『仮面ライダージオウ』感想・第3話
◆EP03「ドクターゲーマー2018」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:下山健人)
王様はぼっちごはん。
ソウゴ、悪意とか嫌味が通じにくいので皆諦めて受け入れているのでしょうが、基本的に、双方向の友人は凄く少なそう。……まあ、事あるごとに「君は未来の王室の○○だ!」とか言ってくる相手とは、普通にあまり交流したくない。
パイロット版は、話がややこしくてわかりにくい上に、興味を引きつけるフックやインパクトももう一つで、煩雑な設定をベースにした話運びのザルの目の大きさのマイナス面が気になってしまったのですが、今回は〔未来の魔王候補&未来からの監視者二人が、アナザーライダーの事件を追いかける内に、過去作品のライダーと出会う〕というフォーマットがシンプルに抜き出された事で、だいぶスッキリとして見やすい作りに(多分に、私が中澤監督の演出テンポが好き、というのもありますが)。
高校生の身分を手に入れてソウゴと同じ学校に通いながら監視を続けるツクヨミとゲイツ、を始め、コミカルな要素を増やしながらキャラクターに愛嬌をつけ、演出のガイドラインを作っていくというのは中澤監督らしい見せ方。
「目の前の困ってる人や、友達を放っておけるわけないだろ。……そういう気持ち、ゲイツにはないの?」
「…………あるさ。感情を枯らすほどにな」
は、ソウゴの善良さを端的に示しつつ、ゲイツの背景と現状が繋がって良かったです。
ただし、衣装は変。
改造制服を着こなしているつもりで練り歩き、トイレの個室で仁王立ち、アドバイスめいたものを口に出して狼狽、と早くもグダグダのゲイツですが、それも含めて、ザルな展開×テンプレートな主要キャラ、に平成ライダー20年分を秘伝ソースとしてたっぷりかけたので深く考えずにお楽しみ下さい、というのを提示してきたので、この路線なら気楽に見られるかなーとは。
一方で、ライダーの力(曖昧)を奪う(曖昧)とライダーの物語が消滅する(困惑)という非常に“重い”要素が組み合わされているのが読みにくいところなのですが、巧く噛み合ってくれる事を期待したい。
今回のお気に入りは、
「やあ、我が魔王。……」
と格好良く出てくるも完全スルーされ、深呼吸して心を整えるマネージャーさん。
「元気そうでなによりだ」
めげない(笑)
キャラクターの愛嬌という点では、今回ここの表情の変化でマネージャーさんは崩れない範囲で一気に愛嬌が増して、大変良くなりました。
そんなマネージャーさんから次のスケジュールを教わった魔王様は聖都大学附属病院で天才外科医の鏡先生と出会い、小児科医こと天才ゲーマーMの残したメモを手に入れる。そのメモによりゲームフィールドへ転移し、アナザーエグゼイド(半魚人ぽい)を倒す魔王と仮面ライダーオレだが、そこに現れた本物のエグゼイドと戦う事に……。
タイムジャッカーの方も新たなる魔王候補としてアナザーライダーを作り出している、というのが明確になりましたが、ライダーの力さえ吸収できれば、素体は割となんでもいいという事なのか……? という辺りが気になりつつ、つづく。