部分でありました。改めて、見て良かった『ボウケンジャー』!
 「果て無きボウケンスピリッツ!」
 第2位は、小林靖子の初メインライター作品『星獣戦隊ギンガマン』。90年代後半に『マン』名称というのも含め、こちらはこちらで80年代戦隊の90年代後期的リブートの要素があるのですが、高寺プロデューサーの偏執狂的こだわりと、小林靖子の細やかな作劇とが見事に噛み合い、非常に年間の段取り構築に優れた一作。特に最終盤、それまでイレギュラーな存在であった「魔獣」が、物語の中にぴたっと収まったのは素晴らしかったです。そして「炎の兄弟」を中心に、「復讐」とは何か? というのを年間通して描ききったのはお見事。戦隊だったりヒーロー物だったり、という枠を抜きに、「復讐」テーマの作品として、大変出来が良い一作でした。これもまた、古典ヒーローがしばしば「復讐」を抱えている事に対する、一つのアンサーであったのかもしれませんが、物語がそれと向き合った時にそこに、「ヒーローとは何か」という答が生じるのは、実に素晴らしかったです。
 「銀河を貫く伝説の刃!」
 今年は上2作が抜けていたのですが、他に完結まで見た作品が『ビルド』と『ゲキ』だけであり、第3位は自然と『ゲキレンジャー』。正直、トータルのプラスマイナスでいうとマイナスなのですが、理央×メレを中心に、最終章は本当に好き。1年間の積み重ねをきちっと拾い尽くした上で、理央様が辿り着くあの場所は、ダークヒーローのストーリーとして、素晴らしかったです。臨獣拳サイドの自由度が確保された一方で、ノルマに縛られた激獣サイドの物語構成がどうにも上手く行かなかった、というのが惜しまれるところですが。あと上述したように夏の劇場版が思わぬ秀作で、まあTV本編とほぼ連動していない故の面白さなのが困るのですが、戦隊夏映画にはこういうアプローチもある、と見せてくれた部分も含めて(後続作品への継承はされていない感じですが……)、その加点込みで。
 「燃え立つ激気は正義の証!」
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 というわけで、今年の振り返りランキング企画でした。
 つらつら眺めてまず印象的なのは、前年時点では粗もありつつそこそこ楽しんでいた『ビルド』が大失速した結果、『ビルド』勢が誰一人としてランクインしなかった事。特にブラッドスタークは大好きだったので、4クール目の引き延ばしに次ぐ引き延ばしによる凋落ぶりが改めて残念。
 そして、一部の部門における『ゲキレン』勢の異常な強さ(笑) 逆に『ルパパト』勢は作品の着地点が未だ読めない事もあり、やや苦戦傾向となりました。
 過去のランキングでは、悪役部門は激戦区ながら組織単位となるとまとまりが今ひとつ……というパターンはあったのですが、今年は組織部門の上位勢がハイレベルになった一方で、個別の悪役としては70~80点台前半止まりで90点を超えてこない、という珍しい形に。ランクインしていない中では、ブドー、ザミーゴ、ガイ、なども好きだったのですが、いずれも登場話数が控え目でもう一つ押し切れない、という形に。
 来年は、今回は対象作品に含めなかった『チェンジマン』勢と、中盤~終盤戦に入っていく『ガイア』勢が注目。特にガイアは現時点で、各部門に様々な候補生がひしめきあっており、誰が最低で誰が残念で誰がヒーローになれるのか、楽しみです(笑) 後は多彩な怪獣。
 ランキングを離れると、今年は『ルーブ』『ガイア』『グリッドマン』と、円谷作品を3つ並行して視聴する、という数年前には思いも寄らなかった状況となり、これはTwitterはじめ興味の導線となったインターネット、そして《ウルトラ》シリーズに再注目する取っかかりとなった『オーブ』へ、改めて感謝したいところです。『ガイア』は面白いですし、『グリッドマン』は一度は見たいと思っていた作品ですし、現行『ルーブ』がどうも冴えないのが残念ではありますが……年明け早い内にラスト2話を見たい予定。
 あと、今年は戦隊を中心に劇場版をだいぶチェックできたのですが(本当はもっと見たかったのですが……)、その中で『ボウケンジャー』が大傑作。諸田監督の最高傑作ではというレベルで、これを見られたのが大変良かったです。あと繰り返しになりますが、『ゲキレンジャー』が思わぬ秀作だったのは、収穫でした。
 現行作品では、商業的不振のあおりがあったようなものの、『ルパパト』は大変面白く、年明けの最終章が実に楽しみ。新戦隊は、一度参加してほしかった上堀内監督がなんとパイロット版に抜擢! という事で、まずはどんな見せ方をしてくるのか、ワクワクしています。

 今年は途中でブログ引っ越しなどありましたが、毎度ながら長文に与太多めの感想にお付き合いいただき、ありがとうございました。来年も適度にかまってやっていただければ幸いです。
 今年の締めは、大変心に残ったこの台詞で。
 「プレシャスは早いもん勝ちじゃないもん!」
 「そうよね~、強いもん勝ちだもんねぇ!」
 それでは皆様、良いお年を。