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エレキのグリッドマン

電光超人グリッドマン』感想・第6話

◆第6話「恐怖のメロディ」◆ (監督:村石宏實 脚本:川崎ヒロユキ)
 見所は、ヘッドホンで完全シャットダウンできる殺人音楽(これはまあいい)
 からの、ただし普通の会話ができなくなる、というギャグ(まあわかる)
 からの、普通にかわされる作戦の打ち合わせ(ええ?!)という3歩前の出来事をブレーンバスターするザル展開。
 ヒステリーの症状を見せて楽器店に怒鳴り込んだ武史は、「殺人音楽」とか物騒な事を言い出すと、前回敗北したバギラを強化再生して楽器店の電子ピアノの中へと送り込む。ピアノ内部のCワールドを破壊し、殺人音楽を発生させる為にシステムを組み替えようとするバギラだが、突然そこに別の怪獣が現れ、バギラを消し飛ばすと破壊されたシステムを修復してしまう。
 それはCワールドに生息する電子生命体、すなわち野生の電子怪獣であり、計画を継続するべく一計を案じた武史は、コンピュータに繋いだエレクトーンを自ら弾く事で、野生の怪獣を邪悪な怪獣へと改造する……シーンを見て「生命改造実験は、命の芸術。命の芸術家にとって、命を吹き込む事など、たやすい事だ! はははははははっ!!」(『超新星フラッシュマン』)を思い出した私は、ただのリー・ケフレン好き。
 武史の遺伝子エレクトーンにより改造された音楽怪獣は電子ピアノのシステムを改造。店内に響き渡る殺人音楽は、たまたま来店していた直人達を巻き込み、更には商店街のスピーカーを経由して街中へと広がっていく……!
 これまでの武史の破壊活動は基本的に逆恨みが動機であり、結果的に死者に繋がる可能性は十分に想定されながら、あくまで逆恨みの対照への嫌がらせ(「ゆかの実家の病院をシステムダウンさせる」「不快なコメンテーターの自動車を暴走させる」)が目的だったのですが、今回は「楽器店への嫌がらせ」を飛び越えて、そのものが人を殺傷する「殺人音楽」となっているのが、かなり直接的。
 線引きが難しい所はあるものの、これまでとは“質”の違う活動になっているのですが(暴走自動車は近いですが、危害の対照が明確に限定されていた)、話のバリエーションの都合でそこまでこだわっていないのか、読み間違いが生じたのかはやや気になるところ。
 殺人音楽に苦しむ人々の姿を適宜交えつつ、Cワールドに乗り込んだグリッドマンは怪獣と戦いを繰り広げるが、そこに現れ、もともと優しい怪獣を殺さないでほしい、と訴えかけてくる音の精霊。
 「カーンデジファー様……あれはいったい」
 武史、思わず素に戻って質問するが、カーンデジファー様は、最後まで沈黙(笑)
 予告ではメインゲストのように扱われていた音の精霊(仮)ですが、エピソード後半、バトルも佳境に入ってからいきなり登場し、学生時代の直人父が直人母を口説く際に持ち出したロマンチックな与太話という伏線があったにしても、あまりにも唐突で、ゲスト企画回かなにかだったのでしょうか……?
 音の精霊の浄化のメロディと武史の遺伝子エレクトーンがCワールドでぶつかりあい、それを見ていたゆか&一平は、音楽には音楽で対抗する事を思いつく、というくだりのヘッドホンの描写が話の雑さに拍車を掛け、主題歌のピアノアレンジを弾き始めるゆか(ブルジョワ)。
 そのメロディによって野生の怪獣は正気を取り戻し、修復されるピアノ世界。怪獣VS怪獣という前半戦から、良い怪獣を倒さずに終わるという変化球で幕を閉じるのですが、最後にお礼として音の精霊の力でグリッドマンのバリアシールドが強化されるも、当然使う相手が居ないのでポーズだけ取って終わり、なにやら複雑な事情があったに違いないと自分を納得させる他ありません。
 Cワールド在来の生命体の登場、が今後を見据えた世界観としての掘り下げなのか、完全にすっぽ抜けた大暴投、なのかは判然としないのですが、どちらにせよ1エピソードとして単純に出来が悪くて残念。