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電光残念回

電光超人グリッドマン』感想・第9話

◆第9話「悪魔の洗脳作戦」◆ (監督:村石宏實 脚本:新藤義親)
 注目は、ゆかよりもむしろ正統派美少女ルックスなゲストキャラ。
 全国統一模試の成績が57位だった事に憤る武史は、塾のコンピューターに忍者怪獣を送り込んで講師達を洗脳し、塾を滅茶苦茶にする事で他の生徒達を蹴落とそうと画策する!
 洗脳光線を浴びた塾講師が軍服姿になって悪の教育の音頭を取ると、同じく洗脳光線を浴びた生徒達の心も悪に染まり、直人達の知人も豹変してしまう……のですが、まず武史とゆか(全国42位)と同じ塾(教室)に、直人と一平が通っているのがだいぶ不自然。まあ地域で最も有名な塾に通わせているのかもしれませんが、どう考えても、特進クラスに紛れ込んだお邪魔虫になっており、話の都合が丸出しになってしまっています。
 更に洗脳作戦が始まった直後から、直人達が3人揃って塾に行かなくなる為に知人の変化にしばらく気付かない、というのが輪を掛けて不自然。その間、ゆかに教わって勉強に励むのですが、どうして塾に行くか行かないか、君たちの気分次第なのか。
 そして目撃する知人の悪事が、長ラン姿での万引きと小学生への恐喝行為で、定番のアイデアだからこそ、“洗脳の方向性”をしっかりと定める(そこで面白くする)べきだと思うのですが、そこで示される悪のアイコンが「強権的な軍人」と「古式ゆかしい不良」に分裂してしまうという演出も迷走。
 怪獣=忍者・講師=軍人・生徒=ヤンキーという物凄くちぐはぐな組み合わせが、全く面白さに繋がっていません。どうせやるなら、昨日まで普通だった塾が、何故か忍者教室に!ぐらい突き抜けて欲しかったところ。
 塾がおかしくなっている事を知った直人達は、ジャンクからアクセス・フラッシュ。Cワールドに飛び込んだグリッドマンは忍者怪獣と戦い分身の術に苦戦するが、強化ソードの刃の部分を引っ込めてアックスモードにすると何故か分身の術を自動で見切り、トマホーク攻撃で撃破。少年少女達の洗脳もキラキラミストで解け、ついでに、ゆかの猛特訓により直人と一平の成績も上昇するのであった!
 大変残念回。
 なお今回の忍者怪獣は人語を喋るという変化球だったのですが、これもまた話の都合という感じで、怪獣というより怪人ぽくなりつつ、別にそれ以上面白くはならず……同一人物とは断定できませんが、『特警ウインスペクター』第39話の脚本に、宮下隼一と連名で新藤義親の名前があり、《メタルヒーロー》シリーズ向けに書くも没になったプロットを焼き直した、と言われたら信じるレベル。
 ちなみに画面上で確認できる武史の模試の結果は、
 国語:92点
 数学:100点
 理科:100点
 ?(社会?):95点
 ?(英語?):98点
 で、全国42位のゆかとはケアレスミスの1,2点差の世界で拮抗しているのかと思われますが、武史のゆかへの恋心はやはり、学校の期末テストの結果を見て、(同点1位?! この学校に、僕と同じ頭脳の持ち主が居るというのか! ふっ……井上ゆか、君をこの僕にふさわしい存在として認めよう)みたいなパターンだったのか。
 なお今回から予告の最後に「君もアクセス・フラッシュ!」と言うようになりました。